【その2】AOP・EOP【念関連1】
以前のバージョンでは「発の纏」だとか「切り離されたオーラ」と、やや抽象的に表現していた箇所。
今回はもう少し厳密に区別して考えたいと思う。
◆EOP
まず、EOPから。
◇【EOP (External "Oura" Point)】
┗外在オーラ量:POP及びAOPから切り離されたオーラ量
端的に言えば「EOP=放出系絡み」で概ね良い。
仮にAOP2000の放出系能力者がおり、その2000オーラで念弾を放ったとする。
そしてもし、この2000オーラで出来た念弾がAOPに含まれるとするならば、"念弾を放ってからその念弾が生きている間"あるいは、"解除してオーラを回収するまでの間"その念弾分のオーラがAOPから削られる、ということだ。
念弾が相手に弾かれた場合、念弾もしくは能力者自身が念空間に飛ばされた場合などを考慮するとあまりにリスクが高く、放出系能力者にも関わらず"易々とオーラを放てない"というそもそも的な矛盾にぶつかってしまう。
作中の描写で言えば、ゴン「あいこ」の発想自体が、
「放出系オーラの外在化」を示していると言えよう。
そこで今回、体内に残る潜在オーラ(POP)と、体外に出ている顕在オーラ(AOP)に対して、"外"に存するオーラを外在オーラ(EOP)とした。
◆AOP(= fAOP + rAOP)
続いてAOP。
◆【AOP (Actual "Oura" Point)】
┣顕在オーラ量:体外に出せるオーラ量
◇【fAOP (free AOP)】
┣自由顕在オーラ量:AOPの内、自由に用いることができるオーラ量
◇【rAOP (restricted AOP)】
┗制限顕在オーラ量:AOPの内、自由に用いることができないオーラ量
レイザーの「14人の悪魔(仮)」や、モラウの「紫煙機兵隊(ディープパープル)」において―
オーラ(AOP)の分散が示された。
そこで、発に供せられ―解除しない限りは―自由に用いることのできないAOPをrAOPとし、
それに対し、常に自由に用いることのできるAOPをfAOPとした。
(※黒子舞想は解釈により異なる可能性あり)
放たれた剣をコントロールし、敵に掟を強いるのは主に操作系と放出系の力。
私の通常の力ではこの能力は使用不可能。
普段の私の力では具現化した鎖は手元を離れた時点で使いものにならない程薄くなり強度も精度も落ちてしまうからな。
これは、rAOPが物理的に肉体から離れると劣化する、という文脈ではないだろう。
まず、そもそものクラピカの目的は「蜘蛛を殺すことではなく、捕らえること」。
そしてもし、「律する小指の鎖(ジャッジメントチェーン)」をAOP内在型とすると、
(※仮にAOPの10%を用いる発とする)
―現実的には、対象者は死ぬか、(恐らく既に)はずされるかしているため、上図とは異なるが―
使えば使うほど自由に用いることができるオーラ(fAOP)は少なくなり、とてもじゃないが戦えるレベルにはないだろう。
(※実際には、他の指の能力も用いているため、クラピカのfAOPの割合はもっと少ない)
しかし、「律する小指の鎖(ジャッジメントチェーン)」を外在化させれば、
他の蜘蛛との戦闘にも支障が出ないので、理想的ではあるものの、
具現化系能力者であるクラピカには放出系能力を40%の威力・精度でしか扱えないため、
"手元を離れた時点で使いものにならない程薄くな"る、ということだろう。
◎念糸縫合
これも同様に気になる表現がある。
…1メートル以内なら1トン位の重量を吊れる…が、彼女の手元から糸が離れるとその強度はとたんに下がる。具現化系・変化系能力者はオーラを飛ばす(体から離す)能力が苦手なためである。
これも「オーラを物理的に肉体から離すと劣化する」ということではなく、EOPの事を指しているのだろう。
仮に「糸縫合=AOP内在型」とした場合、確かに威力・精度の面で補正が入らないから、100%の強度を保てる。
しかしその反面、術者自身に何かあった場合、念糸は消えてしまう。
つまり施術の性質上、念糸縫合は外在化を念頭におかねばならず、そのための
念押しと、
補足だったのだろう。
◆rAOPの有効範囲
では、その有効範囲はどれほどなのか。
モラウの「紫煙機兵隊(ディープパープル)」が、
異次元間でも有効に成立しているし、別に考慮しなくてもいいのでは?
と言いたいところだが、筆者の脳内天使と悪魔の中で「念空間の成り立ち」の解釈が大きく揺れているためあまりこれを根拠には使いたくない。
気絶によってその効力を失っていたのでAOP共有型(rAOP)と言えよう。
そしてこの「天上不知唯我独損(ハコワレ)」はヂートゥに憑けられ、
ヂートゥは東ゴルドーの国外へも逃亡していたようである。
(能力の有効範囲の外にあるため利息のカウントは止まったが、rAOPとしては有効)
しかしながら、相手に掛ける念である事を考えると別のロジックも検討する必要があるだろうし、解釈の根拠としてはふさわしいとは言えないのかも。
では緩く、少なくともAOP共有型(rAOP)の「紫煙機兵隊(ディープパープル)」が、
東ゴルドーの首都ペイジンを"包囲"できる程度には広がっていたので、数mだとか数十mといった狭い範囲ではない、といったところが落としどころだろうか。
そして、もちろん能力の性質、術者の力量なども関わってくるだろうから一概に言えない部分はどうしても残るが―本質的に限界範囲は存在するだろうが―rAOPの有効範囲に関してはそこまで気にする必要はないのかも(今のところそれが解釈に関わらないため)。
◆POP・AOP・EOPのあれこれ
このあたりから、今回の更新の核心部分に近づいてくる。
好きな人は好きだと思うが、人によっては嫌いというか無粋と思うのかも。
まず検討にあたり、能力者のスペックを決めておく。
MOP=10000オーラ
AOPのMAX=1000オーラ
念系統:全系統100%の威力・精度で扱える(※念系統を定めると複雑化するため)
Q1:以下、1~4は可能か
2.硬(100%AOP)
3.2を用いて念弾(1000EOP)放出
4.堅(100%AOP)+念弾(1000EOP)
Q2:以下、1~4は可能か
1.堅(100%AOP)
2.凝(30%AOP)+凝(60%AOP)
3.2を用いて各々刀具現化(300rAOP)+念弾(600EOP)放出
4.堅(疑似)(70%AOP)+具現(300rAOP)+念弾(600EOP)
Q3:以下、1~6は可能か
2.硬(100%AOP)
3.2を用いて念弾(1000EOP)放出
4.堅(100%AOP)+念弾(1000EOP)
5.凝(90%AOP)+念弾(1000EOP)
6:堅(疑似)(10%AOP)+具現(900rAOP)+念弾(1000EOP)
Q4:以下、1~6は可能か
1.堅(100%AOP)
2.凝(90%AOP)
3.2を用いて刀具現化(900rAOP)
4.凝(10%AOP)
5.4を用いて念弾(1000EOP)放出
6.堅(疑似)(10%AOP)+具現(900rAOP)+念弾(1000EOP)
Q5:以下、1~5は可能か
2.硬(100%AOP)
3.2を用いて刀具現化(1000rAOP)
4.POPをEOPへ
5.念弾(1000EOP)放出
◎解答
…というほどのものでもないですが。
(あくまで出題者である筆者が期待した答えに過ぎず、他の答えや正否自体が異なる可能性もある)
Q1→可能
オーラの外在化(EOP)を指している。
Q2→可能
AOP(fAOP+rAOP)とEOPの関係を指している。実質的にQ1と同じ内容。
Q3→可能
Q1とQ2の複合。
Q4→可能
自由に使えるAOP(fAOP)が100オーラしか残っていない状況で、1000オーラの念弾(EOP)が作れるかどうか、という問題でQ5の選択肢を減らす事と予備検討を目的としている。
一応の答えとしては2通り。
まず1つ目が、累積型の念弾。
イメージとしては元気玉だとか、
要は「100fAOP→100EOP」という外在化を10回行い、それを合体させることで1000EOPの念弾を作るということ。
同じ時期、同じ目的、同じ質で創られたEOPは特段問題なく合体できる性質があれば恩の字だが、
そのような性質がないならば、合体できるようなプログラム(操作系)を別途組むことになるだろう。
もちろん、それが100オーラで可能なのかどうか、そもそもこの手法がハンターの世界で可能かどうかはわからないのだが。
2つ目が制約と誓約を使った方法。
通常時、約1800だったゴンのAOPが、ジャジャン拳の際には2000超になっていたとのこと。
つまり、少なくともこの時のゴンのジャジャン拳のMPの系数は1.1程度。
つまり、残り100fAOPだったとしても、制約と誓約の系数次第では不可能ではない。
1度で必要系数を叩き出すのもありだろうし、
コツコツと系数を稼ぐのもありかもしれない。
Q5→不可能
Q4をより厳しくしたケース。
上記、累積念弾を作ろうにもその素がないため作れない。
制約と誓約の系数を狙おうにもfAOPがゼロでは増えようがない(※これはその計算方法次第では可能になりうる。ただそれを採るとAOPの存在意義が相当程度崩れる。)。
そこで、Q4でも採りえた選択肢。
これまでは「POP→AOP→EOP」というように、AOPを経由したオーラの外在化を図っていたが、
「POP→EOP」というように、AOPの中抜きが可能なのではないか、という考え。
確かにそれが出来れば相当に幅が広がる。が、逆に広がり過ぎのような気がしてならない。
それが可能ならばAOPの意義自体崩れるだろうし、放出系能力者が有利になり過ぎるのではなかろうか。
それは否定が可能かもしれない。
"間合いか?
この距離ならば相手が仕掛けてきても十分に念を発動させ迎え撃てるという自信…!! "
放出系攻撃が、POPから直にできるならば「間合い」という言葉は出ないだろう。
この時のピトーの状況だと、人形(ドクターブライス)を解除し、そこからの迎撃と2ステップを踏む必要がある。
しかし、ピトーはその2ステップをこの間合いならできるという自信あるのか…?ということを考えたのだろう。
ということで、「POP→EOP」というようにAOPの中抜きはできない、つまりEOPとはAOPを切り離したものであると考え、この設問の答えは不可能とした。
―と、おおまかにだがAOP(fAOP+rAOP)とEOPの関係を探った。
【その3】ROC・SOC【念関連1】 に続く。