出会いと別れ | 産婦人科専門医・周産期専門医からのメッセージ

産婦人科専門医・周産期専門医からのメッセージ

 第一線で働く産婦人科専門医・周産期専門医(母体・胎児)からのメッセージというモチーフのもと、専門家の視点で、妊娠・出産・不妊症に関する話題や情報を提供しています。女性の健康管理・病気に関する話題も併せて提供していきます。

 毎年4月は出会いと別れの時期になります。今年も例外ではありませんでした。

 私が今の病院に異動し初期研修医として産婦人科をローテーションしていた頃から関わりがあった若手の先生の1人が、この4月に巣立っていきました。初期研修・後期研修を終え、立派に産婦人科の専門医となられました。今後は大学院生として更なるステップアップを目指し、新たなるスタートをきることとなりました。重要な戦力でしたので寂しい気持ちでいっぱいですが、成長した若手医師との別れ、これ自体はいた仕方ありません。

 代わりにというわけではありませんが、他の病院から産婦人科専門医を目指す若手医師が1人新たにスタッフとして加わってくれます。束の間なのかもしれませんが産婦人科医8人体制が続けられます。上級医3人・若手医師5人という体制です。

 若手医師にとっては若手医師が多いほど当直や雑用は減って仕事自体は楽になることでしょう。しかし、若手医師1人当たりの経験できる症例数は逆に減ることになるかもしれません。つまり雑用へ減るけれどもチャンスも減るということです。若手医師の人数が少なければその逆ですね。

 私が産婦人科専門医を目指しての若手であった頃は上級医3人・若手医師2人という体制でしたので、雑用や当直が多く大変な面はありましたが、その分チャンスも多かったように思います。

 ゆとり教育世代が若手医師となってきた現在では、上記のどちらが若手医師にあっているのでしょうか?答えは数年先にしか出ないことでしょう。


 そして本日はもう一つの出会いがありました。


 医師国家試験を無事合格し、私たちの病院で研修を開始する研修医との出会いです。毎年4月の初日に研修医との対面式があります。これには幹部医師や所属長が出席するのですが、産婦人科では4年前から私が出席しています。毎年のこの会での楽しみは研修医の中に産婦人科志望の者がいるかどうかということです。これはどの科の先生方も同じで自分の診療科を志望する研修医がいることを楽しみにしているのです。中には研修医に対してガツンとプロの洗礼を浴びせることを楽しみにしている先生もいるようです。

 今年も数名の研修医が産婦人科も選択肢のひとつとして迷っていると挨拶していました。できれば2年後まで心変わりすることなく産婦人科を目指してほしいものですね。さらに今は他の診療科を志望している研修医にも是非とも産婦人科に興味を持って産婦人科を志望してもらいたいものです。

 ところで、近年医学生が研修先病院を決定するに当たり、面接で有利になる様に実際には希望していないあるいは選択肢にないのにも関わらず産婦人科や小児科志望をちらつかせる者がいます。そうです、面接の時には産婦人科や小児科志望を体よく伝え、実際に産婦人科や小児科のローテーションをする前から他科の志望を表明する研修医が少なからずいるのです。

 どの病院も産婦人科あるいは小児科の充実のため産婦人科あるいは小児科志望の研修医を優先的に採用していこうという流れがあります。私の病院もまたその例に漏れず、産婦人科あるいは小児科志望の研修医は比較的優先されています。これを逆手にとった不届き者は許されないですね。何らかの対策が必要でしょう。


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