2005-08-24

111.秘密の関係

テーマ:彼女じゃない恋愛

精神的な面が大きいのだろうか。
仕事から帰ると、かなりの疲労に腰が重い。
このまま眠りたい。
だけど、お腹を空かせた家族が「何か食わせろ」とうるさく集る。


祖父が買い物を済ませ、冷蔵庫に食材を詰めていてくれる。
冷蔵庫を空け、並ぶ食材をみて献立を考える。
疲れているときは、煮込み系ばかり頭に浮かぶ。
鍋に詰め込んでしまえばそれで終わり、さぁ何にしようか。


最低でも30分はかかるというのに、私が野菜を切っている内に家族はテーブルに座り箸を持ち茶碗を叩いて待っている。
「腹減った~、飯食わせ~」
何処かで聞いたことのあるフレーズ。
歌っているのは弟と父。
なんて家族だ・・・。


そこへ私の携帯がなる。
私は家族が歌う歌にケツを叩かれながら、携帯を肩とアゴに挟み応答する。

「もしもし、俺」
「もしもし、どうした?仕事は?」
私は、元気を頭に思い描き声を出す。
「休憩中。声が聞きたくなって」
「そ、ありがとう」
私がそういうと、何故か変な沈黙になった。
お礼じゃまずかっただろうか?


「なんか賑やかやな」
「あぁ、早く飯作れってうるさくて」
「もしかして、今、飯作りながら?」
「あぁ、気にしないで、後は煮込むだけだから」
「そ、じゃ遠慮なく!結構お前元気じゃん」
「何で元気なんだろうね~」
「俺の声聞けて嬉しい?」
「嬉しいよ。元気になるね」
「今元気になった?」
「うん、今!元気になった」
「泣いてると思ったんやけどな~」
「残念でした」
「でも、元気になってよかった」
「だね」


ちょっと無理してみたのも事実だけど、彼の声を聞いて元気が出たのも事実だ。
気持ち殺して、無理をしてしまった私には、どちらがベストな選択だったのか判らない。
無理をせずとも元気になれたのかもしれない。
判らなくなった。


「今、誰がいるん?」
「弟とパパさん」
そういうと、弟と父はさらにテンションあげて歌いだした。

誰にアピールしているんだか・・・。

「ふ~ん・・・俺の事好き?」
「はぁ!?」
「俺の事好き?」
「うん」
「うん、じゃなくて。家族の前だと言えない?」
冗談なのか本気なのか、彼は私に何度も何度も好きかときいてくる。
私はとても意味のないものに思えた。
「言ってるよ、けど今は言いたくない」
「何それ、恥ずかしい?」
「恥ずかしいとかじゃないし。言いたくない」
「俺は言えるよ。せのりの事好きだよ」
「あぁ~もう!大きい声で!!」
彼は何を考えているのだろうか。
「家、呼んでよ。手料理食べたい」
「来ないでね」
「なんで・・・寂しいな」
本当に解からないのだろうか。
もしかして、試されてるのだろうか。
もし、冗談でも腹が立つ。
「彼女の居る人にそういう事言われたくないの」

私がそう言うと、彼は本気だったらしくかなり落ち込んだ様子だった。
私はこんなこと言うべきだったのだろうか。
嘘をつくべきだったのだろうか。
俗に言う優しい嘘を。
もっと他の言い方もあったかもしれない。
あるのだろうか、思いつかない。


電話を切った後、妙に落ち込んだ。
誰にも言えない関係。


「デートの誘いか?」
父が興味津々で聞いてきた。
「誘われてない」
「あれか!声が聞きたかった的青春の1ページ」
「んま、そうだけど、最後の下りは否定するわ」
「お前、彼氏に冷たくない?」
「・・・・彼氏じゃないから」
父はこれ以上何も聞かなかった。


誰も聞きたくない関係。


「でも、好きなの」心で呟く声が虚しかった。
父に自慢したいくらいの素敵な人なのに、言えなかった。



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コメント

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6 ■> cm117262821さん

http://ameblo.jp/cm117262821/entry-10003754883.html

この記事ですね。
まだブログ読んでなくて、初め何の話かと思いましたよ。

音信不通の男に会いに行ったという一つの記事だけを読めば、そう思う人も中にはいるかもしれません。
だけど、全ての記事に目を通せばそう思う人も少なくなるでしょう。
だけど、やっぱり読んでもそう思う人も中にはいる。
彼だってそう思うかもしれない。

自分のやっていることを否定する人は必ずいます。
否定する人が多かったとしても、当然だとは思いません。
主張できることはあるはずです。
そこに想いがあるはずです。

今は閲覧者に言われてしまったけれど、もしも、彼に言われてしまったら・・・どうしますか?
とあさんの気持ちをちゃんと伝えて下さい。

私はストーカーだなんて思いません。
彼に会いに行く前に、私にメールで決意をしてくれたことが全てです。
否定されたことを否定し返せる、とあさんの気持ちがあります。
頑張ってください。

私は、ケジメだと思っていますよ。
とあさんの勇気を素晴らしいと思います。

5 ■> 葉月さん

今、前記事のレスしてきました。
あれから3時間で読破ですか!?どうもありがとうございます。
嬉しいっす。

あわわわ、私のブログは一気に読むとそんな気持ち悪い事になってしまうんですね・・・^^。
ちょっと見てみたかったです(笑)

そうですね、話したいというのは「認められたい」というのが前提にあるかもしれません。
上手く伝えられないから、言いたくないに繋がりますよね。
大好きな人否定されたくないですもん。
私にはネット恋愛の経験がありません。
少し立場に立ってみたのですが、私なら多分「遠距離恋愛」なんて嘘ではないようなはぐらかし方をするだろうな・・・なんて思いました。

話す相手が聞きたいのは、恋愛対象の相手が自分の事をどう思ってるかなんですよね。
私自身の想いはどうでも良かったりする。
ま、少しくらいは気にしてもらえているんでしょうけど・・・。

普通の恋愛、私も夢見てます。
多分、普通の恋愛だった認めてもらえるよね。
胸はって誰にでも言えるよね。
きっと、今言えない事は、自分でも認められないことなのかもしれないね。
普通になりたいという願望・・・。

4 ■> ToaCoさん

私はずっと、恥ずかしかったですね。
臆病とはちょっと違うかもしれないけど、いえなかったな。

でも、いつからだろうな。
話したくなったんですよね。
一番初めは「これからデートだから」って言ったことかな。
徐々にプレゼントもらったこととか話し始めて、彼がどんな仕事をしているとか教えたくなったかな。
なんでだろうな。

でも、やっぱりきちんとは話せてません。
ましてや「付き合ってます」なんて嘘は言えないし・・・。

家族を安心させたいってのは大きいかな。
だから、言えないのかな。
家族に言えない事が、自分の思うネックなのかな・・・。

いつか、紹介できたらいいよね、きちんとさ。

3 ■はぁ~

>あなたの気持ちが重すぎて逃げだしたとしか考えられないと思います。ストーカーみたいだから離れて行くのも当然だと思うよ。
ってコメントが来たよ。
消えてしまいたくなるわ全く…。

2 ■物語的に書いてあったので・・・。

今日一気に読んでしまいました。途中でもコメント残したので、何度もすみません(汗;
情緒不安定になって、泣いたり、笑ったりして、我ながらPCの前で気持ち悪いことしたな・・・なんて(笑)
家族に言えない仲って、歯痒いですよね。
せのりさんとは違うんですけど、私はネット恋愛をしていて、それが親に伝えられなくて、友達にも上手に伝えられなくて、ちょっと切なくなってしまいます。普通の恋だったら、いいのになって。

1 ■うーん;

私も断っちゃうだろうな。。同じ状況だったら。。

とても難しい問題。。
でも、きちんと家族に話せているせのり様がうらやましい。
トアコは、臆病だから、家族にはいえないだろうなぁ。。

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