94.私ってどんなだっけ?
会う、会わないといった彼との討論。
結局あやふやなまま終わってしまったようだ。
彼のメールが返ってこなくなり、私は親友に電話をした。
夜の深い時間だ。
「ね、もしあんたが男でウチの彼氏やったとする」
「えらいまた急な展開」
「で、あんたにはウチ以外に好きな人がおる」
「例えばの話やけど、そう思われへん例え話やな」
「ウチはあんたに、もう会いたくないって言うねん。どう感じた?」
「いや、もう少しヒント頂戴よ」
「あんまり言うと実験にならんやん」
「どんな状況とか・・・」
「あんたがウチに会いたいって言うねん。でも辛いから会いたくないって」
「うーん、ってかぶっちゃけあの人の事やろ?」
「そうやけど・・・」
「あの人が本気であんたの事好きとか解からんもん」
「好きの度合いで変わってくるわけ?」
「そりゃね・・・面倒くさけりゃ切るでしょ」
「仕方ない・・・」
「え?」
「仕方ないって言わはった」
「どういう意味?」
「さぁ?俺はお前が好きやって」
「はぁ?」
「さぁ?」
二人、無言になってしまった。
「ね、今、ウチの気持ち推測できる?」
「彼女と別れて欲しいって事じゃないの?」
「・・・そう」
「あの人の言葉を待ってる」
「・・・そう」
「誰が見たって解かるよ」
「そうかな・・・でもあの人は勘違いしてるっぽい」
「うーん、それもどうかな?」
「解かってるって事?」
「あの人結構あんたと似てて、踏み込めんタイプやしな」
「まぁね」
「ここまで来るのに4年やで!」
「4年ね・・・」
「ってか、4年もあって何で二股やねん!!ムカついてきた」
「ウチもやっとやけど・・・」
「あぁ~、もうあんたら何やってんの?って感じ。せのりかって、バシっと言えば良いし、あの人かってバシッと決めればいいのに!あんたらのやってる事本当嫌い」
「ウチもあんまり好きくない」
「あんたはもっとえぇ女やった筈やで。ただの女に成り下がってなや!」
親友に渇を入れられたが、私って一体どんなだったろう。
親友との電話を切り、PCを立ち上げホームページにありのままの日記をつけた。
直ぐに反応があり、1通のメールが届く。
> アネゴはスーパーサイヤ人です。
> 最強戦士です。
> 心優しい弱い部分もあるけれど、強い人ですよ。
そう弱いだけじゃなかった。
だけど、違うんだ・・・強がってただけなんだ。
そんな強がりを強さに変えられたらって思ってきた。
私の願望。
何度も奮い立ち何度も挫けてきた。
私はACだからという逃げ場所があった。
私はACで、愛が足りないと感じてしまうのは否定できない。
それに気付いたらどうするべきなのか。
これからの課題になりそうだ。
私はACとして生きてゆく。
ただのACにはなりたくない。
高い高い壁を登り、怖くて降りられなくて越える事ができなくとも、私は壁の天辺でもがき続ける。
あと、もう少しだけ声が欲しい。
彼に気持ちを伝えられる声が欲しい。
本当の私を知って欲しい。
結構弱い成りに意地っ張りな強い気持ち持ってるんだ。
知って欲しい。
未来の私はどんなだろう?
見ていてくれますか。