第6章 食べ方を変えると体が変わる② | 余命1か月から生還した医師が教えるセルフヘルスケア

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38歳の誕生日を1ヵ月後に控えた日、余命1ヶ月と告げられました.5ヶ月後、腫瘍は姿を消しました。生を与えられたのは克服法を多くの人に伝える使命を与えられたからだと感じ、ご紹介していくことにしました。

第6章 食べ方を変えると体が変わる②

 

前回はこちら→

「食べ方を変えると体が変わる①」

 

①の「口に入れた食物を歯で噛むことで細かくし、

唾液で分解し飲み込む」の次の段階、

②「食道に送る機能」も重要です。

 

「食道に送る機能」とは、食べるときの「ゴックン」を

する機能で、嚥下機能といいます。

この機能が弱ってしまうと上手く食べ物を送れなくなり、

むせて肺に唾液や食べ物が流れてしまい、肺炎を

起こす原因になります。

 

肺炎は日本人の死亡原因で第3位となっております。

(厚生労働省平成二十六年人口動態統計の年間推計)

 

呼吸法や、よく噛んで唾液を増やすこと、口の中を

清潔に保つこと(歯を磨く、歯垢除去する、

歯周病の予防・治療)も肺炎の予防に繋がりますが、

それと並んで大事なのが嚥下機能です。

 

嚥下訓練は様々なものが考案されていますが、

簡単にできる舌と頚部のトレーニングをご紹介します。

 

 

まずは舌のトレーニングです。

 

(1)舌を思いっきり出してください。

  アッカンべーする感じです。

(2)舌を戻してください。

(3)舌先を喉の奥に引っ付けて下さい。

 

これを5回繰り返してください。

 

 

次に頚部トレーニングです。

 

(1)仰向けで寝てください。

(2)つま先を見るように頭を浮かせて

  5秒数えてください。

(3)戻してください。

 

5回繰り返してください。

 

 

嚥下によって食道に送られた食物は

胃に運ばれます。

胃の働きは食物の殺菌、消化が主なものと

なります。

吸収はビタミンB12,鉄、カルシウムぐらいで、

大部分は腸で吸収が行われます。

 

胃液に含まれる塩酸によって食物中の菌を

殺菌し食べたものが腸内で腐らないように

しています。

 

胃液に含まれるペプシノーゲンという消化酵素が

塩酸と混じるとペプシンに変化し、タンパク質

(肉、魚等に多く含まれる)を分解しドロドロにして

腸へ送り消化しやすくします。

 

タンパク質は最終的には筋肉など体を構成するものや、

免疫力に関係する抗体、体の機能を調整するホルモン、

酵素などを作る原料となります。

 

西洋医学では胃痛や胸焼けなどの症状がでたり、

胃炎、胃潰瘍などが見つかると、胃酸の分泌を

抑える薬を用います。

 

しかし本来必要で分泌されているものを無理矢理

抑えることがはたして正しい治療でしょうか?

 

胃酸が出過ぎる原因そのものを解決することが

大切だと思います。

 

胃酸が出過ぎる(胃酸過多)になる原因は

(1)ストレスによる自律神経の乱れ

(2)糖質の摂取

(3)アルコール、香辛料、酢の物、揚げ物、

  コーヒーなどの摂取

(4)喫煙

(5)早食い

 

などが挙げられます。

 

(1)ストレスによる自律神経の乱れ

通常自律神経によって適度に調節されている

胃酸の分泌ですが、ストレスを感じると調節が

乱れて過剰に分泌されます。

対策は自律神経を整えることになります。

これには以前とりあげた呼吸法が有効です。

 

(2)糖質の摂取

糖質食を摂取すると血糖値を下げるために

ガストリンというホルモンが分泌されます。

ガストリンは血糖を下げるインスリンの分泌を

促すとともに胃酸の分泌も促してしまいます。

対策は糖質の取りすぎに注意することです。

糖質というと甘いものをイメージすると思いますが、

最も注意が必要なのは炭水化物(ごはん、麺類など)

です。

 

(3)アルコール、香辛料、酢の物、揚げ物、

  コーヒーなどの摂取

 これはあなたも経験的に感じているのではないで

しょうか?

いずれも少量であれば問題ありませんが、

摂取しすぎると胃酸の分泌を増やします。

キムチをよく食べる韓国では、発酵食品である

キムチのおかげで腸内環境が良くなり大腸ガンが

少ない反面、胃ガンが多いそうです。

対策としては適度な摂取をこころがけることです。

 

 (4)喫煙

喫煙に関しては胃酸の問題以外に様々な

ガンや動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞の原因と

なります。

病気の予防、治療の観点からすれば控えて

いただくことが望ましいです。

禁煙があまりにストレスになってしまえば、

それはそれで病気の原因になるので

難しいところですね。

 

多くの医療施設に禁煙外来があります。

独力でするよりもストレス少なく禁煙できます。

 

(5)早食い

食べ物を口で小さくせずに大きい状態で胃に

送ってしまうと、消化するために胃酸を多く

分泌することになります。

対策としては前述したように一口に三十回以上

噛むことを心がけることです。

 

つづきはこちら→

食べ方を変えると体が変わる➂