2006-01-26

216.好きじゃなかったら?

テーマ:彼女じゃない恋愛

彼が車で、私の家の前まで迎えに来てくれた。
私は彼の車に乗り込み少し照れ笑い。
「久しぶりやな、せのり」
「うん」
「寂しかったか?」
「うん」
「ごめんな、心配したか?」
「せぇへん!」
「そっか、寂しいな~」
「心配やった」
「そか!ごめんな」
彼に真っ直ぐ目を見つめられるとどうしていいのか解からなくなる。
目をそむけると、彼はいつものようにファッションチェックを始めた。
「俺、露出系、好きくない」
「何処が露出系やねん!何処も見えてないし!」
「この辺りとこの辺りがねぇ…」
彼は、私の胸元とミニスカートをペローンと捲りあげた。
「もぅ、エロイ!捲ったら見えるの当たり前やろ!」
「足が綺麗やぞ~って見せつけてんの!それ」
「見せてないけど、ミニが可愛いやろ」
「ま、ミニが今年はやってるけど…」
「足くらいいいじゃん」
「で、ジャケットの下には何か着てんの?」
「カーデ着てる」
「ふ~ん…」
「何?!」
「露出、好きくない」
「好きくなかったらどうなんさ!!」
「いや、やめて頂きたいかなと…」
「やめへんかったらどうなんさ!!」
「いや、どうもならんけど…」
「どうなんさ!!」
「あぁ、もう言わんでも解かってるやろ」
「どうなんさ!!」
「好きやで」
「ふふん♪」
「何やねん、その満足気な顔」
「好きならいいじゃん」
「はいはい、そんな格好してたらしらんぞ~」
彼はそう言いながら、エンジンをかけ車を走らせる。
そして、運転しながら私の足をさすりだす。
「エロじじい」
「男は皆お前の足みながら、触りて~ってこんな想像膨らましとんねんで」
「キモイ!」
「嫌ならやめることやな」
「やめないも~ん」
「こんな想像されても?」
そういうと彼はスカートの中にまで手を入れ始めた。
「やだ~もぅ~、馬鹿!ちゃんと運転してよ」
彼は私の足を触るのをやめ、左手をハンドルへと持ち替えた。
「頑固さんには、何を言うても無駄かな」
「そうそう」


暫く車を走らせ、一件の居酒屋へと入った。
店内に入ると新年会などで、満席状態。
直ぐに狭い席ではあるが、用意できるという事で、待合室へと案内され、待つことになった。
彼が私のジャケットに手を掛ける。
私は彼に任せジャケットを肩からずらす。
そっとジャケットを脱がせてくれた彼は私のジャケットをたたみながら席に着いた。
「最近、ファー着てる子多いよな」
「そうなん?でも、売ってるジャケットってみんなファーついてるよね」
「俺、ファー好きくない」
「あっそ」
「いや、ほら!めっちゃごっついファーつけてさ…歩いてるやん、最近の子って」
「ふ~ん」
「そういうの、好きくない」
「で、好きくなかったらどうなんさ!」
「いや、お前のは小ぶりで白やし可愛ぇよ」
「小ぶりで白ねぇ~」
「似合ってるよ!流行だけのファーが好きくないだけで…な」
「で、好きくなかったらどうなんさ!」
「もうえぇやけ!聞くなよ!そんな恥ずかしいこと」
「自分が言い出したんじゃんよ」
「俺は、自分の好みを伝えただけで…」
「さっきの展開からこうなることは解かってたよねぇ?」
「失敗した…」
「ねぇ~!ほら、いいなよ!」
「言わん!」
「私もいつもいつも手のひらで転がされてるだけじゃないも~ん」
「不覚…」
「ねぇ、どうなの、どうなの?」
「知らん!」
「そっか、嫌いなんだ…」
「はいはい、好きやで」
「声が小ちゃい」
「聞き分けのない子は好きじゃない」
「好きじゃなかったら…」
「あぁ、もぅ、えぇ!!解かったから!」
「ぷっ」
彼は居酒屋の待合室で、人目を気にしながら照れ焦る。
私はそんな彼がおかしくてたまらない。
そんな話をしている最中に、店員が入ってきて、彼の焦りは増す。
注文を今の内に決めておいてくれと言い、店員はさっていった。
彼は笑いながら私を睨む。
私はしてやったりだ。


暫くして店員が席の用意が出来たと案内しにやってくる。
店員の後を追おうと席を立とうとすると…。
「好きやで」
彼に耳元で囁かれる。
ポーッと顔が熱くなった。
「仕返し」
彼が子供みたいに笑う。
店員の後をスタスタと追う彼を、照れながら追った。
誰にも聞こえてはいないだろう彼の囁きが、店中に響き渡ったような気がして恥ずかしかった。
席につき店員は注文を聞きさっていく。
「顔真っ赤やで」
「馬鹿!」
「ま、ここは居酒屋やし、照れてるなんて誰にもバレんわ」
「アホ!」
「でも、車やから二人とも烏龍茶な」
「・・・」
「そろそろ照れさまして、乾杯しよう」
オーダーを通して直ぐに運ばれてきた烏龍茶を握り彼が私にグラスを傾けた。
私もそっとグラスを持ち上げる。
「何に、乾杯?!今まで乾杯なんてしてなかったじゃん」
「乾杯せぇへんの?」
「だから何?何に乾杯よ!」



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