桐島、部活やめるってよ | LIVESTOCK STYLE

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風琴工房詩森ろばのブログです。

原作を読んでいないので全く内容を知らないで
拝見しました。
回りでとっても評判が高くて、
どんどんロングランになって、
でも映画を見に行く時間がゼロで、
映画館で見られるなんて思ってなかったのですが、
なんと、やってた、吉祥寺バウスシアター。


やった!!とおもいました。


座・高円寺でチケット発売を睨んだ
座席のこととか打ち合わせをして、
20時50分からの上映に駆け込みました。


いや。なんか。
こんな邦画、あるもんなんだな、
というのが率直な感想。
まずはシナリオがものすごく上質。
文句のつけようがない。
意味を説明してないけど、
無駄話もさせない。
どのセリフにもちゃんと言わなきゃならない理由がある。



これは原作がそうなんだろうけど、
なにがうまいって、
桐島くんというタイトルロールにもなってる少年が
出てこないこと。
学校のスターだった男のコ。
そのコと関わっていること、
恋人だったり友達だったりチームメイトだったり
たんなるクラスメートだったり、
そんなことがじつは彼らのアイデンティティを支えていて、
そこが不在になったとたんに
彼らの「存在の不安」がじわじわとこみあげてくるという
その構造。
生きることを先送りにしてきたことが、
誤魔化せなくなっていく。
でも生き始めたかったんだと気づく。



そういうのって言葉にしちゃえばカンタンに見えるけど、
じっさいにかたちにするのはきっと難しい。
でも、この映画は、
俳優たちの表情で、
意味をまったく説明しないテキストで、
完璧に描ききってた。



そしてラストは確かに衝撃的。
わたしにとっては、
マグノリアで
カエルが降ってくるの見ながら
泣きながら笑ったときと同じ感覚。
人生の無情さ、
馬鹿馬鹿しさ、
愛らしさ、
大切さ、
それをあんなふうに表現できるなんて!!



というワケで、
映画館でひさしぶりに見た劇映画。
(ドキュメンタリばっかり見てるから)
エンドタイトル見ながら
わななきましたね。
あー。見て良かった。


というワケで年末までは観たい映画がたくさんあります。
「希望の国」
「その夜の侍」
そして、やっぱり見損ねていたドキュメンタリ。
「壊された5つのカメラ」
見るぞ!!