来る12月4日に東北新幹線の新青森開業を控えていること。

それと同時に在来線の八戸-野辺地-青森間が第三セクター「青い森鉄道」に移管されること。

例年であれば10月の初頭にでも発表される概要がなかなか発表にならなかったこと。


以上の理由から、今回の年末年始用の発売は、もはや「なくなった」のではないか、という憶測すらリアル・ネットを問わず鉄道趣味界で流れるようになっていました。


しかーし!

発表がなかったということは、発売の中止を意味したわけではなかったのです!


「青春18きっぷ」の発売について [PDF/15KB] (JR東日本公式・PDFファイルです)


JRグループでは、鉄道ならではのゆったりとした「旅」を楽しんでいただくため、JR線の普通・快速列車の普通車自由席及びJR西日本宮島フェリーに自由に乗り降りできる「青春18きっぷ」を発売します。
「青春18きっぷ」は、年令にかかわらず、どなたでもご利用いただけます。お1人での5日間の旅行や5人グループでの日帰り旅行などの「鉄道ぶらり旅」に、ぜひご利用ください(後略)


1枚の切符が1人で5日間、又は5人で一度に使えるというスタイルは従前どおりで、値段も11500円と変わりません。

大きく変わったのが、上記の八戸-野辺地-青森間の取り扱いです。上記公式リリースから引用します。


青い森鉄道線の青森~八戸間、青森~野辺地間及び八戸~野辺地間については、普通・快速列車に乗車して通過利用する場合に限り、別に運賃をお支払いいただくことなくご利用になれます。当該区間の青い森鉄道線で下車した場合、別に乗車区間の運賃が必要になります。
ただし、青森駅、野辺地駅、八戸駅に限り途中下車することができます。
例:青森駅から野辺地駅を経由して大湊線大湊駅へ向かう場合
①青森駅から大湊駅まで下車せず旅行する場合
青森~野辺地間の青い森鉄道の運賃は不要です。
②青森駅から浅虫温泉駅で途中下車して大湊駅まで旅行する場合
青森~浅虫温泉間と浅虫温泉~野辺地間の青い森鉄道線の運賃が必要です。


というわけで、途中下車しなければ当該区間の通過利用を認めることにしたのです。

これが認められることで、たとえば八戸や新青森・青森から大湊線方面へ向かう快速扱いのリゾート列車についても、指定席券を購入するだけで乗車することが可能になります。


…という特例を認めている一方で。

以前の記事で取り上げましたが、新幹線新青森開業後は、新青森-青森間を普通車の自由席に限って特急料金不要で乗車できる取り扱いをする旨、JR東日本は公式発表していますが(こちら )、この取り扱いは「青春18きっぷ」保持者には適用しない旨を明言しております↓


新青森・青森間のみを乗車する場合において、特急・急行列車の普通車自由席へのご乗車はできません。


この取り扱いは、新夕張-新得間や蟹田-木古内間のように、特急列車しか走っていない路線とは異なり、あくまで新幹線利用者の便宜のための取り扱いということで、「青春18きっぷ」保有者までは対象を広げないということなのでしょう。


このような、新青森開業に伴う取り扱いを詰める必要があったから、発表が遅れたのでしょうね。

なお、発売期間・有効期間は以下のとおりとなっています。


発売期間 : 平成22年12月 1日~平成22年12月31日
利用期間 : 平成22年12月10日~平成23年 1月10日


ともあれ、今回の年末年始も、このような手軽な乗り放題切符が発売されたのは、鉄道趣味界の拡大・発展のためには非常に喜ばしいことです。鉄道趣味界も高齢化が進んでいるといわれていますが、若い人にこそ「鉄道の旅」の魅力に目覚めてほしいと思います。


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※ 当記事は10/30付の投稿としております。