第89回高校野球 佐賀北の逆転優勝
クチコミネタ:この夏イチバン○○だった、夏イチ!



■試合速報 第15日
▼決勝 2007/08/22(水) 広陵(広島)-佐賀北(佐賀) |
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13:01 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
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広 陵 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 4 |
佐賀北 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | X | 5 |
(広)野村-小林
(佐)馬場、久保-市丸
【本塁打】
(広)
(佐)副島3号満塁(8回、野村)
【戦評】
佐賀北が八回に4点差をひっくり返した。副島の満塁本塁打で大逆転し、初めて夏の全国制覇を果たした。
0-4で迎えた八回一死から2連打と四球で満塁とし、押し出し四球でまず1点を返した。なお満塁で続く3番の副島は好球を逃さずに強振し、逆転弾を左翼席に放り込んだ。劣勢の中、ようやく巡ってきたチャンスをものにした。
先発の馬場が二回途中で降板は誤算。しかし2番手の久保が2失点で粘り強く投げ切った。
広陵の野村にとっては痛恨の八回となった。力まずに左右、高低を幅広く使った投球がさえ、六回は3者三振など七回までは1安打しか許さなかった。2-0の七回の打席では2点二塁打も放っていた。それだけに悔やみきれない副島への1球となった。
【甲子園】決勝史上初の逆転ドラマ!公立校、佐賀北が日本一!
(第89回全国高校野球選手権大会、第15日、決勝、広陵4-5佐賀北、22日、甲子園)ミラクル日本一だ!! 初の決勝進出の佐賀北(佐賀)は八回、副島浩史内野手(3年)=写真下=が逆転満塁本塁打を放ち、5-4で広陵(広島)を下し初優勝。特待生問題とは無縁の公立進学校が、全国4081校の頂点に立った。佐賀県勢としては94年の佐賀商以来、13年ぶりの日本一。センバツで3度優勝の広陵は、夏の決勝3度目の挑戦も初優勝はならなかった。
広陵監督「判定ひどすぎ」/夏の甲子園
<全国高校野球選手権:広陵4-5佐賀北>◇22日◇決勝
怒りに震えていた。40年ぶり3度目の決勝で敗れ、悲願の夏Vを逃した広陵・中井哲之監督(45)は、8回の審判の判定に本心を隠さなかった。「ストライク・ボールで、あれはないだろうというのが何球もあった。もう真ん中しか投げられない。少しひどすぎるんじゃないか。負けた気がしない。言っちゃいけないことは分かっている。でも今後の高校野球を考えたら…」。試合後のベンチで思いを吐き出した。
特に問題視したのは、4点リードの8回裏1死満塁。カウント1-3から、エース野村祐輔(3年)が投じた1球だ。佐賀北・井手に、外角低めにこん身の直球を投げた。しかし桂球審の判定はボール。押し出し四球で1点を与え、続く3番副島の逆転満塁弾につながった。ボール判定の時、普段はポーカーフェースの野村が驚きの表情を浮かべ、捕手の小林誠司(3年)はミットで3度地面を叩いた。この光景が中井監督の胸を打った。「あの1球は完ぺきにストライク。ウチでは審判の判定にどうこう言う教育はしていない。その子が言ってくるんだから。キャッチャーは『どうしたらいいですか?』という顔をしていた」。
7回まで1安打の好投も逆転負けを喫した野村は「狙った所には投げた。思い切って投げたので、悔いはない」と話すにとどめた。選手は不平を言えない。同監督は宿舎に戻っても収まらなかった。「子どもたちは命を懸けてやっている。審判の権限が強すぎる。高野連は考えてほしい。これで辞めろといわれたら監督をやめる」。3度目の決勝も敗れ、後味の悪い夏の終わりとなった。【田口真一郎】
[2007年8月23日9時19分 紙面から]