ほっこり 知恵袋

三軒茶屋の歯医者さん 下馬デンタルクリニックのブログです。詳しくはこちら⇒http://shimouma-dentalclinic.jp/


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2017年3/12(日)、リレ府中白糸台(サービス付き高齢者住宅)にて、貧困をテーマにシンポジウムを開催した。主催は「子どもの居場所@府中」と「市民と介護を考えるカフェ『オリーブの木』」共同主催である。共に府中市のボランティア団体として活動している。
❰シンポジウム開催のきっかけ❱
「子どもの居場所@府中」では、子ども食堂を毎月第4(月)に片町や美好町の公会堂などで定期開催している。少しづつ府中市で認知されるようになってきている。子ども食堂は誰でもこれる場所になっている。食事をみんなで食べることで、孤食になる不安を取り除き、子どもが安心して居られる居場所のひとつになればよいと代表の南澤さんは言ってる。
子ども食堂=貧困ではない。貧困とはなにか?貧困を作り出している背景は何か?それを知るために、今回シンポジウムを開催することを企画した。「市民と介護を考えるカフェ『オリーブの木』」でも、貧困をテーマにした回があった。「子どもの貧困」「認知症と貧困」である。介護が必要になったとき、介護家族やお一人様の場合も貧困にある可能性があるという視点から考えたテーマであった。


❰シンポジウムの目的❱
貧困になる背景を知り、貧困が及ぼす影響を3つの側面、健康、教育、社会的居場所から考えてみたい。市民として貧困支援にどうようの関わっていけばよいのか、参加者の皆様と話し合いたい。
❰ゲスト❱
健康面からは医師の岡村先生、教育面ではスクールソーシャルワーカー
の長汐先生、社会的居場所は宗教家として中村先生にご講演頂いた。

岡村毅先生
東京大学医学部卒業、東京大学医学系大学院にて医学博士取得。精神神経学会専門医・指導医、老年精神医学会専門医・指導医、精神保健指定医。現在、東京大学医学部附属病院精神神経科助教として臨床と教育に従事する。東京都健康長寿医療センター研究所非常勤研究員として認知症の研究、上智大学グリーフケア研究所非常勤講師としてグリーフケアに関する人材育成、大正大学地域構想研究所非常勤所員として仏教者による終末期ケアの研究をする。またNPO法人ふるさとの会の顧問として、ホームレス支援のお手伝いもしている。

長汐道枝先生
府中市立教育センター スクールソーシャルワーカー(略SSW)
2008年~日本社会事業大学 社会福祉学部 非常勤講師
千葉大学教育学部卒、日本社会事業大学専門職大学院卒
臨床発達心理士、社会福祉士、精神保健福祉士
専門は障害児教育、障害児の就学権保障と共に、都立養護学校で教員を務め、退職後は卒業生や家族と就労や生活の場を作る活動に携わってきました。府中市でのSSWから、子どもの育つ環境にある複雑な問題と向かい合うこととなり、たくさんの深い学びの中で、試行錯誤しながら活動している。

中村邦介先生
立教大学大学院及び聖公会神学院、英国ダラム大学(大学院)卒 専攻 は社会・牧会神学(Social and Pastoral Theology)
現在 、聖公会神学院専任教員及び立教 大学兼任講師 職歴は聖路加国際病院チャプレン、立教女学院(院長)聖マルコ教会牧師など

❰第1部 「貧困とは?」❱
健康面から見えること
岡村毅先生
山谷のホームレス支援団体、NPO法人ふるさとの会を手伝っている。
☆ホームレスの方の特長
▪精神疾患が多い
▪幸福度が低い
▪自殺リスクが高い
▪認知機能低下が多い
幼少期に両親の別離、育児放棄があったり、集団就職で上京した経験のある人がいた。

❰健康面での特長❱
様々な生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質代謝異常、不整脈、肥満など)
脳梗塞があり、体が不自由→塩辛いもの、甘いものを好んで食べる。何にでも醤油をかける。
精神疾患→感情の起伏が激しく、支援を受けることが苦手

生まれながらの貧困、終末も貧困

❰スタートが貧困❱~幼少期まで
不適切な発育環境により、栄養不足、肥満が起きる。

❰学童期、思春期❱
親の精神疾患、不適切な養育環境(頻繁な引っ越し、頻繁な養育者の変更)により、愛着障害が大きくなる。

愛着障害はさらに行為障害へと発展する。具体的には、非行、暴力、薬物など。精神障害を経て、失業。または犯罪、刑事施設から生活能力の欠如からホームレスへ。

❰成人期❱
生活習慣病から脳梗塞、外傷、身体機能低下、認知機能低下、失業、貧困からホームレスへ。❰終末も貧困❱

貧困がどこから来るのかをライフステージ毎に見事に分析している。
健康面への影響は、環境因子が大きいことが言える。発育に関する問題、や精神的な問題が大きい。


心の貧困、社会的居場所について
中村邦介先生
子どもの頃の同級生の話
クラスでも暴力を振るう男子が、お昼になるといなくなるという。
こっそり追跡したら、なんと豆の袋をポケットからだし、食べていたそうだ。お腹が空いているから、怒りっぽいと感じたそうだ。
仲間を作り、クラスのみんなと持ちよりの食事会を企画した。
全員参加の為一緒に参加せざるを得ない。恥ずかしいことはない。
共に食べ、雑談して楽しく過ごしたそうだ。それから、暴力を振るう男子は変わったそうだ。気持ちが落ち着いたらしい。

暴力という行為で、心の不安をぶつけていたことになる。
食べ物を一緒に食べる人がいて、話すことで自分が周囲に受け入れられる。韓国の詩人、金 芝河の「飯は天です」という詩がある。
飯は天です天を独りでは支えられないように
飯は互いに分かち合って食べるもの
飯は天です
天の星を共に見るように
飯はみんなで一緒に食べるもの
飯は天です
飯が口に入るとき
天を身体に迎えます
飯は天です
ああ飯は
みんなが互いに分かち合って食べるもの

Johan Galtungの「平和と暴力の概念」より
平和とは暴力の不在である。
人間の現実における身体的、精神的自己実現の状態が、その潜在的な実現性以下に抑えられるような影響を受けているならば、そこには暴力が存在する。
ここで暴力とは、潜在的実現性と現実、あるいは達成され得たはずのものと実現の状態との原因と定義される。暴力とは、可能性と現実との距離を拡大し、またこの距離の縮小を妨げるもの。
「構造的な暴力」の不在を「積極的平和」と呼ぶことにする。

牧師としての経験から
やくざで生活破綻者との出会いから体験談
わがままや暴力の本心は、自己肯定と安心感の欠乏だった。
正面からその人を受け止めた時から、態度が急変した。牧師に同行して役に立とうと学びだした。人との距離感がわからない、コミュニケーションの仕方がわからない等の不便があった。

自己肯定感を与えるには?
自己存在の確認、受け止めてくれる人の存在、コミュニケーションの仕方、他人との距離の取り方。当事者を支える相談支援、地域でのセイフティーネットの構築。



スクールソーシャルワーカーとして現場から見える貧困
長汐道枝先生

最も大切なことは、子どもの尊厳を守ること。
貧困であると認めたくない気持ちを組む。
些細な気づきを大事にし、さりげないサポートを心がける。
差別されること、特別扱いされることはしないこと。

学校を休む頻度が増えた→学校行事など費用がかかることは避ける。
急に元気がなくなった→家庭内に問題があるかもしれない。
怪我が多くなった→虐待を受けている可能性あり。またはいじめの可能性あり。

親の精神疾患などで愛着障害が起こる。両親離婚、虐待や育児放棄などで自己肯定感の欠如、恐れや不安が大きい。対人恐怖症など。
安心できる居場所や信頼できる人がいることが大事。

❰第2部 貧困を身近なこととして気づくには? 私たちにできること❱
大阪市堺市の地域共生ケアなど
学生の地域参加を促す(地域の祭り、イベント参加、学習支援など)
居場所として困ったときの駆け込み寺、教会など。民間や行政の相談窓口など。
緩いつながりをもつ。
地域のお節介なおばさん、おじさんなど。
「ちょっと、あそこの家、新聞たまっているわよ。」「ゴミが多い。」「最近、見かけないわね。」など。民生委員や保健師など地域の見守りをする人に繋げるなど。
病院や介護施設などの話、連携もヒントに。
宅配便、郵便、ガスの点検など全部含めて、人づてのネットワークをつくること。


❰まとめ❱
岡村先生に提示して頂いた「ライフステージによる貧困❰生まれながらの貧困❱~❰終末も貧困❱」が分かりやすい。不適切な発育環境、養育環境が大きな陰を落としている。もはや家庭内では解決出来ない問題である。地域で見守る仕組みをどう作るかが大きな課題である。
子どもの居場所として、子ども食堂は素晴らしい。「子ども食堂@府中」代表の南澤かおりさんは、府中市の各地区に子ども食堂ができることを望んでいる。府中市の公共施設の利用で、文化センターが使用できることが望ましい。現在の規定では、団体メンバーに限られた使用になっている。ボランティアで独自にお店などで始められている方もいる。大いに広がって欲しい。














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親の介護は急にやって来ます。防災グッズを揃えて、防災訓練をしておくように、介護も準備が必要ではないでしょうか?
第18回「オリーブの木」では、「親」を知るきっかけとして『親ブック』を活用した情報の整理しました。ケアポット株式会社、スーパーアドバイザーの磯田明子さんをゲストにお招きしました。
いざというときに、知りたい情報を本人から家族が知ること、または家族が他者へ伝える時にあったらよい情報、ツールに『親ブック』があります。

『親ブック』は家族が本人に聞き書きをしてもよいし、本人に書いてもらってもよいです。または、ボランティアの方やご友人が聞き書きしてもよいのです。極秘情報というよりは施設の方や介護関係の方、医療関係者などに知ってもらいたい情報を、個人の物語として知ってもらうためのツールです。どのような思い出があり、大事にしていること、友人関係、日常生活の過ごし方、趣味、嗜好品などです。


ご本人の素敵なエピソードを語ってくれた方がいました。
90代の女性です。「思い出の場所は、この教会よ。ここで主人と出会ったのよ。もう70年前ですけどね。」頬を赤らめて話す姿は、まるで少女のように可愛らしかったです。❤😘
「年をとって、失うものはなにもないです。家族が財産、みんなが幸せでいてくれることです。」
80代の方は、「一人で暮らしているけれど、娘が心配してくれるのよ。一週間に何度も来て、エアコンの掃除までしてくれるの。面倒くさい時もあるけれど、有難いことです。他にも気付いてくれるように、情報交換することは大事ですね。掃除だけでなく。(笑)」😄
親子参加の方は、子どもの立場よりお話いただきました。
「一緒に暮らしているので、何でも知っているつもりでしたが、エピソードは知りませんでした。本人が大切にしていることを改めて知ることができ、よかったです。書くことはよいですね。」
夫妻で参加の方は、客観的な見方に改めて気付かされたこと、趣向は何で、どの様な介護を好むかにも気付かされたようです。

ジョハリの4つの窓のうち、秘密の窓を解放すると他者との交流がスムーズになります。「自分が知っているが他人は知らない。」を「親は知っているが家族は知らないこと。」に置き換えてみます。
「知っているつもり。」が「実は知らない。」ことに驚きます。
家族であっても、同じことを考えているわけではありません。だからこそ、情報の開示は必要です。その裏にあるエピソードや物語は
個人が最も大切にしている宝物なのです。自分史、家族史は堅苦しくなく、家族の心に響くものであることが重要ではないかと思いました。奥様と自分史づくりをされている方がいました。写真を結婚してからの分を編集しているそうです。長いので、出来たところから毎年結婚記念日に確認しているそうです。素敵なご夫妻ですね。💕😘


それぞれの家族の形で歴史を積み上げていくのですね。
記録すること、それを他者へ知らせるツールがあるのはとても便利です。急に介護が必要になっても、どの様な介護がその人らしくいられるのか知る為に「親ブック」活用したいと思いました。
磯田明子さん、参加者の皆様、ありがとうございました。
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第15回介護家族の為の実践介護講座は、「在宅で看取りについて」。
ゲストは、桜新町アーバンクリニックの院長 遠矢純一郎先生。
在宅での看取りについては、在宅医の普及に伴い、今後は増加すると思われる。地域差に左右される為、適正な情報を素早くキャッチし、備えておきたい。


私は、昨年9月に義父を亡くした。胆管がんだった。5か月の在宅介護の末、在宅で看取りした。最初から在宅で看取りを選択したわけではなかった。在宅医療についても、がんの場合、看取りまでできることを家族は知らなかった。以下、家族の経験を書いてみました。(参考までに)

在宅看取りまでの準備
1.相談。
信用のおける情報をキャッチする。知り合いのNPO 法人「CANnet 」かんコンシェルジェに相談。そこでは、無料相談が受けることができる。家族の不安は増大するばかり。治療費をはじめ、在宅介護か緩和ケアかホスピスかと選択しなければならない。関わった方は、こちら。かかりつけの主治医と紹介先の専門医、相談した医師(がんコンシェルジェ)、地域の病院と在宅介護のつなぎ役をするNPO、在宅医、訪問看護。全て直に面談して決めた。人任せにしなかった。病院に入院中に、在宅医療が受けられる準備をした。
2.介護認定をうけるための対策
主治医から地域包括への紹介状。行政によっては方法が異なるので、各地区町村に問い合わせしておく。主治医が書く書式が決まっていることがあるため。
3.介護認定
がん場合、元気な場合が多い。主治医から地域包括への紹介状がなければ、ADLが急激に下がった時に戸惑う為、紹介状は必要。
要介護度に応じて介護保険内で受けられるサービスが全く異なってしまう。
4.在宅介護の準備
ケアマネジャーの選択。在宅介護プランをはじめ、医療とのつなぎ役のボス! (よい介護が受けられるかは、ケアマネジャーにかかっている。)
がんの場合は訪問看護師が最も適している。
急変に敏感であること、薬剤にも精通していること、医師への緊急コールが必要かどうかも見極めてくれる。迅速な判断が看護師ならばできる。因みにケアマネジャーには、介護職出身の方や薬剤師、歯科医師、歯科衛生士などがいます。
5.福祉用具、バリアフリーなどの準備
ケアマネジャーに相談して、介護保険サービスでレンタルできる福祉用具を選択する。バリアフリーも介護サービス内で認められる範囲はある。(全てではない)
6.緊急連絡先を部屋に貼る(訪問看護、ケアマネジャー)

遠矢先生のお話に在宅医療とは、「生活を支える医療だ」とあった。まさにそうだと思った。その人の生き方を支援すること。「食べたくない。」「何もしたくない。」と本人が言うならばそれでよい。無理に食べさせなくても、想い出づくりや旅行なども望まなければそれでよい。
個人の価値観であり、誰も踏み入れない領域だからだ。ただ、家族のそばにいたいと思ってるだけかもしれない。生活の延長がよいならばそれでよい。義父は多くを望まなかった。特別なことは何も望まなかった。
それでよかったのかもしれない。家族の想いと本人の想いに相違はあっても、押し付けてはいけない。尊厳とはなにか?
そんなことを思った。家族との時間の共有がとても有意義なのかもしれない。そう、受け止めた。
拝聴しながら、涙が溢れてきた。家族として、与えるのではなく共に過ごすことの重要さを知った。
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