昨日の記事 を見てくれた同業他社のKさんから、「広告料のこと書いたらまずいだろうという、忠告を受けましたので」(業界的にまずい慣習なので、このブログを書いている僕の身元がバレたら吊るし上げられちゅうよという意味で)、今日はその「広告料」について書きたいと思います。



不動産の賃貸借契約の際に、「仲介手数料」を支払うのはご存知だと思います。

仲介手数料は賃借の場合、仲介業者(不動産会社)が貸主・借主から合計家賃の1ヶ月を上限として受け取ることができます。

しかし、札幌の場合、家賃は非常に安く(東京などに比べて)、もし家賃2万円の部屋で成約になった場合、仲介手数料だけの収入だったら、単価2万円となりこの単価では正直商売が成り立ちません。


そこで数年前から、「広告料」という名目のインセンティブをオーナーが支払う慣習ができました。


しかし、宅建業法では「仲介手数料」以外には一切の報酬を受領することを禁じています。(→詳しくはこちら)


もちろん仲介手数料とは違い、オーナーが必ず支払わないといけない訳ではありません。

しかし、「広告料」が一般的となった今、「広告料なし」の物件ではよっぽどの良質物件でない限り、仲介業者は紹介しないでしょう。(多くのの業者は)

貸し戸建のような希少な物件を除いて、ワンルーム、1DKなんかのアパート・マンションはたくさん空いていますから、仲介業者はできれば少しでも単価の高い部屋を勧めます。(多くの業者は)


自分の物件により早く客付けをして欲しいオーナーと、少しでも契約単価を上げたい仲介業者で、利害が一致しているようにも思えるこの「広告料」制度。禁じられているにも関わらず、札幌の業界ではあたりまえの慣習になりつつあります。

そこで・・・・・僕からのアドバイス


【賃貸アパート・マンションを借りようとしている方へ】

仲介手数料は、1ヶ月を上限として受け取ることができるだけであって、受け取らなくてもよい訳です。

当店では一部のケースを除いて、「仲介手数料」は受領していません。

当店で借りない場合でも、上記のように業者はオーナーから「広告料」を受領しているケースがほとんどですから、仲介手数料を値切ってみましょう。業者は仲介手数料が0円でも、利益があがるケースが多いです。


ただ、フェアな値切りをしましょう。

フェアな値切りとは、「物件を紹介(案内)して貰う前に、この物件は仲介手数料はいくらか?」ということを明確にしておくという事です。

物件を見て、いざ契約という時に「仲介手数料を0円にしてください!」と言うのは、違反ではありませんがフェアではありません。


【賃貸アパート・マンションを所有しているオーナーへ】

「広告料を支払わないと物件が決まらない」なんてことはありません。

昔と違って、今は情報社会です。

良質物件なら、広告料なしでもすぐに決まります。


良質物件とは?

相場よりもお得な家賃に設定することです。もっと簡単に言うと多くの人が「この部屋に住みたい」って思えるような物件にすることです。

もし、相場よりも高く貸したいのでしたら広告料をたっぷりと払って、営業力のある仲介業者に任せてください。その営業力のある仲介業者は、入居者の希望条件を無視して、自分の物件に客付けしてくれるはずです。


ちょっと計算してみました。

相場だと40,000円の部屋


①40,000円で募集(広告料2ヶ月)→3ヵ月後に入居、24ヶ月で退室。

>>募集開始から24ヶ月後までの間の収入=

40,000円×(24-3(未入居期間)-2(広告料))=760,000円


②35,000円で募集(広告料なし)→即入居、24ヶ月で退室。

>>募集開始から24ヶ月後までの間の収入=

35,000円×24=840,000円


②の方が80,000円の増収です!!


そんなにうまくいかない??そうでしょうか??

相場4万円の部屋が5,000円も安かったら、相当なお得感があると思います。


さらに、家賃が(相場よりも)安い部屋は、入居期間も長くなる傾向があります。上記の例は、入居期間を同じ24ヶ月で計算しましたが、実際は②の方が入居期間が長くなるはずです。

すなわち、①だと入居期間が短い=再募集の時に又、広告料の支払が必要+内装費用がかかるなどのマイナス要素がある訳です。


もちろん、闇雲に家賃を下げても、不動産投資をしている意味がなくなってしまいます。

いかに、入居者が早く付いて損をしない利回りを出すか?的確な家賃設定をすることが重要です。いくらたくさん所有しているオーナーさんでも的確な家賃設定は難しいでしょう。

信頼できる不動産業者をみつけて、家賃設定してもらいましょう。