2005-10-14

146.婦人科

テーマ:彼女じゃない恋愛

彼とのデートのあと、不順生理もなく病院へも行かなかったのだが、2日後の夜からまた出血が始まった。
それかれ少し出血がおさまるのを待った2日後、私は朝一で市の病院へ向かった。
前日に彼に報告をすると「ついていこうか?」なんて、どっかで聞いたことのあるような台詞を吐く。
この時代に婦人科にビクビクする女性も少なかろうというのが私の偏見だ。
私も初めての婦人科はとても緊張したが、もう慣れるほどここへは来ている。
生理不順でもそうだし、男が変わる毎に性病チェックは欠かせない。
それでも「慣れてるから」とは言えずに、ちょっとしたブリッコで断りをいれた。


朝一番の病院のフロントには、常連なんて言ったらおかしいのだろうが毎日の日課の如く、おじいちゃんおばあちゃんが沢山いる。
あたかもこの椅子は私の席よと言わんばかりだ。
私は受付を済ませ、婦人科待合室へ向かう。
受付番号はとても若い。
が、婦人科へ飛び入り診察する人は少なく、私の受付番号は今から3時間後だと電光掲示板が知らせていた。
3時間、何でも出来そうな気がするが、どう暇を潰せばいいのやらと悩む。
とりあえず、私がまず選んだのは椅子に座って待つということだ。


この病院は婦人科と産婦人科の待合室が別に設けられている。
診察室はおなじなのだけど。
なので、妊婦の姿は殆どない。
婦人科の待合室の壁には、生理不順や子宮癌や性病なんかの説明が張り出されている。
流産の説明なんかも堂々たるものだ。
私はそれを片っ端から読んだ。
特に感想はない。
新鮮な知識は余り得られなかった。


しばらくすると看護士さんが、問診にやってくる。
とりあえず、アンケートに答えろと言われバインダーと鉛筆を渡された。
『お悩みはなんですか』『過去3ヶ月の生理期間を覚えていますか』『過去3ヶ月で大きな病気をしましたか』『18歳未満ですか』などなどと、基本的なことを記入し、15分程度で終わらせた。
そしてまたひたすら待った。
お尻が痛い。


30分早く私の番号が呼ばれる。
診察室に入ると、医師がさっき私が書いたアンケートに目を通している。
私が医師の前に置かれている丸椅子に座ると、アンケートの答えを確認をされた。
「で、失礼だけどセックスの経験は?」
「あります」
「ごめんね、問診だから…最近のセックスはいつ?どのくらい?」
「えっと、先々週の土曜で水曜に出血があって先週の土曜の最中に大量出血しました」
「はい…じゃぁ、見てみないと何とも言えないので隣の部屋で着替えて診察台に乗ってくれるかな」
そう言われ私は隣の部屋へ移動した。
狭い空間に機械的に上から吊るされた見た目普通の椅子と小さなカゴに青い服。
隣の部屋から看護士が声を張り上げている。
「下だけ脱いで、青い服羽織って、椅子に座ってね」
隣の部屋と言ってもカーテンで仕切られているだけなので、そんなに大きな声じゃなくてもいいのにと思った。
私は言われたとおりに服を脱ぎ服を羽織、椅子に座る。
すると、天井からウィーンという音がし始め、椅子は自動的に動き出す。

ちょっとしたアトラクションだ。

あの大きな声で「いってらっしゃい」とはしゃぐ看護士の顔を思い浮かべてみた。
隣の部屋を区切るカーテンにそのまま突っ込むみ、カーテンが腹のあたりに来る頃静かに止まった。
そして、さっきはなかったひざ掛けが出現する。
看護士がカーテンのたるみを向こう側から直したあと、また機械音が響き、背もたれが倒れてゆき、自動的に私の足が外側へと開かれる。
想像はつく。
私は今、インリンもビックリM字開脚だ。
看護士に代わって今度は問診した医師の声が聞こえる。
「まず、指、入れさせてもらいます」
そういわれたあと、何とも歪な感覚に襲われる。
「検診は受けたことありますか?」
「はい」
「うーん、硬いね…避妊はどう?」
「すみません、自信はないです」
「そうか…一旦抜きますね」
医師は言葉の優しさとは裏腹に、一気に突っ込んでた指を抜く。
痛い。
「2週間前のセックス以前はいつか解かる?」
「妊娠の可能性があるセックスですか?」
「そういうことだね」
「7月上旬頃です。その他は避妊というよりも、入れてません」
「ん~、じゃ可能性としては2週間か…」
「あの…?」
「子宮がね、硬くなってるんだよ。可能性としては、癌か妊娠。妊娠したばかりと癌との症状は見分けがつきにくいんだ」
「そうなんですか…」
「エコーで確認するから、そのままの状態でさっきの部屋へ来てくれる?」
そう言われ、また私は元の部屋へ戻る。
そして、ベッドへ横になり、ゼリーを腹に塗られた。
「うーん、居ないね。異物もないね」
医師に悩まれるととても不安だ。
「もう1度、診察台へ」
部屋を行ったり来たりだ、下半身裸で…。
私は、看護士に腹を拭いてもらいまた診察台の上へまたがった。
カーテン越しにまた医師が話す。
「では、今度は中を見せてもらうね。ゆっくり広げますから痛かったら言ってください」
そう言われたあと、ひんやりとする器具を突っ込まれ、何度か器具を交換されるごとに痛みが走る。
広がっている、なんだかスースーする。
そして、器具を突っ込まれたまま、何かで膣内を探られる。
多分、突っ込まれている器具はドーナツ型なのだろう。
そして、かき混ぜられているのはきっと細い棒状のもの。
うー、気持ちが悪い。
「あぁあ・・・」
医師が大きなため息をつく。
ズドーンと崖から突き落とされた気分だ。
「出血の原因が解かりました。膣内がボロボロですね。至る箇所でベローンと剥がれてますね。薬、塗っておきますね。それから、子宮近辺の細胞を少し頂きます」
頂きますと言われて、どうなんだ?
はいとしか答えようがないわけだが…。
それよりも膣内がベローンにはかなり引いた。
最悪だ、最悪だ、最悪だ。


私は服を着替え、また元の部屋へと戻る。
丸椅子に座ると同時に医師が診察結果を述べる。
「先週のセックス時に出血したのは、剥がれているところに刺激が加わった所為だね、心配ないよ。でも、直ぐにやめてよかったね。薬も塗ったし自分で治す力もあるからね。癌の疑いは調べてまた連絡しますが、ここからの出血ではないので心配ないでしょう」
「そうですか」
「これは、彼氏にちゃんとお話すること。ちゃんと爪は切る。これは指で傷つけられたあとだよ。膣内はとても傷つきやすいから、もっと優しく丁寧にセックスを楽しんでちょうだい。それから、性病の疑いもなさそうだけど、結婚はまだなんでしょ?避妊、自信ないじゃだめですよ」
「すみません、ちゃんと話します」


診察室を出て、会計をすませ、直ぐに病院から出る。
薬の所為か、下着内の湿度が高い。
携帯を開け電源をいれると調度12時を示していた。
<今、終わりました>
彼に早速メールする。
すると、お昼休みだったのだろう、直ぐに電話が掛かってきた。
「大丈夫やったか?」
「うん、多分大丈夫」
「多分って…」
私は診察結果と医師の伝言を彼に話す。
実際彼の所為ではない。
私の膣を傷つけたのは彼じゃない。
でも、関係なくはない話だと私は感じていた。
だから、彼ではない事には触れずに話した。
医師の口調を真似て。
「いや、俺か?俺じゃないし!」
そう言われて少し残念だった。
ショックだった。
寂しかった。
「そうだね…ゆうじはいつも優しいもんね…」
「あ、いや、ごめん。俺も気をつける」
「俺も…ね。私、ゆうじ以外とはしてないから」
「そうやんな、ごめん。言い方が悪かった。ホント、そんな風には思ってないよ。大切にする」
「うん、ありがとう」
「ごめん、俺、ずっとどんな言葉掛けようかずっと考えてたのに、こんな言葉ばっかりで…」
「いぃよ、気にしなくても。大丈夫。直ぐ治るから」
「あぁ」
「今度はエッチしようね」
「あぁ」
「優しくしてね」
「あぁ」
「仕事は?」
「そろそろかな。真っ直ぐ家帰れよ。今日はゆっくりな」
「解かったよ、それじゃね」

口数の減ってしまった彼の電話をそっと切った。

体がなんだかフワフワする。


もしも妊娠しちゃってても、彼は俺じゃないと言ってたんだろうか。
男の台詞ってこれしかないのだろうか。
私は初めて言われたわけだけど。
妊娠してなくてよかった、別の意味そう思った。
セックスをする前から出血していた事実があったからだと、そう思おうとした。

彼は実際とても優しい。

それだけでいいではないか。

「言葉」なぜ私はそんな詰まらないものを求めてしまうんだろう。
でも、しばらく、悲しさが消えなかった。



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