東北大学大学院生の自殺 | 非常勤講師はつらいよ―私学非正規教員の本音と生活向上作戦

東北大学大学院生の自殺

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 今朝、出がけに気になるニュースが入ったので、取り急ぎ記録しておきます。

まず、この大学院生の自殺には胸が痛み、おくやみ申し上げます。
ただ、大学院時代まともに指導を受けられず修士課程限りで研究室を追われた 者としては、こういう教授の行為は十分あり得るなと。
大学教官って頑固で変わり者が多く、研究室の内部も結構ドロドロしている。自分以外にもそういう人は見てきたし、これまでの勤務経験校の同僚も、研究室を辞めてきたという講師は複数います。
今回は、当該学生が亡くなり両親も声を上げた事で表面化したが、指導教授の理不尽な対応で将来を潰され、泣き寝入りしている元研究室員は結構いるのではと察します。
私自身も博士進学の道が断たれた当時は半引きこもり状態になり 、大学の健康センター(保健室)にも定期的にお世話になりましたから。「うつ病ではないが、鬱に近い状態」と診断されました。
時間の許せば、自身の大学院時代について、加筆するか改めて記事に出来ればと思っています。

カズゴンさん 、私も「やりたい事をやるのが一番難しい」というのを、歳を経るほどに実感しています。私自身も「夢」は2回破れ、現職については(中高時代の教師達に失望して)高校卒業頃はむしろなりたくない職業でしたから・・・
おっしゃる通り、自分の望み通りの仕事をしている人はごくわずかで、ほとんどの人は「生きるため」に本来の希望とは程遠い仕事をしているのではと察します。
こんな事を言ってはいけないのでしょうが、自身の苦い体験から「やりたい事」に向かってそれが失敗した時のリスクを負ったり失望するより、世の中の流れに沿って淡々と生きる方が幸せなのでは、と思ったりしてしまいます(苦笑)
でも、自分は未だ「世の中を少しでも良くしていきたい」という希望は捨てていませんよ(^^;

自分と似たような体験をした知人の中には、精神的に病んだり、自殺した人さえいます。そう思うと、私はダメダメながらも何とかやっているなあと。
いずれにせよ、学問の世界も労働社会でも厳しい世の中、精神的にタフでないとやっていけないなと感じます。



東北大大学院生が自殺…博士論文、2年連続受け取り拒否され

 東北大は13日、大学院理学研究科で教員の指導に過失があり、担当していた大学院生の自殺につながったとする内部調査結果を公表した。

 大学院生は2年続けての教員による博士論文の受け取り拒否などで修了できなかった。同大は懲戒委員会で処分を検討しているが、この教員は今月に入り辞職した。

 同大によると、自殺したのは理学研究科で生物関係の研究をしていた博士課程の男性大学院生(当時29歳)。大学院生は昨年8月、研究のデータ集めをした滋賀県内で自殺した。遺書には指導法への不満などはなかったが、翌月、両親から男性准教授(52)の指導に問題があったのではとの指摘を受け、内部調査委員会を設置していた。

 大学院生は2007年12月、博士論文の草稿を事前提出したが、准教授は大学院生と十分に議論せず受け取りを拒否。准教授は06年11月ごろにも、論文提出を延期するように指示しており、大学院生は2年連続で博士号の取得に失敗した。

 調査は、残された論文草稿やデータを見る限り、大学院生の研究は博士論文の審査水準に到達していたと判断。准教授が、具体的な指示を与えず、適切な指導を行わなかった結果、大学院生は学位取得や将来に希望を抱けなくなり、自殺に至ったと結論づけた。准教授は、08年1月に科学誌から大学院生の論文が掲載を拒否され、書き直しが必要になった際も、適切な指導を行わなかった。准教授は調査に「論文提出の直前までデータ整理に追われており、時間がかかると判断したが、指導に不適切な点があった」と話したという。

2009年5月13日12時38分 読売新聞)