とんがった雨からも | 歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

俳優、ダンサー、歌舞伎ライター関亜弓による大衆向日記です。

今週は花道会と、「神田de歌舞伎」で菅原伝授手習鑑通しの解説と続けて責任重大な御役目を仰せ付かっており、常に肩上の小さい自分から鼓舞されてる日々でした。




終えて




「いつもの風景が違ってみえた」

という描写が少女漫画などで使われますが、それは
1)コンタクトの入れ忘れ
2)二日酔い

のどちらかでしか体験出来ないと思っていましたが(注:関は視力2.0、且つ呑助ではありません)

まさしくこれかと思う瞬間がありました。

それには多分BGMも影響していて

大学を卒業後舞台や歌舞伎から離れかけたときに聞いていたある歌があるのですが、
その一曲で歌われてる「彼女」があまりにもそのときの自分のことみたいで、悔しくて、聴くと耳がもげそうになりながら、でもカンフル剤的に、経文的に聴き続けてました。

二つの山を越えた朝、安堵と共にこの曲聴いたら涙が出てきて、保険の看板のガチョウみたいなやつも可愛く思えて(←風景が違ってみえたものの一つ)
ああ、やっと「椅子の上」もといスタートラインに立てたかなと。


ところが不思議なことに、今日その歌を聴いてもいつものカンフル剤に戻ってました。でも一瞬でもあの境地に至れたことは発見であり、今後に繋がっていくのではないかと思います。はい。


ちなみに発見といえば、
耳がもげるくらい聴いてた曲なのになんとなく聞き取れてなかった歌詞が「とんがった雨」だということがわかりました。

口ずさむときに、とんだったとか、どんたったとか歌っていたことをここで反省します。