警察官のゴー・スロー作戦 | ケニアのマトマイニ(希望)を育てる

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1987年から30年続いたマトマイ二・チルドレンズ・ホーム。その卒園生達と共に、貧しさ故に子どもを困窮状態に追いやっているスラムのシングルマザーの自立援助に力を注いでいます。マトマイニ第2章の始まりです。

マトマイニ・チルドレンズ・ホーム-wilta

3月のマトマイニのドロボー事件の時、町の警察署に報告に行ったら、「3日でいいから、この子を預かって欲しい。すぐに迎えに来る」と、少女を一時的に引き取るよう頼まれた。それがウィルタ。推定年齢は8歳。

3日の約束が4ケ月になるが、何度催促しても警察から迎えは来ない。




公立学校の先生のストは、問題山積のまま、一応解除になった。「給料をあげろ!」と拳を振り上げている風景はテレビでよく観た。





一方、ケニア教組のように「給料をあげろ!」と大声で言えない立場にいるのが、警察官である。取り締まる側だから、ストもデモもしたくても出来ない。




下級警察官の給料は、学校の平の先生と同じで、月15000円程度だろう。そこから税金等など徴収されて、手取りは3000円位らしい。





「うそ!」と思うなら、マザレスラムの青年団のリーダーのカマンデ君に聞いて欲しい。青年団の活動拠点の横にケニア警察の官舎があり、その生活ぶりはほとんどスラム住民と変わらないのだ。





「お金が欲しい」と物乞いするわけにもいかず、ストもデモも出来ない。じゃあどうずるか。そこで、ポリスマンはゴー・スローという抵抗をしている。つまり、制服を着て仕事場には行くけど、すべてスローで、まともな仕事をしないという作戦である。





お金になりそうと見たら素早く行動する。例えば路上を走る車を止めて「タイヤがすり減っている」とイチャモンをつけ、「裁判所に行くよりここで俺に払えば許す」と言ってお金を要求する。





昨年ゴー・スローをした時「給料をあげる」と政府は約束したが、未払いのため、今、また、ゴー・スロー作戦が始まった。




だから、ますますケニアの治安は悪化の一途をたどるわけである。