いつも言っているが、牛乳は重要な地産品の一つである。
それは各地によって地元の牛乳銘柄があるからだ。
森永、明治、雪印メグミルクの三つはどこにでもあるが、地方のスーパーの約半分は地物の牛乳、あるいは牛乳組合のものが占めている。
そしてそれらの地牛乳はいかにも牧場のある高原ぽいブランド名で販売されている。
例えば北海道は十勝、岩手の小岩井、栃木の那須高原、長野の八ヶ岳山麓、九州では阿蘇高原などそれぞれ牛乳のおいしさとイメージが結びつくものが採用されている。
関東では那須以外にはイメージに適するところがないせいか、あまりそうした地名はネーミングとして使われていない。
でも群馬にも埼玉にも地元協同組合のものは発売されている。
東京にも多分多摩地区の山岳地帯のものであると思うが、『東京牛乳』というブランド名のものがある。
神奈川県にも同様のものがある。
足柄山中の『金太郎牛乳』だったと思う。
では千葉県物はどうか。
埼玉県川口市周辺(ほとんど東京のベッドタウン)のスーパーでは見たことがない。
でも現地に行けば確実にあるだろうとは思っていた。
そしていくつかあった。
『房州酪農牛乳』。
これは名前からして広域酪農組合のものだと思う。
房総半島は小高い丘で牧場などに適している地形だ。
観光地としてのマザー牧場はある。
成田空港周辺の下総地区も丘なのでここも牧場に適している。
調べてみたら千葉県は牛乳生産高全国3位だそうだ。
しかしその割には千葉ブランドの牛乳の名前を聞かない。
例の三大メーカーに納入しているのか。
それに千葉県イコール海というイメージがあって、高原、牧場というイメージは出てこない。
この房州酪農牛乳(ネーミングが苦しい)の他に、『三芳の牛乳』というものが置いてあった。
これは65度での低温殺菌だから、高級牛乳に属する。
いわゆるパスチャライズものだ。
そしてこのパッケージの裏には、説明書きがあった。
何とこの南房総市三芳は日本の酪農の始まりの地であるということが書いてあった。
ここには酪農という言葉で書いてあることに意味がある。
牛は日本にはずっと昔からいた。
平安時代などには牛車があった。農業でも使われていた。
当然その乳も飲んでいただろう。
でも牛乳を飲めば牛になるという迷信もあった。
本来なら牛乳は仏教ではタブーではない。
晩年に修行のため衰弱した釈迦も、娘スジャータから乳がゆ(今でいえばヨーグルトか)をもらった。
でもこの牛乳は南房総地区(安房)でしか見かけない。
生産量が少ないのだろう。
安房といえば戦国時代に幸村の父、真田昌幸は天皇より安房の守(朝廷の官職)に任命されていた。
どういういわれか知らないが、これは当時の人々にとって大変名誉なことであった。
だいぶ地域は飛ぶが、東金のスーパー『SENDO』には千葉県の特産品コーナーがあった。
キリンビールが千葉県限定物を出しているようだ。
『嵐』の女性ファンがこのポスターを見ればいくらでも買いたくなるだろうが、私は女性アイドルには興味があっても、男性アイドルにはあまり興味がないので、別に何とも思わないが、それでも缶ビール1個はかごに入れた。
でもこのビールが生産された取手は茨城県なのだが。
乃木坂46のメンバーで南房総市出身、市観光大使(これが官職)の高山一美さんあたりが出ていればもっと買ったかもしれない。