どーも。
新年?
今年はなんだか新年になったという実感が湧いてこない某社員?でございます。
今回は雷対策について書きます。
最近お問い合わせが多いのは、「雷で機械が壊れた。」などの雷対策です。
売電型太陽光発電の雷対策については、極めて政治的、国内の法的問題がございますので、除外させていただきます。
とりあえず原状復旧。(とにかく直す?)
受信機だけでなく感知器も故障いたします。
自動火災報知器(機)受信機も交換いたしました。
最悪、例えば「2回目の被害」の場合、「防止できることを知っているのにしていなかった。」とされ「ゼロ」ということもあります。
自動車事故などと同じく、まずは雷被害防止に「ユーザー側で最善を尽くす」のが「前提」です。
原因は様々
電気を専門とされている方などは、例えばよく「接地から雷が入ってくる」と言われます。
しかし「ではその出口はどこでしょうか?」と伺うと、かなりの方が「えっ??」あるいは「それはわからない。とにかくここから入っている。」と言われます。
雷は電気であり、雷によって電流(雷電流)が生じて流れるということは「閉回路」があるということ、すなわち入口があれば必ず出口があります。
つまり「回路」を「余さず」探り出すのが調査の基本、地道に徹底して「回路」を探します。
ULの雷対策では「入口」よりも「出口」を探していきます。
それは雷電流は流れやすいところに集中して流れ込み、
そこからあちこちに「分流」していく性質を持っているためです。
電流の集中する入口はひどく焼損していることが多く、ここから精度よく電流量を求めるのは難しい、そこでキルヒホッフの第一法則、出口を余さず探し出し、各分流電流量と総電流量を正確に求めていきます。
JISは要求しておりませんが、弊社はUL雷対策システムについて準拠し、今日「たぶんこれで大丈夫」は一切、認めず、「システムの限界」を「数値化」し「合理的な安全設計」をメーカーと行なっております。
これはJIS雷対策システム設計とUL雷対策システム設計との大きな違いです。
とある現場での施工
SPD盤設置(避雷器)
完了
説明
分電盤にSPD盤を新設、接地系統を整理しました。
写真はそのための統合接地極の新設工事の様子、SPD盤を既設の分電盤に設けた様子です。
工事を行った建物は大切な文化財ですから、UL認証SPDを使用、さらにそのSPDは、また木枝が伸び、側撃に至る可能性があることを鑑み、金属箱中に格納しました。
もちろん最悪のそのときでも、確実にSPDがサージを処理、焼損故障した後、系統から切り離されるように設計・施工しました。
本件、結論はクラスⅡSPD1個の使用でよいということになりましたが、ここまでに慎重な検討・計算を、理論的矛盾が無くなるまで何度も繰り返しました。
「たぶん」の許されるJISに従うと、本件のような比較的小規模の雷対策は、せいぜい図面1枚ですが、UL要求に従うと、その検討書はA4、100ページ以上にもなります。
毎年の「枝払い」とあわせ、計算上、再び雷被害を受ける確率は、10年間で1万分の1未満に低減、自動火災報知機も含め、まずもう心配しなくてもよい状態になりました。
今回の原因は?
原因は何と、敷地内にある「木」でした。
商用電源引き込み線に木枝が接触しておりかつこの木は大樹、建物どころか電柱よりも高くそびえていました。
本件はこの木に落ちた雷が引込み線に飛び込んだ、すなわち「側撃雷」であったことがわかりました。
これは「誘導雷」ではなく、「直撃雷」の一種による被害であることから、引込み線より十分、枝が離れるよう、至急の枝払いをお願いしました。
まとめ
枝払いによって側撃雷は避けられるようになるとしても、誘導雷は避けられません。
いかに枝払いをしても、引込み線が木の幹に近いことから、それはかなり強く、市販の安価なサージタップなどでは防御できないと計算され、雷対策工事を行いました。
計算まずは調査いわゆる「雷保険」を使っての「原状復旧」もありますが、雷被害は非常に多い反面、今日、ほぼ防止できることから、雷保険には「免責事項」が多くあります。概ねですが所定の対策、すなわちJISに定める対策がされていない場合、満額支払いとはならず、よくて被害額の7割程度までの補償。