最後まで卑怯だったモンスターペイシェント | 産婦人科専門医・周産期専門医からのメッセージ

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 第一線で働く産婦人科専門医・周産期専門医(母体・胎児)からのメッセージというモチーフのもと、専門家の視点で、妊娠・出産・不妊症に関する話題や情報を提供しています。女性の健康管理・病気に関する話題も併せて提供していきます。

 「病院対応のブログ書き込みに批判相次いだ岩手・小泉県議が自殺か」こんなニュースが流れています。

 25日早朝、岩手県一戸(いちのへ)町宇別の大志田ダムの岸辺で、男性がぐったりしているのを通行人が発見、110番した。県警二戸署によると、男性は近くに住む小泉光男・岩手県議(56)で、既に死亡していた。自殺の可能性が高いとみて捜査している。小泉県議は、自身のブログが「炎上」したばかりで、同署が関連を調べている。

 小泉県議は5日に更新したブログで、盛岡市の県立中央病院を受診した際に番号で呼ばれたことに腹を立て、「刑務所に来たんじゃない」「会計をすっぽかして帰ったものの、まだ腹の虫が収まりません」などと書き込んだ。

 非難が殺到してブログを閉鎖。17日に記者会見し「公人の立場を忘れ、思慮に欠けた不適切な表現を公開した」と謝罪した。県議会と県には21日までに苦情や議員辞職を求めるメールと電話が計762件寄せられた。

 遺体が発見された25日は6月定例県議会の開会日。小泉県議は前日の県議会議会運営委員会にオブザーバーとして出席予定だったが、姿を見せなかった。県議会では一般質問をする予定だったが、炎上騒動を受け辞退していた。

 小泉県議は2011年9月に二戸選挙区から無所属で立候補し初当選。同期当選で、同じ無所属の清水恭一県議は「小泉さんはブログのことを随分悔やんでいた。これから行動で示して頑張ろうという話をしたのに」と話した。

 小泉県議の地元の一戸町議(77)は「ブログが炎上した2、3日後に私の自宅に来て『ご迷惑をおかけした』と謝っていた。特に変わった様子はなく、頑張ってくれると思っていたのに……」と声を落とした。


 そうなんです。この小泉県議は典型的なモンスターペイシェントで、以下のような有名な出来事があってブログが炎上していました。内容を抜粋して以下に記載しておきます。

 6月上旬、3日ほど県立中央病院に通い続けていますが、当職と、ひと悶着がありました。
“241番”、“241番の方”、“お名前でお呼びします。241番の小泉光男さん。”
→ん!僕を呼んでいるの?と気付いた瞬間、頭に血が上りました。

 ここは刑務所か!。名前で呼べよ。なんだ241番とは!と受付嬢に食って掛かりました。
会計をすっぽかして帰ったものの、まだ腹の虫が収まりません。
と、病院で番号を呼ばれたことに激怒。会計をすっぽかして帰り、クレームの電話を入れたという。

 更に病院内対応に話しを戻します。長いうぐいす色のカウンター(二階受付10番 循環器系統担当のあなた達の事です!)の中に3~4名の職員が居ながら、“小泉さん。精算-会計の計算-が出来上がりました。どうぞお越しください!”

「お越しください?」。こちらは15,000円以上の検査料を支払う、上得意のお客さんだぞ。

 そっち側から、“本日は有難うございました。”と、カウンターの外に出て、長椅子に座ってる患者の方に来るべきだろうが?。デパートでもどこでも、1万円以上のお買い物客に、“精算書を取りにこっちへ来い。”と顎でしゃくって呼び寄せますか?
と、自分は「上得意のお客さん」であるので、会計は、職員が座っている自分のところに来てすませるべきであると主張。

 そして、このブログをご覧の皆さん私が間違っていますか。岩手県立中央病院の対応が間違っていると思いますか!と読者に問いかけている。病院からは「個人情報の関係上から云々…」との説明を受けたとのことだが、個人情報の関係?。馬鹿言っちゃいかんよ。あんたのような個人情報の中身を知らない者が個人情報と振りかざすから、こんな窮屈な世の中になるんだ。何時何処で、私が氏名で呼んでくれるなと頼んだ?


 以下は私のコメントです。

 こうしたモンスターペイシェントですら、民間の病院と違って上記の県立病院を初めとする国公立病院では受け入れを拒否できません。そして、こうしたモンスターペイシェントの対応に多くの時間と貴重な人材が費やされ、多くのストレスを伴います。この小泉県議のような会計踏み倒しないし未払いも同様に大きな問題です。もっともっとマスコミに取り上げてもらい、社会的な問題として広く認識してもらってもよいのではないでしょうか。

 ここまでひどくはないのかもしれませんが、多くの県立病院や市民病院でその地域の県議や市議が我が物顔で病院職員に横暴を働いているという話は時々耳にします。ちなみに私個人のもとでは、こうしたモンスター化した県議や市議には遭遇したことはなく、善良な一市民として受診された方ばかりでした。もちろんほんの一部分の県議や市議かもしれないのですが、それでも住民の代表たる県議や市議がモンスターペイシェントと化していれば大問題でしょう。職権乱用という方向性かもしれませんが・・・。これを機会にこの辺りの問題も整理されるといいのですが・・・。

 さて本題に戻りますが、この小泉県議、自殺して精算したつもりになるなんて最後の最後まで卑怯ですね。こういう展開は私個人としては許しがたいと思っています。県議をやめ、一県民に戻って底辺からやり直し、そして償うことこそ元県議としての責任であり義務であったのではないでしょうか。




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