モンサントの不自然な食べ物 | LIVESTOCK STYLE

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風琴工房詩森ろばのブログです。

そしてもうひとつ。
ハシゴしたのは「モンサントの不自然な食べ物」
という映画です。


グローバル企業「モンサント」の実態を
丁寧に取材したドキュメンタリです。
わたしは「工場の出口」の取材兼ねて行ったんですが、



いやー。
これはね。
このブログ読んでるひと。
ぜひともみんな見て。



って言いたいです。



事実を知るべき、とかももちろんあるんですけど、
ドキュメンタリなのに
娯楽映画としてじゅうぶん成り立つくらいに
スリリングかつ刺激的。
まるでハリウッド映画の巨大陰謀モノみたい。
見てるあいだ中、
「マジか~」の連続。
誤解を恐れずいうなら
「娯楽としてもじゅうぶん面白いからみたほうがいいよ。」
ってカンジです。



これが宇宙産業とかの話ならともかくですよ。
扱っているのは、
タイトルからもうかがいしれる通り、
世界の「食」を扱う企業の話なのです。



モンサントは「遺伝子組み換え食品」の
シェア90%を誇るアメリカの企業です。



このことに関しては無知だったので。


遺伝子組み換え食品のなにがそんなにいけないの、


って思ってたところも正直あるんですが、



たしかに恐ろしいよね、



ということがよく解りました。



つまり遺伝子が組み替えられている、という
そのことそのものよりも、
「なんの目的で遺伝子が組み替えられたか。」
が問題なんですよ。



目から鱗が落ちる、とはまさにこのこと。



つまりですね。
遺伝子を組み替えるのは、
あたりまえなんですが、
「生産効率の向上」
のためなんですね。



例えば、
おそろしく強力な除草剤を撒く。
とうぜん畑の雑草は死滅するワケなんですが、
遺伝子を組み替えた大豆は
その除草剤で枯れないように遺伝子操作をされているので
枯れない。



モンサントはこの除草剤を、
「環境にやさしく安全」
って言ってるんですけど、
そんな環境にやさしくて
雑草とか害虫は全滅するって、
そんな薬がこの世にあるんかいな、って思いますよねえ。
強い薬には副作用。
そういうものだと思ってました。
違うのかな。




世界的に言うと、
75%の大豆が現在、
遺伝子組み換え食品なんだそうです。
(ウィキペディアより)



パイオテクノロジーと原子力って
まさに20世紀の夢の学問だったと思うのですが、
きちんと検証しなければいけない時期に
はいってきてるんだな、と思いました。



しかし、そんなコトなどお構いなし、
まったなし。
経済効率がなにより優先され、
TPPが実現すると、
こういった遺伝子組み換え食品も
日本の市場を席巻していくことになります。


映画を撮った
マリー=モニク・ロバンさんは
農業に特化されたジャーナリスト。
淡々と感情的でない撮り方からも
穏やかで不屈な知性を感じさせる女性です。
この映画も、
インターネットを駆使し、
「誰もが知りえる情報」を丁寧に集めることで
モンサントの実態をレポートしていきます。
モンサントはとうぜん訴訟を考えましたが
映画を徹底的に分析し、
勝算はないと諦めたとのこと。
彼女は現在、
原子力発電後の日本の農業や市場にかかわる調査と映画を
用意しているそうです。


農業はやっぱり未来とか人間性の回復を考えていくための
重要な鍵になるな、というコトを改めて
感じました。
そしてわたしは劇作家なので、
企業側のひとたちの心情とかじっさいを
もっと知りたいな、とも。
むしろそっちがわにこそ、
わたしたちの縮図があるような気がするので。


いずれオススメの映画です。


あと。
アップリンクの一階にあるカフェは
たいへん美味しいのでオススメです。
映画のレシートで150円引きになりますよ・・・
って、
映画館の回し者みたいですが、
現在、映画の年間個人シェアの半分くらいを占めてる映画館なので
つぶれてしまっては行くとこがなくなるのよ、
というコトで宣伝しときますね。