1977年から始まった、
『ABC週末特集』(ABC WEEKEND SPECIALS)
という番組に、1984年から1989年にかけて、
船長服を着た猫のパペットが登場。
それが、OG船長(Cap'n O.G.)。
芸能人などをゲストとして招いて会話したりしました。
その中には、
日系人俳優「ノリユキ・パット・モリタ」(Noriyuki 'Pat' Morita)
もいたそうです。
OG船長はアニメ化もされていて、同番組内で放映されたそうです。
O・G・船長 もっと読む
Cap'n O.G. Readmore
https://www.youtube.com/watch?v=S3yIkcaS8yg
OG船長は、
「金曜夜の読書会」(Friday Night Book Club)の主催者という設定で、
彼が有名な物語の中に入り込んで、
そのお話の内容を紹介するという筋書きです。
↑「金曜夜の読書会」に集うネコたち
素材として取り上げられているのは、「ジャックと豆の木」
「ジキル博士とハイド氏」「赤ずきんちゃん」「長靴をはいた猫」
「チキン・リトル」など。
「長靴をはいた猫」では、OG船長が主人公の猫に変身します。
OG船長の声の担当は、フランク・ウェルカー(Frank Welker)、
ネイル・ロス(Neil Ross)、ケヴィン・リチャードソン(Kevin Richardson)
と、代々変わっていったそうです。
実はこのアニメーション、日本でも放映されているのです。
1992年の5月5日です。
NHK教育テレビで、
色んな小さな番組をつなぎ合わせる事によって構成された、
「こどもの日」にちなんだ長い特番が放送されていたのです。
その、構成していた番組の一つが、OG船長のアニメというわけです。
でも、放映されたのは、アニメーション部分のみで、
パペットの実写の所は放映されていません。
このアニメーションを制作したのは、
リック・レイナート・プロダクション(Rick Reinert Productions)
だそうですが、この会社は他にどんなアニメーションを手掛けているのか、
調べてみました。
王国のなかまたち - オリジナル・トップ・テン(1990年)
The Kingdom Chums: Original Top Ten
https://www.youtube.com/watch?v=F__CvOOO5aw
ペティ(Petey)とアニー(Annie)そして、オズボーン(Osborne)の3人が、
不思議な世界へ冒険するという内容の50分程の長編アニメーション。
↑一番右が、オズボーンですが、「キテレツ大百科」のブタゴリラっぽい?
レイナートは、このアニメーションの監督をしています。
ライオンのクリストファー(Christopher)、
トラネコのマーヴェラス・モーズ(Marvelous Mose)そして、
白猫のエッスィー(Essie)、
ライオンの女の子の小さなミリアム(Little Miriam)、
狸かアライグマの?小さなデヴィッド(Little David)らが、
「十戒」の内容をキャッチーな歌で教えるという内容。
どうやら、音楽の「トップテン」と「十戒」を引っ掛けているようです。
動画情報サイト「IMDb」の解説でも、
「Ten Commandments」(十戒)の文字が出ているので間違い無いです。
The Kingdom Chums: Original Top Ten - IMDb
つまりこれは、「十戒をアニメで教える宗教アニメ」ってわけですな!!
日本にも宗教アニメって色々あるけど。
このアニメーションも、
『ABC週末特集』(ABC WEEKEND SPECIALS)
で放映されたそうです。
↑VHSにはなっている様ですが、DVDにもなっているようです。
Award-Winning Kingdom Chums Movie DVD - 10 COMMANDMENTS
実は、この作品には「前作」というものがあります。
王国のなかまたち - 小さなダヴィデの冒険(1986年)
The Kingdom Chums: Little David's Adventure
https://www.youtube.com/watch?v=cqaRlYpzPZM
実写とアニメーションとで構成されていますが、合成というのではなく、
前と後に実写、中間部がアニメーションです。
リック・レイナート・プロダクションが手掛けた作品ではないのですが、
ついでに紹介をします。
スクワイア・D・ラッシュネル(Squire D. Rushnell)の書いた物語を基に、
ジェフリー・スコット(Jeffrey Scott)が脚本を書き、
ベルナール・デーリエス(Bernard Deyriès)がアニメの方の監督を担当し、
コリン・チルヴァーズ(Colin Chilvers)が実写の方の監督を担当して、
制作されたそうです。
旧約聖書の「サムエル記」に登場するペリシテ人の巨人戦士ゴリアテと、
羊飼いの少年ダヴィデとの有名な対決が描かれています。
ピーター(Peter)と、その妹メアリー・アン(Mary Ann)、そして、
苛められっ子のユダヤ人のクラスメイト、ソウリ(Sauli)の3人が、
3つの魔法の縫いぐるみの力で、モニターの中の世界に入り込みます。
↑左の少年が、ソウリ。
ユダヤ教徒の帽子「キッパー」をかぶっています。
↑天空に輝く奇妙な星々を、ピーターがモニターにペンタブで転写した後、
メアリー・アンがその星と星を線で繋いで「LOVE」の文字を形成すると・・・
↑3人は、モニターの中へ吸い込まれて行きました。
当時としては最先端なSF技術なのかも知れません?
モニターの中は、旧約聖書の世界となっていますが、
その登場人物は、例の3人以外、全て「獣人」です!!
ケモナー大歓喜!?
親しみやすさを醸し出す為に擬人化させたのかも知れませんが、
主人公達の3人が擬人化されずリアルに描かれているので、
そのギャップに違和感を憶えます。
ダヴィデはあらいぐま、ゴリアテはイボイノシシです。
↑主人公の3人は漫画風にデフォルメされておらず劇画調ですが、
その他の獣人は概ね漫画っぽくデフォルメされています。
私はこのアニメを見て「まんがはじめて物語」を思い出しました。
実写の世界からアニメーションの旧約聖書の世界
に飛び込む時のBGMからしてそれに近い印象です。
それから、
「アニメ親子劇場」「トンデラハウスの大冒険」「パソコントラベル探偵団」
などといった、聖書の世界を探訪するアニメーションもありましたね。
「王国のなかまたち」は、それらの後に制作されたので、
もしかしたらそれらの影響を受けているのだろうか?
と思ったりしましたが、実際の所はどうなんでしょうか?
いずれにしても、
「王国のなかまたち - オリジナル・トップ・テン」
は、その前作である、
「王国のなかまたち - 小さなダヴィデの冒険」
を先に見てからだと意味が理解しやすいと思います。
ライオンのクリストファーは、
「王国のなかまたち - 小さなダヴィデの冒険」
に出てきた縫いぐるみからきていたわけです。
そして、「王国のなかまたち - オリジナル・トップ・テン」
に出てくるオーバーオール姿の「小さなデヴィッド」は、
「イボイノシシのゴリアテ」を倒した、
「あらいぐまのダヴィデ」に対応していたわけです。
その他、「Rick Reinert」で画像検索してみると、
印象派っぽい絵画作品がいっぱい出てきました。
http://www.rickreinert.com/works/available/
同一人物なのでしょうか?
だとしたら、アニメの世界から絵画に転向したのですか?
(断言はしませんが)
しかも、私と同じ「左利き」みたいです。
リック・レイナート・プロダクションによるアニメーション作品は
数えるくらいしかありません。
未だあるのですが、とりあえずはここまでにしておきましょう。