のり付けの婚礼衣装ー #武雄市図書館初期蔵書入れ替え

昔、読んだ本に見初められて嫁入ることになった娘が、婚礼衣装を古着屋で買ったら、実はきちんと縫ったものではなく、のり付けされたもので、婚礼の席で破れてしまって破談になるという話を読んだ覚えがあります。

娘の実家は経済的に苦しく、相手の家から支度金が出たのに何故、そのような体面に関わるものを買って恥を晒したのかという相手方の言い分は強引であるとは言い切れないと思います。気になったので婚礼衣装、古着等のキーワードで検索したところ、五代目　古今亭志ん生の落語「江島屋騒動」の最初の部分だと分かりました。落語「江島屋騒動」は怪談「鏡ヶ池操松影」の一部だそうです。

何故そんな昔読んだ本の、しかもよそからの引用が頭に浮かんできたのか。

市立図書館の改装時蔵書入れ替えで、費用に見合わない本が入っているのではないかとの声が上がったのです。

”現在、ネットではCCCが武雄市図書館の運営を開始した際に購入した蔵書のリストとされる「初期蔵書入れ替え費で購入された資料一覧」という資料が公開されており、資料を見た人たちからは「武雄市図書館の購入書籍一覧がすごすぎて噴いた」などの意見が多数。

　2013年に購入したとされる蔵書に『公認会計士第2次試験2001』『2009年の狙い目株』『海外金融商品全ガイド 2001』などの書籍がある”

武雄市図書館の蔵書購入に内田樹氏「根拠示すべき」 - 夕刊アメーバニュース

http://yukan-news.ameba.jp/20150811-51/

” BLOGOS（2015年8月9日付）では、ヤフーのID本部長で国際大学グローバル・コミュニケーション・センター客員研究員の楠正憲氏が武雄市図書館の蔵書リストをみて、「どんなに間抜けな資料選定をやったら、こんな下品なリストができるのだろうか？」と非難。「どこぞの新古書店の不良在庫を押し付けられているにしては図書の単価が高い点も気にかかる」とも指摘している。

「在庫処分」を疑われる事態に、カルチュア・コンビニエンス・クラブ（CCC）は「とても残念に思っています。（ツイッターなどには）さまざまなコメントが寄せられており、その一つひとつにお答えすることはできませんが、真摯に受けとめています」と話す。そのうえで、「『新古書店から蔵書を仕入れる』とは、幅広い本をそろえることを意識した発言で、在庫を入れるということではありません。（古書は）『この本がいる』ということで仕入れていますし、在庫ではありません」と、きっぱりと否定する。”

10年以上前のExcel本や「公認会計士受験本」・・・　武雄市図書館はTSUTAYAの「在庫処分」なのか

http://www.j-cast.com/2015/08/12242571.html

”一連の騒動について武雄市教育委員会生涯学習課に問い合わせたところ、リストについては一般から開示請求があり公開したもので、内容に間違いはないとのこと。またラインアップへの批判も把握しているものの、購入した資料については基本的に、運営するCCC側に一任しているとのことでした。なおCCC側にも問い合わせてみましたが、こちらは担当者が夏季休暇中とのことで、コメントを得ることはできませんでした。”

武雄市図書館が新たに購入した蔵書リストが話題に　ネットでは「まるでTSUTAYAの在庫処分」と批判も - ねとらぼ

http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1508/12/news128.html

発端となったリストは武雄市に開示請求し、出されたものです。紙で出されたものをスキャンし、OCRをかけて文字データとして読めるようになっています。更にExcelデータにして下さった方も。

武雄市図書館にTSUTAYAの在庫が押しつけられる？ - Togetterまとめ

http://togetter.com/li/858068

武雄市図書館歴史資料館改修に当たって廃棄された蔵書資材資料と入れ替え費用で購入された資料 #たけお問題 - Togetterまとめ

http://togetter.com/li/858013

上記2つのまとめにデータへのリンクを含むツイートが収録されています。

今まで、武雄市図書館について問題意識を持つ人は限られていました。しかし、今回の蔵書入れ替え問題については、これまで言及していなかったと思われる方々からも疑問の声が上がっています。

何故、なのか？

2番目のニュース記事で言及されているブログエントリでは指定管理者の義務について言及されています。行政法上の争点もありそうです。

武雄図書館リニューアル時の資料選定にみる指定管理者制度のagency problem #BLOGOS