90.彼を想う寂しさ | 彼女じゃない恋愛*愛した男には彼女がいた

90.彼を想う寂しさ

彼に「おやすみ」と言った。
一向に連絡のない彼へ、メールでそう告げた。
彼の返事はなくて、私は眠れなかった。
彼が眠るまで眠れない。

そのまま朝を迎えてしまって、ようやく彼は仕事を終わらせ私にメールを打たずに眠ったのだと理解した。


彼に「おはよう」と言った。
それでも、彼からの連絡はなかった。

そして、その日彼からの連絡が一つもなく終わった。


連絡がない日なんて、これまで何度とあった。
1年間連絡を絶ったりしてたじゃないか。
なのに、なのに、何故、たった1日連絡がないだけでこんなにも・・・。


こんなにも・・・何?


私は、親友やブログで愚痴った。
私は、すごくすごく寂しかったんだ。
返事が来る喜びを知った、今を共有できる幸せを知った、そしたら、それがないと寂しい事を知った。


今、彼は何をしてる?
解からないと不安だった。
何も手に付かなくて、ずっとずっと彼にメールを送り続けた。

だけど、「寂しい」とか「メールして」とか一つも言えなかったのだけど。


「彼女になりたい」という言葉は口にすべきではなかった。
日に日に、その言葉は私を支配する。
想いはドンドン大きくなって、大きくなると満たされてない気がしてくる。
そんな大きくなる気持ちは、彼と話していないと、彼の気持ちを聞けないと、私だけが好きなんじゃないかと思えてくる。


携帯を握りしめる週末。
私、一体何してんだろう。
そんな風に自分を客観視する瞬間、自分を可哀想だとも思った。
可哀想な子・・・人生が彼一色じゃん。


他にもやること沢山あるのに・・・。
幸せは彼だけじゃないのに・・・。
私はいったい今までどんな幸せを感じてきたんだろう。

インターネットをしたり、本を読んだり、散歩したり、ケーキを食べたり、そんな事でも幸せ感じてたよ。
でも、でも、彼と一緒にする幸せ知っちゃうと、一人で食べるケーキを寂しく感じてしまう。


何もせずに、ただ、彼を想うことだけが、私に許された一人の楽しみ。
これだけは、彼と一緒には出来ない私の楽しみ。


でも、寂しい。


彼を想うこと・・・何で寂しく感じるのだろう。
好きって気持ちはとっても素敵なのに。
楽しい事考えて、うれしい事考えて、自分を盛り上げる。
盛り上げれば、盛り上げるほど・・・寂しい。


彼を嫌いになりそう、こんな自分が大嫌いで・・・。
こんな私を彼にも好きになって欲しくない。



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