過去記事「開放物件 」にて、賃貸物件では鍵を借りるのが面倒な物件は案内されにくいと書きましたが、鍵や鍵の保管方法にはさまざまなものがあります。


まずは鍵の保管方法について。


1、鍵をかけない(開放物件にする)

いつでも案内できるため案内されやすいですが、全くの無防備なので部外者にも侵入される恐れがあります。


2、ドアポストにぶら下げる



施錠はするのですが、鍵をドアポストやドアの内側に紐で吊るして、ドアポストを開けると鍵を出せるという仕組みです。これも、1同様に営業としては楽ですが横着な営業だと紐をドアポストからはみ出したまま帰っちゃうこともあるので、部外者にもバレ易く無防備に近いですが1よりはマシです。


3、現地にキーボックスを設置する



施錠して、鍵を現地のドアノブや共用部に設置したキーボックス(大抵ダイヤル式)にして、関係者しかその鍵を取り出せないようにするのです。これも営業としてはかなり楽で、かつ部外者は当然キーボックスを開けられないので比較的安全です。しかし、キーボックスが調子悪かったりするときちんと締めずに放置していく営業もいるので、必ずしも万全ではありません。


4、秘密の場所に隠しておく

車庫がある物件なら車庫に、または火災報知器のBOXの中やパイプスペースに鍵を隠しておくという手段です。通常は関係者しかその場所を知らないので、3と同じくらい安全で、かつコストもかかりません。しかし、案内時に保管場所を部外者に知られる可能性があります。


5、その物件の近くの仲介業者に預ける

現地には一切置かず、近くの業者に預けるという方法です。コストはかかりませんが、営業は貸出先の業者に電話で鍵の所在を確認して借りに行く手間がかかるので、あまり魅力のない物件は案内に組み込まれない可能性があります。また、逆に良質物件の場合は、どこかの業者が案内に使っている時は他の業者は借りたくても借りれないという事態も起こります。さらに、繁忙期などは案内が別に無い時でもその鍵を店に置いておきたい為に、あっても無いと言われることもあります。

できれば3つくらいの業者に預けておいていただきたいです。


6、オーナー自身や管理会社にしか置かない

営業からすると一番厄介なのがこれです。物件とが同じ地域(区内)にあるならまだ良いですが、たまに物件と鍵の所在が車で30分以上離れている時もあります。エコの観点からも良くありません。しかし、どこの仲介業者にどれだけ案内されているかがわかるので、市況の把握には一番良いかも知れません。


ちなみに1~4は案内しやすい分、いわゆる「見せ物件」として使われる可能性もあります。

※見せ物件とは?・・・営業が決めたいと思っている物件を際立たせるための物件です。おとり物件とも言います。(これについては今度別の記事で詳しく書きます)



次は便利な鍵について


1、空室マスターキー


(写真のものは、カードタイプですが普通のシリンダータイプでもマスターはあります)
空室だけを共通の鍵にするという方法です。マスターキーを各仲介業者に預けておけば営業も楽ですし、関係者以外の手に渡ることはないので、かなり安全です。しかし、全ての仲介業者に預けるのは不可能なのである程度の規模の業者のみに預けられることが多く、小さな業者の営業はどこかから借りないといけません。また、空室になった度にマスター用にシリンダーや設定を交換しないといけない手間がかかります。


2、電子キー



これはかなりいいです。入居者にとっても便利な鍵です。暗証番号での開錠になるのですが暗証番号を自由に設定できるので空室になったら番号替えて仲介業者にその番号を教えれば良いだけです。しかし、今はまだ高価なようです。



営業(案内する者)としては1~4の保管先にしてもらうか、電子キーなど現地に行くだけでよい方法がとても助かります。

でも、もし私がオーナーなら1~4の保管先はちょっと嫌ですね。いくら空室でもなにか悪戯されても嫌な思いしますよね。

でも、少しでも多くの人に見てもらいたいですし・・・

やっぱりコストはかかっても電子キーでしょうかね。入居者にとっても便利な物ですから。