金沢区内を渡り歩いて、ミサゴとの再会を(能見台→長浜公園→八景島→称名寺) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

毎年秋の恒例とも言える、横浜市金沢区

能見台から長浜公園、そして八景島まで移動する

東京湾沿いの散策ルートをご紹介します。

この日は朝9時ちょいくらいに能見台に着き

以前にも紹介した谷津坂第一公園のナチュラリスティックガーデンへ。

 

チカラシバが非常に元気に育っています。

日本ではごくありふれた野草で

下手すりゃ雑草扱いされることすらありますが

群落をつくると圧巻。ススキほどは背が高くないので

視点よりやや低い位置に、風で靡く草原が生まれます。

(ただし、チカラシバが風で靡くレベルの風だと昆虫がほぼ飛ばない)

ちなみに欧米だと園芸用に栽培されることもあるそうです。

あちらでは結構珍しい存在なのかもしれませんね。

 

 

 

 

 

ここのナチュラリスティックガーデンは

パッと見では「草原」という感じで

決して派手ではありませんが

ちらほらと野の花も咲き、隠れ場所も多いので

夏~秋には結構な数の昆虫が集まります。

秋らしく、ウラナミシジミが多数来ていました。

 

ちなみに花の数は秋より夏の方が多め。

暑さが厳しいですが、一度は7~8月にも

足を運んでみてはいかが?

(その時期はウラナミシジミは多分いませんが)

 

 

 

 

 

 

さて、いつもだと谷津坂第一公園の次は

すぐに長浜公園に向かうのですが

この日はちょっと寄り道。能見台周辺を歩いてみました。

能見台は比較的最近駅周辺の再開発が進み

大きな集合住宅が並んでいるのみでなく

商業施設や医療機関などの生活に必要な施設が揃い

いわゆるコンパクトシティとして成立しています。

 

私が小学校の頃はまだ各駅停車しか止まらなかった

京急線の能見台駅ですが、上記の再開発の恩恵を受けてか

今ではちゃんと急行電車も止まるようになっています。

逆にお隣の京急富岡駅が各駅停車だけにランクダウンしました

 

 

 

 

 

 

能見台の集合住宅周辺には緑地・公園も多く

そこそこ昆虫の姿も見かけました。

(左:ショウリョウバッタモドキ 右:ニホンミツバチ

児童公園のちょっとした草地であっても

搔き分けるとバッタの仲間がよく飛び出します。

 

程よい自然度と利便性を有する能見台。

横浜や横須賀へも電車一本でアクセスできるので

人気の高い街というのも頷けます。

 

 

 

 

 

これは多分オナガササキリのオス。

識別が難しいのでやや自信がないのですが

以前同じ場所でオナガryのメスを見たことがあるので

恐らく間違いはないと思います。

 

この手のバッタの仲間は身体が柔らかいので

指でダイレクトに掴むのではなく

お椀のように掌を被せて捕まえるのがおススメです。

(あまり積極的に捕まえる虫でもないでしょうが……)

 

 

 

 

 

長浜公園では、到着直後にオオスズメバチが。

木の根元で樹液を舐めていました。

注意して見ていなかったら蹴とばしていた可能性も……。

樹液は何も木の幹からしか出ないわけではないので

秋の散策時には注意しないといけません。

 

それにしても、かなり立派な個体でした。

この時期のスズメバチは気性が荒いと言われますが

コイツは静かに樹液を舐め続けているばかりで

結構近距離から撮影することができました。

何気に歴代のスズメバチの写真では一番かも?

 

 

 

 

 

さて、長浜公園と言えばミサゴですが

この日は姿が見えず、バーダーの皆さんも

ほとんどスタンバイしていませんでした。

実際、まだネット上に出現情報が出ていません。

 

ちょうど満ち潮だったためか

汽水池の中島も大分浸水してしまっています。

残された足場をカワウが占領中。

 

 

 

 

 

 

隣接する富岡ふなだまり公園へ。

晩秋になるとカモの仲間が飛来するのですが

あいにくこの日いたのはスズガモ1羽だけ(右)。

ちょっと早かったようです……。

 

 

 

 

 

長浜公園周辺では満足な成果が得られなかったため

昼食を済ませた後、シーサイドラインに乗って

一路八景島方面へ向かいます。

一昨年の講座開催時には、長浜公園は空振ったものの

意外にも八景島でミサゴに遭遇していましたので

ちょっとばかり希望を抱きつつ電車移動……。

 

 

 

 

 

 

晴天ということもあって八景島は大盛況でしたが

そちらは置いておいて、生きものを探します。

八景島は草地の残っているところも結構多く

ウラナミシジミ(左)やホシササキリ(右)など

オーソドックスな昆虫ならよく見かけます。

 

にしても、やはりセイタカアワダチソウは

昆虫からの人気が高い……。

 

 

 

 

 

アメジストセージで吸蜜する

ヒメクロホウジャクを接写。

 

……この写真だと口吻が届いていないので

吸蜜「しようと」しているシーンなんですけどね。

 

 

 

 

 

そういえば海の公園で何かイベントやっていました。

トラックやクレーン車なんかが多数乗り入れており

写真のようにショベルカーを操縦してのヨーヨー釣りなど

なかなかにユニークな出展がズラリ。

 

どうやら工事業者関連のイベントだったようです。

といってもBtoBの事業者向け出展というわけでなく

業界について広く知ってもらうための催しだった様子。

そのため、結構親子連れなども来ていました。

 

なお、操縦者の腕にもよりますが

ショベルカーでもヨーヨーは釣れます(マジ)

 

 

 

 

 

おっと、そんなこんなでイベント会場を散策しつつ

海岸線をぶらぶらしていたら、上空にミサゴが出ましたよ。

もしかしたら一昨年遭遇したアイツなのか?

それはわかりませんが、何気に久しぶりですね。

 

なお、八景島のとある一角には

明らかにミサゴ目当てのバーダーの方々が

三脚を構えてスタンバイされていました。

 

決して珍しい猛禽というわけでもないですが

やはりこの姿には惹き付けられるもの。

日照条件が悪く距離もあったので写りはイマイチでしたが

とりあえず主要目的は果たせました。満足満足。

 

 

 

 

 

最後に、称名寺にも立ち寄りました。

日が傾いていることもあって人は少なく

非常に落ち着いた雰囲気でした。

 

 

 

 

 

ここの池にはカワセミやゴイサギなどが出やすく

結構バーダーの方が来たりしています。

幸運にもこの日は到着後すぐに

カワセミが出てきてくれました。後ろ向きでしたが……。

 

 

 

 

 

顔が隠してあるのでわかりにくいですが

橋の上で写真を撮る外国人カップルさんと

その手前で平然としているアオサギカルガモです。

 

先程テレビでもインバウンドの増加が報じられ

富裕層受けしやすい飲食情報なんかが流れていましたが

こうしたお金のかからない穴場的スポットも

それはそれで面白いものですし

結構そういう場所を狙って訪問する方も多いようです。

京都の寺社仏閣のような派手さや荘厳さはないかもしれませんが

喧騒から離れ、落ち着いて自然を楽しめますので

個人的にはおススメだったりします。

 

 

 

 

 

【10/21 能見台→長浜公園→八景島→称名寺で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、ウミネコ、オナガガモ、カルガモ、カワウ、カワセミ、キジバト、シジュウカラ、スズガモ、ダイサギ、トビ、ハクセキレイ、ミサゴ、ヤマガラ

昆虫類・・・アオクサカメムシ、アキアカネ、アミメカゲロウ、アメリカジガバチ、イチモンジセセリ、ウラナミシジミ、オオスズメバチ、オナガササキリ、オンブバッタ、キタテハ、キンケハラナガツチバチ、クモヘリカメムシ、コバネイナゴ、ショウリョウバッタモドキ、チャバネセセリ、ニホンミツバチ、ヒメクロホウジャク、ホシササキリ、ホシホウジャク、ホソハリカメムシ、モンキチョウ、ヤマトシジミ

その他・・・アカミミガメ、タイワンリス、ホンヤドカリ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2023年11月19日(日)に開催いたします。

 行先は「神代植物公園」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。