Essential Diana Ross/Diana Ross


昨年暮れに行われた『アメリカン・ミュージック・アワード』でのこと。
テイラー・スウィフトが『Dick Clark Award For Excellence』を受賞した時にプレゼンターとして出て来たのはダイアナ・ロスだった。

テイラー・スウィフトは賞を受け取って、まずこのようなスピーチをした。

"I am blown away to have received an award from Diana Ross, who over the course of her career just stood up for herself so many times in a time when it was not popular for a woman to stand up for herself.
I am so honored. Thank you for coming. You're beautiful."

「ダイアナ・ロスから賞をいただいてすごく感激です。ダイアナはそのキャリアにわたってただ何度も自力で立ち上がってきた。女性が自力で立ち上がるのが一般的でなかった時代にね。わたしはとっても光栄だわ。ありがとう来てくれて。あなたは美しいわ」

※『アメリカンミュージックアワード 2014』より

もうひとつ。
昨年暮れに大学時代の先輩とカラオケに行った時にわたしが「Let It Go」の次に歌ったのがAKBの「ラブラドール・レトリバー」だったのだが、その出だしが「Baby Love・・・」。

絶対と言っていい程、秋元康がダイアナ・ロスとザ・スプリームスの1964年の全米1位ヒット「Baby Love」を頭に浮かべて考えた言葉と言える。


ダイアナ・ロスが今まで世界にとてつもない影響を与えて来たことは紛れもない事実である。ダイアナ・ロスとザ・スプリームスとして12曲の全米1位。ソロとして全米1位5曲。ライオネル・リッチーとデュエットで全米1位1曲。

そんな大物のコンサートを今月7日の仕事の後、日本武道館で観た。

1曲目の「I'm Coming Out」からアンコールの「Reach Out And Touch (Somebody's Hand)」まで、スプリームス時代からソロ時代まで知ってる曲ばかりの満足させる内容だった。

欲を言えばもっとスプリームスの大ヒット~例えば「Where Did Our Love Go」(1964年全米1位)とか「You Keep Me Hangin' On」(1966年全米1位)やライオネル・リッチーがらみの曲「Endless Love」(1981年全米1位)とか「Missing You」(1985年全米10位)とかをやって欲しかったのだが・・・まあ、良しとしよう。



My World Is Empty Without You - Diana Ross & the Supremes

1966年2月に最高位5位を記録。1位にはなれなかったが、わたしの好きな曲である。同じ年に1位になったローリング・ストーンズの「黒くぬれ(Paint It, Black)」とどこかしら似ているが、こちらの方が先にヒットしている。

Anthology/Diana Ross & Supremes




Baby Love - Diana Ross & the Supremes

1964年10月31日から4週連続で全米1位。スプリームスでもっとも長く1位になった曲。
前述のAKBの曲に出て来るだけではなく、安室奈美恵の2008年の曲「NEW LOOK」でもこの曲がサンプリングされている。

愛はどこへ行ったの/ダイアナ・ロス&シュープリームス




Stop! in the Name of Love - Diana Ross & the Supremes

1965年3月27日から2週連続で全米1位。同年のビルボードの年間シングルチャートでも20位という上位にランクされている。60年代を代表するR&Bの名曲と言える。
また、1983年にホリーズがカバーして全米29位のヒットにしている。



You Can't Hurry Love - Diana Ross & the Supremes

これまた有名な曲。1966年9月10日から2週連続の全米1位。同年のビルボードの年間シングルチャートでは堂々8位にランクされている。

これまた1983年2月にフィル・コリンズのカバーヴァージョンが3週連続で10位を記録している。



Love Child - Diana Ross & the Supremes

1968年11月30日、前週まで1位を9週間続けていたビートルズの「Hey Jude」から1位を奪って2週連続の1位となったのがこの曲。

1994年ヒットのジャネット・ジャクソンの全米8位ヒット「You Want This」にはこの曲がサンプリングされている。

ラヴ・チャイルド/ダイアナ・ロス&シュープリームス




Touch Me in the Morning - Diana Ross

1973年8月18日に見事全米1位を記録し、その年のビルボードの年間シングルチャートでも10位にランクされている。名曲ですね。

タッチ・ミー・イン・ザ・モーニング/ダイアナ・ロス




Upside Down - Diana Ross

1980年9月6日から4週連続で全米1位。ビルボードの年間シングルチャートでは18位だったが、集計期間が普通だったら10位以内に入った曲。作詞作曲プロデュースがディスコグループのシックのナイル・ロジャースとバーナード・エドワードの二人。

ダイアナ/ダイアナ・ロス




Love Hangover - Diana Ross

1976年5月29日にポール・マッカートニー&ウィングスの「心のラブソング(Silly Love Songs)」から1位を奪い2週連続で全米1位となったが、「心のラブソング」に1位を奪い返された曲。ビルボードの年間シングルチャートでは15位に食い込んでいる。

ダイアナ・ロスが初めてディスコに挑戦して、見事成功した曲と言える。この日のライブでは別の2曲とメドレーにして歌っている。

愛の流れに/ダイアナ・ロス




Why Do Fools Fall in Love - Diana Ross

1981年暮れ、ライオネル・リッチーとのデュエット「Endless Love」に続いてリリースされたシングルヒットで最高位は7位。オリジナルはフランキー・ライモンとティーンエイジャーズの1956年の全米6位ヒット。

ミュージックビデオに出て来るラスベガスのダウンタウンにあるフリーモントストリートも当時は屋根もなく「フリーモントストリート・エクスペリエンス」もやってなかったのがわかる。

※ラスベガスに関する関連記事はこちら

ファースト・レディ/ダイアナ・ロス




Theme from Mahogany (Do You Know Where You're Going To) - Diana Ross

1976年1月24日に見事全米1位となった美しいバラードは映画『マホガニー』より。作詞ジェリー・ゴフィン、作曲は「Touch Me in the Morning」のマイケル・メッサー。日本でもCMで使われたことがある。

マホガニー/サントラ




Ain't No Mountain High Enough - Diana Ross

1970年9月19日から3週連続で全米1位となり、同年のビルボードの年間シングルチャートでは見事6位に入っている。作者はアッシュフォード&シンプソンの夫婦で、1967年のマーヴィン・ゲイとタミー・テレルのカバーでもあった。(オリジナルのバージョンは最高位19位)

エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ/ダイアナ・ロス



<Set List of Diana Ross at Budokan 2015/01/07>
1. I'm Coming Out (1980年全米5位)
2. More Today Than Yesterday (Spiral Starecase cover)
3. My World Is Empty Without You (1966年全米5位, The Supremes song)
4. Baby Love (1964年全米1位, The Supremes song)
5. Stop! in the Name of Love (1965年全米1位, The Supremes song)
6. You Can't Hurry Love (1966年全米1位, The Supremes song)
7. Love Child (1968年全米1位, Diana Ross & The Supremes song)
8. The Boss (1979年全米19位)
9. Touch Me in the Morning (1973年全米1位)
10. Upside Down (1980年全米1位)
11. Love Hangover (1976年全米1位)/ Take Me Higher / Ease on Down the Road (1978年全米41位)
12. The Look of Love (Dusty Springfield cover)
13. Don't Explain (Billie Holiday cover)
14. Why Do Fools Fall in Love (1981年全米7位)
15. Theme from "Mahogany" (Do You Know Where You're Going To) (1976年全米1位)
16. Ain't No Mountain High Enough (1970年全米1位)
17. I Will Survive (Gloria Gaynor cover)

Encore:
18. If We Hold on Together
(I Will Survive)(reprise)

Encore 2:
19. Reach Out and Touch (Somebody's Hand)(1970年全米20位)
(I Will Survive)(reprise)


ザ・ボス/ダイアナ・ロス


ビリー・ホリデイ物語/サントラ

ダイアナがビリー・ホリデイを演じて話題となった映画『ビリー・ホリデイ物語(Lady Sings the Blues)』のサントラは1973年4月7日から2週連続で全米1位となり、同年のビルボードの年間アルバムチャートでは見事5位にランクされている。この日もこのサントラから「Don't Explain」を歌ってくれた。


Take Me Higher/Diana Ross