多読書評ブロガー石井です。


ケン・ウィルパーの本を先日レポートした日本トランスパーソナル学会の鈴木規夫さんの講演を聞いたきっかけで手にしました。


ケン・ウィルパーについては「意識のスペクトル」については前半部分位しか理解できませんでした。


この「万物の歴史」は対話形式を中心として、内容的には「進化の構造」の要約版という位置づけの本です。


要約版とはいえ、520ページの容量の本なんですが・・・


万物の歴史


鈴木規夫さんの主催されているインテグラルジャパンでも、本書を元に一度につき数章ずつ読み込んでいく読書会等を主催されているようです。


特に印象に残った言葉は以下の2文です。


「進化は常に超えて含み、受け入れて超越していく」


「世界空間の外側のものは何も勘定に入らない」


世界観は進化していき、それは今の仕組みを受け入れて大きくなっていくとのこと。


今、資本主義的経済が行き詰まりを迎えて、目に見えないものの価値が大切にされてきつつありますが、それが、資本主義を否定した上で成り立つのではなくて、新しい価値観を受け入れていくものだと考えるとすこしホッとできます。


ということで、以下、抜き書きまとめです。


■進化


進化は常に超えて含み、受け入れて超越していく


■進歩の弁証法


進化のあらゆる段階は。結局それ自体に固有の限界に達し、そして、それが自己超越的動因にとっての引金の

役をはたす


■原則


全てはホロンからなる


全てのホロンは一定の特質を持つ


ホロンは出現する


■創造性とは、<霊(スピリット)>の別名


■単純な無知から、環境を略奪してきた


マヤ文化でさえ、主に周囲の熱帯雨林を枯渇させることで消滅した


■ポストモダンの大理論家


カントから始まり、へーゲル、ショーペンハウエル、ニーチェ、ディルタイ、ハイデッガー、フーコー、デリダ


■ポストモダンの大発見


世界観は発達するという包括的概念


世界も自己もあらかじめ与えられているわけではない


■思考とリアリティ


思考はリアリティの反映であるだけではなく、まさにリアリティ自体の運動でもある


■外側のもの


世界空間の外側のものは何も勘定に入らない


■謝った解釈


私は自分自身も謝って解釈し、だからあなたのこともしばしば謝って解釈する


■解釈的セラピー


精神分析、ゲシュタルト、ユングなどのさまざまな解釈的セラピーは、自分の深層に触れ、より真実な解釈をするのを助ける


より真実に報告することを学ぶ


こうして、あなたの深層と行動は調和しはじめます


どのセラピーもまず対決するのは、それぞれのレベルの嘘と歪曲


■主観的空間


主観的空間は間主観的空間、文化的空間におかれている


主観的空間は間主観的空間と切り離すことができない


妥当性基準は、こうした背景との「文化的適合」を含む


★(場とか、空気とかを作るのも蓄積された文化すなわち間主観的空間)


■間主観的理解の意義


自分たちの深部を共有できる


真理を示し、そして真実性のうちにあるとき、私たちは相互理解に達することができる


■主観的な空間と客観的な空間の区別が非常に貧弱


身体に七つの穴がある、それゆえ惑星もまた七つである


■世界は明白


「あらかじめ与えられているもの」


■至高体験(ピークパフォーマンス)は「覗き見(ピーク)」体験


実際は維持できない次元をかいま見る


■禅の公案「片手がする拍手の音はなんぞや」


主体としての自分自身と、向こうの客体としての世界の感覚を持っています


典型的な体験は、振動、音を立てるためにこれら二本の手を衝突させること


したがって典型的な体験は、顔面へのパンチのようなもの

ふつうの自己は乱打される自己


■非二元状態


突如、主体と客体は一本の手となる


突如、あなたに衝突し、打撲傷を負わせ、苦しめるものはなくなります



以上抜き書きまとめでした。


【本日の紹介書籍】


万物の歴史
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【関連エントリー】


■書評■「存在することのシンプルな感覚」
http://ameblo.jp/satokumi1718/entry-10260756769.html

■書評■「自我と無我」岡野守也
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■イベントレポート■「トランスパーソナルとは何か」by鈴木規夫
http://ameblo.jp/satokumi1718/entry-10467387103.html


【編集後記】


先日付投稿なので、今実は家族旅行にて断読書、断PC中です。


書の読み書きから離れて数日間どのような体験になるか楽しみです。


帰ってきて何か自分に変化があるかどうか勝手に期待している多読書評ブロガー石井でした。


本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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