第6章 食べ方を変えると体が変わる① | 余命1か月から生還した医師が教えるセルフヘルスケア

余命1か月から生還した医師が教えるセルフヘルスケア

38歳の誕生日を1ヵ月後に控えた日、余命1ヶ月と告げられました.5ヶ月後、腫瘍は姿を消しました。生を与えられたのは克服法を多くの人に伝える使命を与えられたからだと感じ、ご紹介していくことにしました。

第6章 食べ方を変えると体が変わる

 

 

前章でも少し触れましたが生命を維持するためには

エネルギーが必要です。

エネルギーは細胞で酸素と栄養素を反応(酸化)させた

ときに生じるものです。

酸素は呼吸で取り入れることは説明しました。

この章では栄養素の取り入れかたを説明します。

 

 

栄養素は食事で取り入れています。

エネルギー源となる栄養素は大きく分けて

3つあります。

 

タンパク質(肉、魚など)を消化して生成されるアミノ酸

炭水化物(ご飯、麺類など)を消化して生成されるブドウ糖

脂質(動物性油、植物性油)を消化して生成される脂肪酸

です。

 

 

食物の経路は大まかに説明すると

①口に入れた食物を歯で噛むことで細かくし、

 唾液で分解し飲み込み、

②食道を通して胃に送り、胃液で溶かし

③腸に運ばれ様々な消化液によってさらに

 分解したのち、腸管から吸収を行い、

 全身の細胞に届けられます。

 

 

①はあまり認識されていませんが消化の第一歩です。

しかも自分で意識的に消化に関われるのはこの段階

のみとなります。

 

噛むという行為は自分の意志で直接コントロール

できますが、その後は間接的にしか関わることが

できません。

 

そこで意識していただきたいのは噛む回数です。

 しっかり噛むことで多くの効用があります。

 

 

まず食物を細かくすることで消化吸収しやすく

なります。

大きいままでは腸管で溶かすのに時間が

かかってしまい、効率よく栄養を吸収

できません。

 

また食物の通り道で摩擦や引っかかりなどの

物理的ストレスが加わったり、食物が滞ると

発ガンの危険性も高くなります。

これだけでもよく噛むことの重要性が分かるかと

思います。

 

さらによく噛むことで唾液の分泌が増え消化が

促されます。唾液のなかには炭水化物

(米、穀物、麺類などに多く含まれる)中の

でんぷんを分解するアミラーゼが含まれています。

 

また抗菌作用のあるヒスタチンなどの物質も

含まれており、虫歯や歯周病、肺炎の予防にも

なります。

さらにフリーラジカルという発ガン性物質を消去する

物質も含まれており、抗ガン作用も期待できます。

 

また噛むことで食物をアルカリ性に傾けることが

できます。

体内が酸性に傾くと免疫力が低下や、内臓機能の

低下など病気の原因となります。

 

酸性に傾く原因はストレスや疲労、酸性食品の

過剰摂取、アルカリ性食品の不足などがあります。

よく噛むことである程度酸性化を防ぐことができます。

 

それ以外にも脳の血流を増やし神経活動が

活性化することも分かってきています。

スポーツ選手がガムを噛んだり、ドライブ中に

ガムを噛むのはこのためです。

 

とくに記憶、行動、判断、コミュニケーションなどの

役割を担う前頭前野を刺激することが分かっており、

よく噛むことで認知症の予防にもなります。

 

 一口食べたら少なくとも三十回は噛むように

意識してください。

童謡の「もしもし亀よ」を歌うリズムで噛んで、

一番を歌い終えるのが目安です。

 

次はこちら→

「食べ方で体は変わる②」