チューニング(調整)の落とし穴 | 北アルプスのほとりからですが、何か?

北アルプスのほとりからですが、何か?

仕事の都合で、群馬から長野は信濃大町に居を移すことになりました。

今日も相変わらず天気の隙間を見ながら現実逃避してきました。ずんの飯尾さんだと家にゴロゴローゴロゴローということになりますが、私の場合は野球場にひとっ走り、と若干変わります。(笑)

最近夕方になっても風が凪がないというケースが多くなってきているのですが、そうした状況でもくじけず紙飛行機を飛ばしています。野球場でも禁止になってませんので。この前ゴルフ練習してる人がいたので、管理部署の担当者を呼んで追っ払ってもらいました。まあそれだけ平和ということも言えます。

そんな中、ちょっとどうかな、と思うケースが出てきます。今回は岩槻紙飛行機クラブの桜718号を持参、フライトさせましたが、相変わらずの高性能を見せつつも、ちょいと問題が出てしまいました。

桜718号

A4ケント紙で2機分取れる型紙ですので、それこそ1機当たりの製作費は40円を切るコストパフォーマンス。お値打ち感がハンパないのですが、ここにきて垂直上昇型の競技用機の弱点ともいうべきものが見えてきました。

そして、これが垂直上昇させるためのセッティングです。紙飛行機デザイン工房の長松さんのセッティングを参考にしてあります。

水平尾翼のセッティング

機体を後ろから移したのですが、水平尾翼をご覧ください。胴体に近い内側の部分は後縁が下に下げてありますが、垂直尾翼のある外側は逆に後縁が上がっています。この一見矛盾するようなセッティングがあってこその垂直上昇になるのですが、要は機体のスピード域で尾翼の後縁の利かせ方を変えるということなのです。高速域では、水平尾翼の外側はゆがんでほとんど空力に影響を及ぼすことはありませんが、内側は歪みがほとんどないため機首を下に向ける働きをします。このおかげで、普通なら宙返りして垂直に上昇などしないのですが、ゴム射出で勢いよく垂直に飛び出します。最高点で速度が弱まると、尾翼の翼端が元に戻り、後縁の上りが復帰して今度は逆に機首を上に向ける作用をし、そのままでは墜落してしまうところを滑空姿勢に入りやすくするということなのです。それにしてもよく考えられたチューニングだなと思います。

ただ、です。このチューニングにも弱点があることが今日わかりました。このチューニングがいかんなくその威力を発揮するのは、無風かごく微風の状況の時だけ。今日のように風が吹いていると、ある高度まで下りてきたところで急に墜落したりします。鋭い方はお分かりになったかと思いますが、要は当たる風にムラが出るため、対気速度が変わるのです。前述の説明の通り、このチューニングは速度域の違いを敢えて利用していますので、速度が変わってほしくないところで変わると急に機首を下に向けてしまったりするので、それで墜落に至るということなのです。地表付近は、特に地面との摩擦で気流が乱れていますので、その傾向が顕著に出るということなのです。2mくらいの高さからポトリと落ちたところで壊れませんし、また若干の破損があったところで修理はすぐにできますからそんなことはいいのですが、とにかく競技会などで滞空時間を競うような状況では、こうした風も考慮しないと思わぬところで落とし穴にはまってしまうこともありえますね。私は最初から競技には興味を示しませんが、参加される方は特に敏感になるんでしょう。確かに飛ばしていて途中からポトリ、というのはちょっと悲しいものがあります。

ところで、ただ今自転車に取付ける紙飛行機キャリイングケースの製作を目論んでおります。最初はトップチューブからぶら下げる形を考えたのですが、紙飛行機の寸法と、あの三角形の寸法が合わないということが判明したので、また別の方法を考えなければ、と思っています。何かいいアイデアないかなぁ。