本日は第88清福丸の冷凍機試運転のため気仙沼へ
気仙沼へ到着すると近くの岸壁に気仙沼船籍の新造船「第128海形丸」さんがちょうど接岸しお披露目を行っているところでした
最新鋭の新造船ということで興味津々の僕は第88清福丸の試運転が終わったのち、海形丸の佐藤社長のご厚意の元、船内を見学させていただくことに
第128海形丸さんは三保造船で建造されたマグロ船です
トン数は479トン(ベースは409トン型)
まず最初に目に入ったのは船首楼甲板が通常より大きく取られていること
荒天操業時は波を頭から被ることが多い甲板デッキ
このくらい広くとられていれば波を被ることも少なくなり、操業時の乗組員の安全性が増します
次に凍結室の中を見学
甲板デッキもそうでしたが、凍結室も床はゴム張りとなっています
壁はアルミで覆われ、木の部分は露出しないようになっています
従来は床や壁などは木が使われていました
木は温度変化による収縮に強い点や材料の価格、補修のしやすさでメリットがいっぱいあります
しかし漁獲物を欧米に輸出するにはこの木の部分が漁獲物と接触してしまうとHACCP (食品を製造する際に工程上の危害を起こす要因〔ハザード;Hazard〕を分析しそれを最も効率よく管理できる部分〔CCP;必須管理点〕を連続的に管理して安全を確保する管理手法)の関係上、輸出ができなくなってしまいます
最近のマグロ船は日本船産マグロの海外輸出をにらみ、このようにゴム張りなどをすることでHACCP認証に対応した船作りを行っています(HACCP認証は他にも条件があるのですが、詳しい話は本日は省略)
凍結室には通常上下段1台ずつのファンが2台ずつ付けられていました
ファンが2台ずつあることで魚の凍結速度が格段に速くなると思われます
魚艙にも新しい試みが
真ん中に大きな仕切りが付けられています
この大きな仕切りを境に船首側は魚の保管用、船尾側は餌の保管用と分けられています
従来は魚の保管も餌の保管も1つの魚艙で行っていたので、スペースのやりくりに苦労していましたが、これなら積みつけを気にする必要はありません
もちろんこの仕切りは取り外し可能で、保管する魚が増えてきたら仕切りを外し、船尾側にも積みつけるそうです
次にエンジンルーム
圧倒的な広さです
今まで見たマグロ船の中でも一番の広さだと思います
作業台のスペースも充実しており、一緒に行った弊社の機関長は「羨ましい!」と連呼していました
ブリッジの作りはすっきりシンプルに作られていて非常に清潔感がありました
収納がたくさんあるため、計器が綺麗に隠されているせいもあると思います
また窓一枚一枚が大きめにできてるので、開放感が非常にあって気持ちいいです
最後に個人的に感激したのはこの可動式鳥ポール
この鳥ポールは角度も細かく調整できるので非常に使い勝手がよさそうです
全体を通しての感想としてはこの第128海形丸さんは乗組員に大変配慮した船だと感じました
それは操業時の安全性だったり、作業の負担軽減だったり、余裕のあるスペース作りだったり、船にある全てものに対して乗組員への配慮や気遣いが随所で感じられました
もし浜田漁業部でまた新しい船をつくる機会があれば、今回のポイントを是非参考にさせてもらおうと思いました
第128海形丸さん、そして佐藤社長様、本日はおめでとうございました
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