多読書評ブロガー石井です。
昨日、エントリーの中で触れた「意識のスペクトル」について、読書メモを作成後エントリーを作成していないことが判明したので、後追いですが、紹介させて頂きます。
本書の後半部分は、正直私には意味が分かりませんでした。
そのことをウィルパー研究の権威の鈴木規夫さんにお伝えしたところ、「ああ意識のスペクトルは難しいよ。万物の歴史の方が読みやすい」とのこと。
この言葉を頂いたきっかけで520ページの昨日の万物の歴史に取り組もうと思えました。
本書については、理解できた感じが少しだけする前半部分からのみの抜き書きまとめの紹介になります。
本書の前半部では、意識の成長段階をいくつかの異なる二元論を超えていくものとして解説されています。
よく仏教やトランスパーソナル系の話で言われる「一元」という言葉を「非二元」というのが正しいとし、以下の3つの二元論を超えていくのが成長には必要だと言われている気がしています。
・原初の二元論
↓
・実存のレベル
↓
・生対死という第二の二元論
↓
・精神対肉体という第三の二元論
↓
・自我のレベルの出現
また、生か死かという概念について、「誕生とは過去を持たない状態」であり、「絶対的な現在とは未来を持たない状態」だと書かれています。
私は、物事の意義や意味を考えることが大好きなのです。
ところが、実は「これは意味があるのだろうか」みたいなことを考えている時は、実は「未来」を想定して考えている思考です。
意味があるかないかを考えることによって、「今を生きていない」と言われてしまうと、何か自分で言っておきながらめまいがしそうな感覚に襲われるのは私だけでしょうか。
以下抜き書きまとめです。
■意識
(1)自我のレベル
(2)実存のレベル
(3)心のレベル
■自我のレベル
精神
自分の役割、自分自身の像、自己イメージの意識的側面と無意識的側面を含むとともに、知性ないし「精神」の分析的、識別的性質をも包摂する意識の帯域
■実存のレベル
精神と肉体
存在、つまりは生の基本感覚と、その感覚を多様に形どる文化的前提とを合わせて包含する
自己イメージのシンボルを心の内に喚起するときに感じるもの
■心のレベル
精神と肉体と残りの宇宙を包括
自分が根本的に宇宙と一つであるという感覚をともなうもの
■東西比較
西洋の心理療法
個人の自我を「取り繕う」ことを目指す
東洋のアプローチ
自己を越えることを目指す
■主体と客体に世界は分断される
世界を見ることのできる目が、目自体を見ることができなかったりする
意識の目覚めとともに、意志は二つに分断される
鈴木大拙
自然は世界の半分について知ることが、もう半分についての無知に繋がるよう仕組んでいる
物理学者エディントン
世界が見るものは何であれ世界自体の一部でしかない
Gスペンサーブラウン
世界は自らを切り離さずして自らを対象とすることはできない
■二元論の排除の兆し
まだ300年もたっていない
二十五世紀もの間、西洋の思想を苦しめてきて二元論
つい最近のこと
■非二元的な知の様式
見るものと見られるものとは同一である。つまり、見るものすなわち見られるものであり、見られるものすなわち見るものである。
鈴木大拙
「抽象化とは真理の一部を省略すること以外の何ものでもない」
アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド
■リアリティ
非二元的知というものがすなわちリアリティ
■象徴的敷衍
類推法、否定法、指示法
何であるかを言っているものはない
■一元論
より適切には、「非二元」と表現されるべきもの
■思いめぐらせうるもの
思いめぐらせうるものはすべてリアリティではない
■「人間性の考察」
デビッド・ヒューム
いかなるときであれ、知覚なくしては自分自身を把握できない
■時間
時間が実在するものではないことを、理解すればよい
シュレジンガー
「心はつねに今である。心には実際、前も後ろもない。記憶と期待を含む今のみが存在する」
■死の恐怖
実存のレベルの発生と軸を一
原初の二元論によって有機体が環境から切り離されるというただそれだけの理由で、実存的恐怖、すんわち有
と無、存在と非在、生と死の不安が頭をもたげる
■生と死が「二つのものではない」という事実
誕生とは過去を持たない状態
絶対的な現在とは未来を持たない状態
生と死の一体性を分断し否定することで、同時に人間は現在の瞬間の一体性を分断し否定する。
こうして時間が生み出される。
なぜなら、死の拒否によって、人間は未来をもたないことを拒否し、ひいては、未来のない瞬間、すなわち時の
ない瞬間のリアリティを拒否するから
■意識スペクトルの生成
原初の二元論
↓
実存のレベル
↓
生対死という第二の二元論
↓
精神対肉体という第三の二元論
↓
自我のレベルの出現
■止まることができなくなる
前進のプロセス自体を幸福と同一視してしまう
できることは、追い求めることと走ることだけになる
以上抜き書きまとめでした。
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【関連エントリー】
■書評■ウィルパーの分厚い入門書
http://ameblo.jp/satokumi1718/entry-10484051951.html
■書評■「存在することのシンプルな感覚」
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■書評■「自我と無我」岡野守也
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■イベントレポート■「トランスパーソナルとは何か」by鈴木規夫
http://ameblo.jp/satokumi1718/entry-10467387103.html
【編集後記】
以前このブログで家に帰ってくると毎晩子供や奥さんが寝てしまっている時は、「愛しているよ」と最初に声をかけると書きたことがあります。
妻に指摘されるまで忘れていたのですが、やっていないなら嘘をブログに書かないようにと言われまして、最近またきちんと「愛してるよ」コールを繰り返している今日この頃です。
ただなんとなく、愛のつまった言葉へ対する家族からのフィードバックの手ごたえがだんだん鈍くなっている気がしている多読書評ブロガーの石井でした。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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