「八事五寸にんじんの母本選抜会」に参加しました。
名古屋市天白区の伝統野菜、
"八事五寸にんじん"という秋蒔きニンジンがあるんですけど、
各農家さんが自家採種してるんです。
栽培するうちのどれかを母本として選抜し、
植えなおし、花を咲かせ、タネをとるというわけ。
今回は、愛知県農業試験場OBである、
菅原先生を招いて、レクチャー頂くという催しでした。
菅原先生の話を理解したところによれば、
1)元々の八事五寸ニンジンは、中に黄色い芯があり、
あまり大きくしない5寸(≒15cm)くらいで収穫するもの。
1月収穫では遅く、今回対象は長過ぎる。
2)母本は、プロポーション重視。
葉の出る部分が少ないもの、葉柄の細いもの、
尻がつぼまっているものがウケが良い。
3)市場では、ニンジン臭さがなく、黄色芯があるより、
単一で赤いモノが好まれる。
スティックにしたとき、黄色芯はウケが良くない。
4)黄色芯があった方が、甘味は強い。
5)株元の葉にアントシアンが出ているものほど
ニンジン内に赤い部分が多い傾向がある。
6)収量を上げようと思ったら、
赤芯、黄色芯ある程度ばらつきがあるものから
タネをとり、競って栽培した方が良い。
そしてずらずらっとにんじんが並ぶ中で
選抜実演頂いたのですが、
各農家さんの選抜した母本について
2)の「プロポーションが選抜しきれていない」、
「ニンジンについた土を見るに、泥畑だろ!」、
と、優しくも厳しい言葉が出てました。
選抜する農家さんは、
「菅原先生、恐いなぁ、帰ろうかなぁ」、
「包丁持って、ナマハゲみたいだなぁ」
とタジタジでした。
試食もしました。
おっしゃられるように、
「赤淡色よりも、黄色い芯があった方が甘い」を実感。
不遜ですが、「味なら勝った」と思いました。
タネの話 でも書いたように、市場ウケだと
①見た目
②日持ち
③秀品率
④収量
ですから。