侍ヤンキースのブログ

音楽&映画鑑賞、旅行、野球観戦、ドラマ、写真、グルメなどに関して好き勝手に書かせていただきます。

こんにちは。SAMURAI YANKEES(侍ヤンキース)と申します。主に趣味である音楽&映画鑑賞、旅行、野球観戦、ドラマ、写真、グルメなどに関して書いて行きたいと思います。
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べーっだ!

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◆2015年10月10日土曜日

三俣山荘では何人かの宿泊客と知り合いになった。

光岳以外の日本百名山99座をすべて登頂した年配男性、長野県在住の若い男二人、一番最後に加わったのは静岡からひとり車でやって来た勇ましいOL。

「鷲羽岳と水晶岳ですか。それなら一緒に行きませんか?わたしもそちらへ行きますんで」

ミスター99座が言ってきた。

「いや、ちょっと、それは・・・」

わたしは当惑した。わたしが単独で登山しているのは他人のペースに合わしていると登山に集中出来ず危険だと判断しているからなのだ。

「大丈夫ですよ。わたし、そんなに速くないですから」

どうやらわたしより年配の彼はわたしより歩くのが速いと思っているようだ。

「まあ、いいですよ」

結局、わたしはいやいやながらも翌日彼と一緒に行くことに承諾してしまった。

長野の二人と静岡のOLは、話が合うようなので、わたしはちょっと残念に思いながらも一足先に自分の部屋に戻って寝ることにした。




◆2015年10月11日日曜日

5時に朝食をとりに二階の食堂へ行くとミスター99座と静岡のOLはいたが、長野の二人はいなかった。

OLに訊くと朝早く出て行ったらしい。

二人が先に食べ終わって食堂を出て行った後もわたしはそこに残っていた。隣に別の女性登山者がいたので話しかける。

「読売新道の方へ行くんですか。わたしは昨日そっち方面から来たんですが、岩を飛び乗って行くような場所があるんで、今日のように雨が降っている時にはわたしだったら行きませんね」

貴重なアドバイスをいただく。




5時50分、ミスター99座と三俣山荘を出る。冷たい雨が降っている。取りあえず彼に前を歩いてもらう。




最初はハイマツの中を歩き、途中から岩の鷲羽岳を登って行く。

・・・と、雷鳥がたくさん出て来て我々を迎えてくれる。




予想通りミスター99座は歩くのが遅かった。

「すいません。もうちょっと早く行かないと今日、10時間以上歩く予定なんで先に行かせてもらいます」

段々とストレスがたまってきたわたしは、とうとうそう言うと先を行かしてもらい、容赦なくスピードを上げてミスター99座を置いてどんどん先に行く。

・・・ようやく、自分のペースで歩けるぞ。

わたしはほっとした。


ところが・・・。




小雨が吹雪に代わり、雪を含んだ冷たくて強い風がわたしの顔や両手を中心に全身を攻め続けた。




7時18分、ついに鷲羽岳に登頂。標高2,924m。もちろん日本百名山に入っている。

この年(2015年)わたしが登った日本百名山は、雲取山、大菩薩嶺、瑞牆山、金峰山、甲武信岳、剱岳、薬師岳、黒部五郎岳、八ヶ岳、穂高岳、焼岳、そしてこの鷲羽岳でついに12座目となった。通算では26座目である。

もっとも、それがその年最後の日本百名山登頂となってしまうのだが・・・。


吹雪は激しくなるばかりだった。防寒対策をほとんどといっていい程していなかったわたしの手は凍傷になりそうな程冷たくなっていてさすような冷たさに感覚がなくなってきていた。

・・・やばい、このままではわたしの指が凍傷でなくなってしまう。

わたしは両手の指を口の中に突っ込むと三俣山荘に戻ることに決めた。

そこにミスター99座もやって来て身振り手振りでどうするのか訊いてきた。

わたしは手で×をして見せ、引き返す意思を見せた。

これでこの後、水晶岳に登って黒部ダムまで行く計画は断念することになった。


雪が積もり、しかも少し岩の上で溶けた状態は滑るので帰りの下りはこわかった。

最初、ミスター99座はわたしが先に行くと思ったようだが、うしろからプレッシャーをかけられるとやばそうだったので彼に先に行かせた。




8時過ぎにわたしとミスター99座は三俣山荘に戻った。

わたしはストーブの前で顔面蒼白でガタガタ震え、声も出せなかった。

「へえー、そんなにスゴイ吹雪だったの?」

静岡のOLがまだ、三俣山荘にいた。


「これは双六小屋へ行って様子を見るしかないね」

わたしよりはるかに元気なミスター99座がそれに応えた。


ただ、わたしは、ずっとミスター99座と一緒に行動はしたくなかったので、ぶるぶる震えながら考えていた。

・・・できれば、双六小屋まで行った後、西鎌尾根を通って槍ヶ岳山荘まで行けないだろうか?

かつて知ったる西鎌尾根。前年は台風直下の時にもそこを通っている。




わたしたちは、三俣山荘に1時間半近くいた。途中から二階の食堂のストーブの近くで話をした。そこにはもうひとり、ダウンジャケットの男性がいた。

「暖かそうでいいですね」

わたしは羨ましがった。

幸いにもわたしは昨日同様にケーキセットを食べて大分元気になっていった。





9時10分、三俣山荘を出る。目指すは双六小屋。前日のように三俣蓮華岳や双六岳には登らずに巻道を行くことになった。

わたしとミスター99座、静岡のOL、そして二十代くらいの若い男性二人。




先ほど、鷲羽岳でぶざまな姿を見せてしまったわたしは、ケーキセットで復活し、ぶっちぎりのスピードで
先頭を駆け抜ける。

後からメンバーとは別のグループの若い男に追い抜かれそうになったが、岩場の登りで引き離し、見事1位でゴール!!・・・なんのこっちゃ?

とにかく、目的地の双六小屋に着いたのだった。




わたしは双六小屋でしばらく、西鎌尾根作戦が出来ないか、チャレンジしようとした。30分以上経ってからミスター99座と静岡のOLも来て迷わず双六岳にチェックインした。しばらくしてわたしも、風雨が厳しく、あえなく西鎌尾根作戦を断念した。


その後、わたしとミスター99座と静岡のOLは双六小屋の談話室みたいな部屋にいた。

畳の和室で、テレビではNHK-BSのMLB中継をやっていてナリーグの地区シリーズをやっていた。面白いことにその時投げ合っていたニューヨークメッツのノア・シンダーガードとLAドジャースのザック・グレインキーはともにわたしがファンタシーベースボールで持っていた投手だった。

白人の4人グループがいたのでどこから来たのか訊くとオーストラリア人とのことだった。




夕食後もわたしたちは、談話室にいた。

わたしと70代くらいの老人と、その知り合いの若い男性。

「大キレットはわしも行ったことがある。一番の絶景は槍ヶ岳から大キレットに続く稜線の風景なんだ」

老人は言った。



「この写真なんかいかがですか?」

わたしは数週間前に大キレットへ行った時の写真(スマホに保存してあった)を老人に見せた。

「確かに良く撮れておる。しかし、残念なことに槍ヶ岳の穂先が見えていない。もっと北穂高に登ってから撮った写真ならば槍の穂先が見えた筈だ」

わたしは残念がった。



(※家に帰って写真を見てみたら御覧の通り槍ヶ岳の穂先が出ている写真が見つかった。)



次に老人は笠ヶ岳から見た大キレットから登る日の出について語った。

「年に一度、長谷川ピークの上から登る日があるんだ。その時が最高の日の出なんだ」

わたしは、またしてもスマホの写真を見せた。

「どうです。わたしの写真?」




「これも残念じゃが、日の出の位置が長谷川ピークじゃなくて、北穂高の頂上付近だね?」

「うー、残念」

わたしはまたもや歯ぎしりをした。

それでもその日の晩はいつになく楽しいものとなった。




「えっ!明日、西鎌尾根を通って槍へ行くんですか?雪が積もっていますよ」

老人の友人の若い男性が言った。


「えっ!マジですか?」

「はい、わたしのスマホからは山の天気の情報が入りますんで・・・」


わたしはちょっとショックだった。雪の積もった槍ヶ岳。ちょっと想像できなかった。

それでもわたしは頭の中で思考をめぐらし、しばらくしてから決断した。

・・・絶対行ってやる。西鎌尾根経由で槍ヶ岳へ!!!

(つづく)
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