浅慮相乗のブログ

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「監査なくして、アカウンタビリティなし、アカウンタビリティなくして統制なし。」
『地方自治体の業績監査』石川恵子著、中央経済社 2011年 4頁より
http://www.biz-book.jp/%E5%9C%B0%E6%96%B9%E8%87%AA%E6%B2%BB%E4%BD%93%E3%81%AE%E6%A5%AD%E7%B8%BE%E7%9B%A3%E6%9F%BB/isbn/978-4-502-43520-1 

いままでこのブログでたびたび取り上げてきた佐賀県武雄市の武雄市図書館。この図書館の改修時蔵書入れ替えで、指定管理者と資本関係のある企業から中古本を入れたという話は2つのエントリで書きました。

のり付けの婚礼衣装ー #武雄市図書館 初期蔵書入れ替え
http://ameblo.jp/senryo-sojo/entry-12064958034.html

誰がのり付けの婚礼衣装をまとわせたのか?ー #武雄市図書館 初期蔵書入れ替え
http://ameblo.jp/senryo-sojo/entry-12070589063.html

本件について、武雄市は弁明しました。

”委託業務を進める上で、利用者の安全対策に対応した整備等が緊急に発生したため、教育委員会の判断により委託料の範囲内で調整を図り、中古本(756万円)を購入することで当初予定額(2056万円)を抑え、安全対策を講じることとしました。
ここでいう安全対策とは、書架の高い部分には本の落下防止として柵を新たに設置したこと、また、キャットウォーク上の書架については壁側に荷重がかかるような対策等(1224万円)を講じたものであります。”
武雄市図書館リニューアルオープン時の蔵書購入について
http://www.city.takeo.lg.jp/information/2015/09/002437.html
※魚拓 https://archive.is/SvEJW

一見、筋が通っているように見えます。しかし、資料購入と安全対策のような設備工事は別々の委託業務、別々の契約だったのです。

”・蔵書検索用のタブレット型端末(以下「蔵書検索端末」という)の導入及び蔵書検索端末用のアプリケーション(以下「検索端末用アブIj」という)の開発並びに導入
・蔵書検索端末を利用する為のネットワーク環境構築及び端末設置什器の導入
・受託者が開発し保有する検索性・利便性の高いWeb検索システム(以下「検索システム」という)の導入(専用の検索用web画面(以下「専用画面」という)の開発を含む)
・受託者が開発し保有するTポイントサービスを利用可能にする為のシステム(以下「Tポイントシステム」という)の導入
・富士通社製の図書館運用の汎用的なシステムとTポイントシステムとを連携させるためのシステム、及びソフトウエア(以下「連携システム」という)の開発
・図書カードのオ'ノジナルデザイン(以下「カードデザイン」という)及び武雄市図書館のロゴ、POPデザイン(以下「ロゴ、POPデザイン」という)の開発
・新たな館内案内図の製作
・蔵書となるべき書籍の購入

”・代官山の空間演出を踏雲した什器・家具の製造、手配及び設置
・図書利用者の円滑利用を実現する為の図書配置の決定
・図書重量に耐えうる什器の安全性確保
・レファレンスの円滑化を実現するコンシェルジュカウンターの企画製造
・オープンスペースで読み聞かせイベントが可能なキッズゾーンの設備設計及び設置
・代官山の空間演出の踏襲した什器用間接照明の企画及び製造
・図書利用と販売利用を同時実現するセルフPOSのデザイン及び製造
・20万冊の蔵書を設置できる什器及び20万冊の蔵書の位置検索が可能な情報端末の開発
・スターバックス、販売雑誌スペースとの空間共有できる什器デザイン
・防音設置を有した学習スペースの企画及び設置
・映像又は音楽のレンタルスペースの設置
・その他、市民価値の高い販売スペースの導入の検討及び実施”
[武雄市] H27-03-30 武市教文生第149号開示決定 武雄市図書館機能拡充事業・空間創出業務に関する全ての文書
https://www.nantoka.com/~kei/TakeoReferences/%5b%E6%AD%A6%E9%9B%84%E5%B8%82%5d%20H27-03-30%20%E6%AD%A6%E5%B8%82%E6%95%99%E6%96%87%E7%94%9F%E7%AC%AC149%E5%8F%B7%E9%96%8B%E7%A4%BA%E6%B1%BA%E5%AE%9A%20%E6%AD%A6%E9%9B%84%E5%B8%82%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E6%A9%9F%E8%83%BD%E6%8B%A1%E5%85%85%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E3%83%BB%E7%A9%BA%E9%96%93%E5%89%B5%E5%87%BA%E6%A5%AD%E5%8B%99%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E5%85%A8%E3%81%A6%E3%81%AE%E6%96%87%E6%9B%B8.pdf

この2つの業務は共に指定管理者となるカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)に委託されました。サービス環境整備業務の契約金額は\ 41,082,752(うち取引に係る消費税及び地方消費税の額¥1,956,322)、空間創出業務の契約金額は\ 139,650,000(うち取引に係る消費税及び地方消費税の額6,650,000円)でした。契約書に書かれ、両当事者が合意のうえ、記名・捺印した内容が変えられたのです。

2つの業務の合計契約金額の範囲内であるのだから、構わないではないかというのが武雄市の言い分です。

しかし、ちょっと考えてみてください。例えば、次のようなケースでも問題は無い、と言いきれますか?

ある企業が自社直営の販売店をリニューアルすることになりました。この企業はメーカーではなく、商品は他所から仕入れています。リニューアルした店舗では、今までとは違う傾向の商品を置くことにしました。商品の仕入れと店舗の模様替えは別々の業務として契約先を探しました。このプロジェクトの担当者は気心の知れた取引先に両方の業務を任せることにしました。

リニューアルオープン前になって、問題が起きました。内装の強度に問題があったのです。販売するための商品の仕入れはまだしていなかったので、商品の仕入れのための予算の一部を内装の強度を上げるための工事費に回し、商品はアウトレットを扱う業者から仕入れることにしました。この仕入れ先は業務を受託した取引先の関係会社です。

無事、販売店のリニューアルオープンを迎えました。最初のうち、新しくなった内装を見に、たくさんのお客さんが詰めかけました。けれど、並んでいる品物はどこかの店で見かけたようなものばかりで、しかもなんだか薄汚れています。だんだんと客足は遠のいていきました。

多くの予算を投じたリニューアルプロジェクトが失敗したのを重く見て、監査が行われました。しかし、監査の結果は意外なものでした。

「契約書に明記されてない仕様がある場合は協議して業務を進めることになっている。本件は協議の上で予算内で行われており、流用ではなく、違法でもない」

この言葉は、住民監査請求棄却の記事に記述されていたものです。

武雄市図書館の住民監査請求棄却|佐賀新聞LiVE
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/260862
※魚拓 https://archive.is/ATThz

当該監査請求の文面は、こちらで読むことができます。

#武雄市問題: 武雄市への初期蔵書入れ替えに関する監査請求
http://takeosimondai.blogspot.com/2015/10/blog-post.html

監査請求棄却を不服として、訴訟が起こされました。

武雄市図書館の蔵書購入「違法支出」と提訴|佐賀新聞LiVE
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/268779

「ツタヤ図書館」を住民が提訴 佐賀、違法支出指摘  :日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG14H8L_V10C16A1CC0000/

時事ドットコム:ツタヤ図書館めぐり提訴=市民ら「蔵書支出違法」-佐賀・武雄
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201601/2016011400885

〔1月17日追記〕
武雄市図書館の初期蔵書費用流用を巡り提訴:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/CMTW1601154200001.html

武雄市図書館を巡る訴訟はこれで2件目となります。

武雄市図書館を巡る諸問題については、こちらのブログエントリを読まれるとよく分かると思います。

結局のところ「ツタヤ図書館」は何が問題なのか - 畳之下新聞

それにしても、武雄市では住民監査請求は何のためにあるのでしょうか?

”(住民監査請求)
第二百四十二条  普通地方公共団体の住民は、当該普通地方公共団体の長若しくは委員会若しくは委員又は当該普通地方公共団体の職員について、違法若しくは不当な公金の支出、財産の取得、管理若しくは処分、契約の締結若しくは履行若しくは債務その他の義務の負担がある(当該行為がなされることが相当の確実さをもつて予測される場合を含む。)と認めるとき、又は違法若しくは不当に公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実(以下「怠る事実」という。)があると認めるときは、これらを証する書面を添え、監査委員に対し、監査を求め、当該行為を防止し、若しくは是正し、若しくは当該怠る事実を改め、又は当該行為若しくは怠る事実によつて当該普通地方公共団体のこうむつた損害を補填するために必要な措置を講ずべきことを請求することができる”
地方自治法(昭和二十二年四月十七日法律第六十七号)
http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxselect.cgi?IDX_OPT=2&H_NAME=&H_NAME_YOMI=%82%bf&H_NO_GENGO=H&H_NO_YEAR=&H_NO_TYPE=2&H_NO_NO=&H_FILE_NAME=S22HO067&H_RYAKU=1&H_CTG=1&H_YOMI_GUN=1&H_CTG_GUN=1

もう1つの訴訟も、やはり監査不服によるものです。こちらは「当該行為のあつた日又は終わつた日から一年を経過した」として、門前払いとなりました。しかし、監査請求に必要な情報の開示請求に対して、延々と時間を引き延ばしたのは他ならぬ武雄市なのです。

”平成25年8月2日付け開示請求「武雄市図書館機能拡充事業・空間創出業務に関するすべての文書」については、開示するかどうかの決定がなされておりません。”
[武雄市] H26-07-24 武市情第4号 不作為についての異議申立の審議状況について(回答)
https://www.nantoka.com/~kei/TakeoReferences/%5b%E6%AD%A6%E9%9B%84%E5%B8%82%5d%20H26-07-24%20%E6%AD%A6%E5%B8%82%E6%83%85%E7%AC%AC4%E5%8F%B7%20%E4%B8%8D%E4%BD%9C%E7%82%BA%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%AE%E7%95%B0%E8%AD%B0%E7%94%B3%E7%AB%8B%E3%81%AE%E5%AF%A9%E8%AD%B0%E7%8A%B6%E6%B3%81%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6(%E5%9B%9E%E7%AD%94).pdf

この回答は平成26年7月24日付のものです。

「監査なくして、アカウンタビリティなし、アカウンタビリティなくして統制なし。」

武雄市の行政に「統制」、「アカウンタビリティ」は存在するのでしょうか。
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