現地の目線で。 | 学生団体S.A.L. Official blog

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慶應義塾大学公認の国際協力団体S.A.L.の公式ブログです。


バングラデシュに降り立った私は、砂埃の舞うダッカの街中に鳴り響くクラクションのやかましさに良い印象を持てませんでした。

貧しさ。貧しいが故に、余裕がないから自分のことばかり考えて、自分勝手にひたすらクラクションを鳴らして、すきを見つけては前の車両を追い越して。

しかし、よくよく見てみるとそう考えるのは間違っていると気づくのです。彼らがクラクションをよく鳴らすのは、ろくな交通規制のない道で自分はここにいるぞと周りに知らせて事故を防いでいるからです。

リキシャ引きが大声をあげるのも怒っているからではありせん。精一杯に声を張り上げて、乗客の安全を保っているのです。短気そうに見える彼らですが、他のリキシャと競争をするとき、乗客からチップがもらえたときは思わず笑みがこぼれます。

上から目線でいては見えるものも見えません。貧しいからという理由で説明するのはとても失礼なことであり、それがあてはまるのは数えるくらいであると気づきました。

この見方を捨てられないと、いつまでたっても「国際協力」は空虚なものになってしまいます。


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例えば、児童労働という言葉は私たちにはとても聞こえが悪いですが、ソーシャルビジネスの先駆、ここバングラデシュではどうでしょうか。

今日、フェアトレード会社の縫製工場で和気あいあいと仕事をする子ども達を見ました。彼らの中には元ストリートチルドレンもいます。前の生活に比べると、随分と安定した、かつ充実した生活を送っているといいます。それもそのはず、適切な労働時間と賃金は保障され 、額は仕事が同じなら老若男女で差別されないからです。

確かに、充実した社会保障のもとストリートチルドレンも学校に行けるのが最良です。しかし、上からではない現地の視点があれば、もっと現実的な方策が見つかるはずです。例えば、どうしても働かざるを得ない子どものための青空教室などどうでしょうか。考えれば様々なアイデアが浮かびあがります。

現地の視点を大切にして、残りの時間を過ごしてたくさんのことを学びとります。


【文責: PM局1年 福園隆成】