無断で見た携帯電話のメールを浮気(不倫)の証拠として裁判で使えるか(離婚・慰謝料請求) | 弁護士が無料で教えるweb法律相談所~あなたの法律顧問~

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Q.無断でメールをチェックしたところ、浮気(不倫)の証拠となりそうなメールを発見しました。勝手に携帯電話を操作して発見したメールを離婚等 の裁判の証拠とすることができるのでしょうか。

夫が持っている携帯電話を抜き去った上で、奪い返そうとした夫の顔や足を殴打してまで確保したメールなのですが、このように暴力を振るって得た場合でも離婚等 の裁判の証拠となるのでしょうか。



A.勝手に携帯電話を見て得たメールも、原則として、離婚等の裁判 の証拠とすることができます。ご相談のように暴力を振るってしまった場合でも、裁判の証拠とすることができる場合があります。



自分の夫や妻の様子が怪しい場合、浮気(不倫)をしている可能性があります。しかし、浮気(不倫)は決定的な場面に出くわさない限りグレーのことが多く最近の離婚に関する相談事例 等では決定的な証拠はメールのみであるというケースが増えています。以前もご紹介しましたが、浮気(不倫)を疑った場合はどのように証拠を集めれば良いかの判断は弁護士しかできないため 、離婚をするかどうかはともかく、早期に弁護士にご相談 下さい。



今回のテーマは、夫や妻に黙って勝手に携帯電話の着信履歴やメールをチェックしてみたところ、思った通り、浮気(不倫)の証拠となりそうなメールや写真を見つけてしまった場合、離婚又は慰謝料請求をする裁判 でそのメールを証拠とすることはできるでしょうか。

違法に収集された証拠は使えないということを聞いたことがある人は、無断で勝手に携帯のメールを見たことはプライバシー権を侵害する違法な行為により得られた証拠は裁判には使えないのではないかと思うかもしれません(その他の慰謝料請求を行う上での問題点はこちら 。)。たしかに、他人の間でやり取りされたメールを同意なく勝手に見るという行為は、その人の権利を侵害する行為です。



実は、違法に収集された証拠が裁判で使えないと言った場合、民事裁判と刑事裁判で分ける必要がります。手続的正義が重視される刑事裁判においては、違法な手段で収集された証拠は証拠能力が否定され、裁判で証拠として使うことはできません。これに対して、民事裁判 においては、証拠能力が否定されるケースは例外的であり、違法収集証拠についても刑事裁判に比べて緩やかな判断がされています。



例えば、裁判例においては、妻が夫の意に反して収集した不貞相手との携帯メールの証拠能力が論点となった事例があります。裁判所は、「民事訴訟法は,いわゆる証拠能力に関して規定を置かず,当事者が挙証の用に供する証拠については,一般的に,証拠価値はともかくとしても,その証拠能力については,これを肯定すべきものと解されている。しかし,その証拠が,著しく反社会的な手段を用い,人の精神的,肉体的自由を拘束する等の人格権侵害を伴う方法によって収集されたものであるなど,それ自体違法の評価を受ける場合 は,その証拠能力も否定されるものと解すべきである。」とした上で、「使用者の同意なくして携帯電話からメールを収集する行為は,通常,使用者の人格権の侵害となり得ることは明らかである から,その証拠能力の適否の判定に当たっては,その手段方法や態様等が著しく反社会的と認められるか否かを基準として,考察するのが相当である。」と判断しています(東京地裁平成18年6月30日判決)。

この判断は、原則として携帯電話を無断で勝手に見てメールを収集したとしても、証拠能力は肯定され、著しく反社会的な手段・態様が用いられた例外的な場合にのみ証拠として使えなくなるという判断枠組みを示したと言えます。



具体的には、上記裁判例の事案は妻は、夫のかばんや衣装ケースから携帯電話を抜き出したり、洗顔中、着用しているジーンズの後ろポケットから携帯電話を背後から抜き取り、これを奪い返そうとした夫の顔や足を数回殴打したというものでしたが、夫の人格権を著しく害する反社会的な手段方法や態様において収集したものとまでいうことは困難であると評価して、メールの証拠能力を認めています。

勝手に携帯電話を盗み見るだけではなく、所持している携帯電話を抜き取り、奪い返そうとした相手の顔や足を殴打する行為は、男女差を考慮しても、なお不相当な行為と思われます。このような場合であっても、証拠能力が肯定されている以上、裁判所は、「反社会的な手段・態様」について非常に限定したケースを想定していると考えられるため、原則として携帯電話を勝手に見て収集されたメールの証拠能力は肯定されるものと思われます。


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