京都国立近代美術館で開催中の「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」へ行ってきました。
「ゴッホが日本からどのような影響を受けたのか」という事を様々な角度から紐解く展示。
ゴッホが日本美術に魅了されるきっかけとなった数々の著名な浮世絵も。
ゴッホの「花魁」。
鮮やかな着物を着た花魁を囲む水辺の光景を眺めながら、
二代歌川芳丸の「新板虫尽」を観ると、
「あ、これがここにいる」と繋がる「カエル」の存在。
南仏アルルを日本に見立て、
浮世絵を意識して描いた風景画『アイリスの咲くアルル風景』の美しさ。
『寝室』のベッドの赤い掛布団には、
筆の跡が残されていて、それが毛並みのようであたたかそう。
ベッドの底板の手前の部分が塗り重ねられているので、
そこにベッドの奥行きが感じられたりも。
陰影がなくて、全体的には平坦で、すっきりとして、鮮やかに色が塗られているのは、
浮世絵の研究を通じて生まれた画風のよう。
ゴッホは、筆のタッチで、そして色の組み合わせ方によって、
色々な物事や人間の感情、魂、
例えば、恐ろしい情念であったり、切なさであったり、恋人同士の間柄など、
微妙な心境や、人との距離感を、表現していたのかもしれない。
そこに思いを馳せると、本当にジーンとしてしまいます。
人生の最後まで表現し続けたゴッホのあくなき探求を・・・。
上の写真は、
現代芸術家の森村泰昌さんが、ゴッホの『寝室』にちなんで制作した
ほぼ実寸大に作られた レプリカ「ゴッホの部屋」。
映画の撮影セットとして用いられたこともあるそうですが、
こちらを観ることもできます。 ここは写真撮影オッケー。
横の扉から部屋の様子を覗いた角度でとってみました。