もう一つのマジすか学園 第3章8話番外編その3
~ミソのゲキカラROCK~
ミソは振り返って声の主をみた。
「ゲキカラ!そろそろケリつけようじゃないか」
声の主は端整な顔立ちでそこそこの長身いかにも強そうで好戦的なんだろうとミソは思ったが
「センターか。お前とはヤラねえって言ったろ。意味が無いんだよ」
ゲキカラはセンターの度重なる挑戦に辟易していた。
「そっちになくても私にはあるんだ」
センターは2人に一歩一歩近寄り語気を強めた。
「あの~私とゲキカラさんで話しているので引っ込んでもらってて良いですか?」
ミソは一旦、ゲキカラを見てセンターに向かって口を開いた。
「はあ?お前、誰だよ。なんでヤバ女の糞がココにいるんだ」
「糞って・・・私はヤバ女1年のミソって言います。宜しくお願いします」
突然、自己紹介して頭を下げたミソに
「おっおお・・・2年のセンターだ。ヨロシクな」センターは面を喰らってしまった。
それを見ていたゲキカラはニヤニヤしながら
「そういう事だ。コッチはお客さんだからな。お前の相手なんてしてられないんだよ」
「何言ってんだ!私に負けてから相手すればいいだろ」センターも引かなかった。
「あんまりゴチャゴチャ言ってるとヤッちゃいますよ先輩」ミソがセンターを睨んだ。
「お前面白いこと言うな」「あれ?冗談に聞こえましたか」
「冗談にはならないな」「じゃー本気でヤッちゃいましょうか」
ミソがそう言い終わると2人は前に出て拳をお互いに向けて放った。
ところが拳は相手に届く前にゲキカラに掴まれ
「いい加減にしろ。お前等なんで喧嘩するんだ?今ここで2人が殴り合って意味なんてあるのか?」
ゲキカラは少し怒りながら2人の手を離した。
センターに向かって本気で拳を向けたのにゲキカラに軽々止められ、一瞬驚いたミソだが
「ごめんなさい」とセンターに向かって素直に謝った。
「なっ何でお前が謝るんだよ。それだとコッチが悪者みたいじゃないか・・・分かったよ。
今日は大人しく帰るよ。ミソって言ったけ?悪かったな。でもお前とは長い付き合いに
なりそうだな。来年マジ女のトップ取って待ってるから、その時に今日の続きをしようぜ。
それとゲキカラ!今度は相手してもらうからな」と
センターはゲキカラを指さして体育館から出て行った。
「それでシブヤさんの用ってのは結局、何なんですか?」
ソファーに腰掛けるシブヤへヲタは聞いてみた。
「う~ん。まあ、お前等なら良いか。ゲキカラが優子さんの死を受け入れられないのを
見たことあるか?アイツは頭では分かっているけど優子さんが亡くなった事実を認めたく
ないんだよ。だから葬式もこなかったし墓参りも行ってない。で、私や元ラッパッパの
みんなで月命日に必ず集まって墓参りしているんだけど1回も来ないんだ。少し前にミソと
あいつでタイマンを張った時『私が治す』って言ったろ。それを聞いて私もあいつも
このままじゃいけないって気付いたんだよ。だからどうしてもと思ってみたけどあいつは
見ての通り強情だからな~さっきは悪かったな」シブヤはおたべに向かって謝った。
「それはかまへんです。で、もしかして今日がその月命日ではおまへんですか?」
「うん。そうなんだ。みんなもゲキカラを待ってるんだよ。優子さんが亡くなって悲しいのは
あいつ1人じゃないしな。それでもみんなで前を向いてきた。後ろ向きでいたら優子さんに
怒られそうだからな。あいつにそれを気付いて欲しくてな~で、ミソを何だか気に入ってる
みたいだから連れてきたんだけど効果無かったな」
「そらまだ分かりまへんよ~2人は体育館に行っているはずです。あそこは何やありますやろ?」
「体育館か~そうだな。何かと言えばあそこで殴りあったな」シブヤは照れながら言ったが
ホルモンの5人は元ラッパッパの先輩達全員の事をよく知っているだけに笑えなかった。
いきなり勢い良く部室のドアが開いた。
全員が一斉に視線を向けると、おそらくココまで走ってきたのだろう息を切らせながら
「シブヤさん!大丈夫ですか?」ダンスが口を開いた。
シブヤは苦笑いして「ちょうど良いトコに来たよ。おたべ体育館まで一緒に行ってくれ」
ダンスを優しい表情でみておたべに頼んだ。
「お前、優子さんって知っているか?」
ゲキカラとミソは再び体育館中央に2人して座っていた。
「はい。名前と武勇伝は聞いていますが会った事はないです」
「会った事ないか~そりゃそうだよな・・・」
それっきりゲキカラは黙り込んでしまった。
つづく
もう一つのマジすか学園 第3章8話
もう一つのマジすか学園 第3章8話番外編その4
マジすか学園スピンオフ まとめ