80.セックス左腕枕 睡眠右腕枕 | 彼女じゃない恋愛*愛した男には彼女がいた

80.セックス左腕枕 睡眠右腕枕

しばらくして目を覚ます。
彼の方を見ると少しだけ彼が冷たく感じた。
目が、少し怖く見えた。
当然かもしれない。
セックスの後、直ぐに寝ちゃったりしたのだもの。


彼の服が、 ベッドの真ん中で私はそのままの形で寝ていたので、彼はソファーに座ってテレビを見てた。
布団も何もかも、ふんずけていた私。
私の肩には唯一自由に動かせた、彼のパジャマが掛けられていた。


そっと、彼の側によった。

彼は、そっと抱きしめてくれる。
「風邪ひいてないか?」
「うん、ごめんね」
「どうしたんかと思った」
「気持ちよすぎて・・・」
私は少しだけ嘘をついた。
彼は優しく頭をなで、キスをしてくれた。

「さぁ、寝ようか」
「うん」


散らかったベッドを彼は大雑把に整えている。

さっきまで私が下敷きにしていた私用のパジャマのしわをのばし、私に向かって放り投げた。

「俺、風邪引くから替えっこー」

私は彼用のパジャマを引きづりながら、放り投げられたパジャマをキャッチする。

「うん、男の人用って、大きいね」


お互いのパジャマを着終え、彼がベッドに横になる。
私はまた彼の向かって右側へ座る。

「今度は、こっち」
彼はさっきとは逆側のスペースを、手でポンポン叩いて私に言う。
「なんで?」
「寝る時は右向きがいいの」
「ふ~ん、変なの」
「お前はない?」
「寝る用とセックス用って?」

「あはは、別にセックスの為でもないけどさ」

「でも、あのまま寝てたらどうすんのさ」

「意地でも逆向いて寝る」

「私に背中向けてねるんや」

「お前も一緒に回転させるよ。お前なんて何処でも持ち運べるんやから」

「ふ~ん、お腹またぐよ~」
私は、彼のお腹をまたぎ彼の右手側へ移動した。


彼は、さっきとは逆の右手を伸ばし「おいで」と私を呼んだ。
私も、さっきとは逆で彼の方を向いて寝転がった。
彼のお腹に手を置いて。


少し見つめあいキスをした。


「おやすみ、せのり」
「おやすみ」

彼の腕の中

初めて、彼の腕の中で眠った。



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