いつかきっと | 学生団体S.A.L. Official blog

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首都プノンペンからバンに揺られること6時間、気づけばそこには豊かな緑と青空が広がっていた。そう、ここはカンボジア北西部に位置する街、シェムリアップ。


ぼくたちはここシェムリアップで、NPO法人かものはしプロジェクトが運営する村、コミュニティーファクトリーを訪れた。
そこでは女性たちが「い草」を織っていた。これが彼女たちの仕事なのだ。彼女たちが作ったい草製品を手に取ると、そのしっとりとした質感、繊細な仕事ぶりに、ぼくは思わず心を奪われた。
彼女たちの表情はとても明るく、逞しく、輝いていた。


* * *


かものはしプロジェクトは児童買春撲滅を目指す団体だ。
カンボジアの農村では、農作業だけでは生計を立てられないことがあるため、子どもが出稼ぎにでることが多い。しかし、その出稼ぎ先で子どもが売春宿に売られてしまう、という事件が多発している。この深刻な状況を食い止めるために、かものはしプロジェクトは立ち上がった。かものはしプロジェクト・コミュニティファクトリー事業チームの誕生である。



「村に仕事を創ること」これが彼らの使命だ。──子どもが売られない世界を創るために。



村に雇用が生まれれば、子どもが出稼ぎにでることを防ぐことができる。
しかし、雇用が生まれても、コミュニティがきちんと機能し、持続的かつ安定した収入を得ることができなければ意味はない。そのためには何が最も必要か。
それは、「当事者意識」だとかものはしプロジェクトの方はおっしゃっていた。村人自身が自分たちの置かれている状況を理解し、これからの村の発展に何が必要なのかを考える。かものはしプロジェクトはそのきっかけ創りをしているに過ぎないのだ、と。


ぼくたちもここカンボジアにプロジェクトの一環として訪れた。
カンボジアのタヤマ日本語学校の生徒を日本に招待し、日本の良い面、悪い面双方を肌で感じてもらうことで、自国の発展のために何が必要なのかを彼ら自身が考える機会を創ろう、というプロジェクトだ。

様々な団体から様々な形の支援を受けるカンボジア。これからカンボジアは発展してゆくのだろうか?

必ずしも「イエス」と言うことはできないかもしれない。


だけど、ぼくたちがその小さな「きっかけ」のひとつになれたら…

ぼくはカンボジアの発展を信じている。



【文責:イベント局1年 堀内 慧悟】