携帯版:マジックにはまるきっかけって?! | 日刊 マジック発創泉「なんでやノン ! ?」手練奇術(カードマニピュレーション)という指先の奇術専門家のプロマジシャン派遣、育成、交流の日々

日刊 マジック発創泉「なんでやノン ! ?」手練奇術(カードマニピュレーション)という指先の奇術専門家のプロマジシャン派遣、育成、交流の日々

マジックのオリンピック「FISM」のタイトル保持者であり、カードマニピュレーションの第一人者、からくり堂「総統」が日常で遭遇し、発創(一般的に「発想」)する 「なんでやノン!?」 を、バカ噺を交えながら、日刊で列挙いたします。

マジックにはまるきっかけって?!
上達の鍵の、はじめは‥、
「なんでやノン!?」
子供のころ、全~然、勉強ができなかった。
そして、引っ込み思案だった。
成績の良い友人や、何事にも積極的に参加する仲間を、まぶしくも、うらやましいまなざしで、見つめていたものである。
あんなふうにできたら
「面白いやろなぁ~!」
などと、しょっちゅう、ひとりごちていたことをおぼえている。
そして、転機としては、高校1年のころだったろう。
古典の時間に、それは訪れた。
万葉集の巻第一の一番目の歌。
つまり、芸人の世界で言うところの
のっけの一番、である歌、
こもよみこ持ち ふくしもよみぶくし持ち
この丘に菜摘ます児(「娘」こ) 家聞かな名のらさね
そらみつ(やまとにかかる枕詞)大和の国は 押しなべて
我こそおれ 敷きなべて 我こそませ
我こそはのらじ 家をも名をも
その昔、名前を聞くことが、求婚を意味したこと、そして、当時の支配者である、天皇が、野で若菜積む娘に、その名を問うている、と言う長歌である。
雄略天皇の御製歌、とされているこの歌を、
「古典は、暗記が一番!」
というポリシーの師に、暗記させられたのである。
ではあるが、なぜか、頭の悪い自分でも、すっと記憶できた。
七五調のリズムの心地よさ、もあるかとは思う。
それに、先生が最初に宣言した、
「万葉集は不思議(な歌集)だ!」 *
という、そのフレーズ内の
「不思議!」
に幻惑されたのかもしれない。
* 実際に、万葉集という名前から、そして、誰がどんな目的で、いつ、いかなる理由から成り立ったのか(教科書に定説は載せられてはいるが‥!?)とか、、なぜか、たくさんの、いろいろな立場(天皇から、大衆まで)の人々の歌で編まれている、謎多き歌集である。
まぁ、確かに、当時、マジックという「不思議」に取り付かれ始めていた真田ではある。
そして、一番、興味を引かれたのが、大昔に記された歌歌 * が、現代でも、読みこなすことができるという「不思議」であった。
* 原点は、漢字の音を利用して、表現する、「万葉仮名」で記されていた、つまり、漢字の羅列なのだが、教科書には、もちろん「かな交じり文」である。
千数百年も前の人の意思が、現代にまで、伝わる、そのことを認識できる、ことに驚いた。
もちろん成績も上がる。
担任でもあった、古典の先生に、このことを話すと、
興味を持てたからだよ!
と、分析してくださった。
そして、興味を持てば、いろいろなことに疑問がわき、それを探求してゆくことが楽しく、うれしくなってくるはずだ!、とも。
そして、最後に、禅問答のような、フレーズを投げられた。
理解できることが増えてくると、
疑問ももっと増えるゾ!。
いまでは、その一言が、大いに理解できる真田である。
そこで、今日の一筆。
解は新い疑を生む

つづく
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