203.感じてる? | 彼女じゃない恋愛*愛した男には彼女がいた

203.感じてる?

いつもの道いつもの夜景、そしていつものラブホテル。
私はいつも無口になる。
普段無口の私がより無口になる。
慣れる慣れなれないの問題なのだろうか。
やっぱりちょっとドキドキする。


チェックインを済ませエレベーターにのり部屋へと向かう。
ドキドキバロメーターが振り切れると、私はいつもおしゃべりになる。
普段無口な私が空回る。
「この部屋可愛いね。ねぇ、見て、蛇口がローマっぽいよ」
「あぁ」
「うわー、按摩器(マッサージチェア)ある。これ高いんだよね。すんごい欲しいし、一家に一台的存在にも関わらず手がでないよね」
「あぁ」
「あゎぁあ~う~きもち~よ~あゎぁあ~」
「お前さ、そのベタな照れ方何とかならんか?」
「なっ!何よ」
「別にいいけどな、可愛いから」
「あゎぁあ~気持ちいーな~」
図星をつかれ私はイスに肩を叩かれ気持ちよがることしか出来なかった。
横目で彼を盗み見る。
コートを脱ぎハンガーにかけクローゼットにしまっている。
私がはしゃぎながら脱ぎすてたコートもかけていてくれる。
Tシャツになると、リモコンを操作して部屋の温度を調節している。
「少し寒いな」なんていいながら。
私は相変わらずガタガタと揺れている。
慣れない空気、彼がとても自然な事が余計に緊張を誘う。
私の普段はどんなだったかな、私はいつも考える。


「せのりっ」
彼が私の名を呼びながらマッサージ中の私の膝の上にまたがって来た。
私は彼の目を見つめる。
目で語る、そんな雰囲気で彼は押し迫る。
こういう時なぜか口が半開きになる私の癖はどうにかならないものだろうか。
友達からもエロイ顔だと言われる自分が恥ずかしい。
ほら、そんな私の顔を見て彼の顔が近づく。
何だか私が誘ったみたいじゃないか。
彼の影が私の顔を覆う。
光が徐々に奪われる。
そして、自ら光を奪う。
唇だけで感じる彼を、部屋に入って数分で感じ取る。
「ぅっうん・・・」
私が感じ始めると彼はいつも唇を離した。
そして私の顔を見る。
何かを確認するみたいに。
そしていつも「またあとで」なんてお預けをくらうのだ。
「可愛い」
彼はそっと私の髪を撫でながらそう言うと、再び私の唇を奪う。
いつもと違う展開に私は目をつむるタイミングをはかれない。
普段見れないとても近い彼の顔に、心臓が口から飛び出そうだった。
激しくなるキスを私は準備なく受け入れる。
居心地の悪さを感じていた手が彼の体に触れることで落ち着いた。
彼の手もまたそうなのだろうか。
髪を撫でていた手は私の上半身を探る。
私は思う、そこじゃないんだと…。
「ぁぁん・・・」
彼の手が私の胸へと辿りつく。
声を上げると彼の手はその場に止まる。
「ダメ・・・」
裏腹な感情。
それを遮るように彼は唇で私の声を奪うのだ。
上から圧力がかかった所為か、背中に当たるゴツゴツが少し痛い。
彼が激しくなるにつれ、マッサージチェアの音も私の骨を叩きながら激しさを増す。
ガタガタガタガタガタ・・・・。
「いだい・・・」
「あはは」
彼は笑いながらそっと私の上から降り手を伸ばす。
「おいで」
そう言われ私は彼の首に捕まり抱きついた。
ふわっと浮く体。
軽々と持ち上げられ、私は彼にベッドへと運ばれた。


そっと座らされたベッドがやけに柔らかくて、気持ちまでフワフワしているようだった。
彼もすっとベッドに上がると私を包み込むように私の前に座った。
そして優しく優しく私の髪を撫でそっと軽いキスをする。
自分が生々しいと思う。
先ほどの激しさが体に残り、軽いキスを物足りなくさせている。
私が彼の首を持ちすっと近づくと、彼は私の腰に手を回しより私を近づける。
今度は私が彼にまたがっている。
「だっこ♪」
「このままエッチしちゃう?」
「しちゃう?」
答えは出ぬまま彼はまた激しいキスを私にくれる。
彼の手も私の体を刺激している。
「気持ちいい?」
「・・・うん」
「せのり、腰動いちゃてるよ」
「動いてないよー」
「そう?」
イタズラな顔で彼はそう言うとより激しいキスで私を感じさせた。
そして前後に揺れる私の腰をオーバーに振らせた。
「ぅうん、もう、ヤダ・・・」
「騎乗位できひんくっても、体は正直に動くんやな」
私の腰がYESと言っている。
「はぃ、バンザイ」
手をあげるとスポッと彼に服を脱がされた。
「じゃぁ俺も」
彼は手をあげにこっと笑う。
私は彼の服を持ち上げた。
自分の一回りも大きな人の服を脱がせることの難しさ…。
「もぅ!自分で脱ぎな」
「脱がしてよ~」
「もうー、えぃ!!」
優しさのかけらもなく、彼の服をはぎとる。
「痛ぇ」
「ふふ、ごめんね」
そっと彼にキスをする。
スタートのサイン。
彼が私を壊しにかかる。
私も負けじと彼を責めてみるのだ。
「体、しょっぱいね」
「ちょっとな」
「ゆうじの香水の匂いがする」
「シャワー浴びた方がいい?」
「うぅん、すごいエロイ匂い」
匂いをたどり、彼の首筋を舐める。
「…ぅっ」
小さく彼の声が聞こえた。
「気持ちいぃ?」
「あぁ、せのり気持ちいよ」
初めて、彼が私を感じていてくれるような気がした。



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追記

この記事を読んでお気づきの方もいらっしゃると思うのですが、今までのブログの流れとこの記事の終わりからして、ぶっちゃけ次回はH記事です、はい。

私は朝7時、一晩たって気付いた馬鹿です。

ブログを弄る暇を見つけられず、不定期更新になった為、ペースを失敗しました…。

正月そうそう…しもたっ!!!

と、言ってもH記事じゃなくても正月に相応しい記事なんて殆ど否全然ありませんけどね。

お馬鹿なブログですが、来年もどうぞよろしくお願いします。

正月に…って方は、日を改められた方がいいかもです、本当すみません。