交通事故で昏睡状態に陥ったシン・ジヒョンが、49日以内に自分を想う純度100パーセントの涙を三人分集めないと生き返れない!というあらすじ。
私の韓流ドラマにのめり込むキッカケは【華麗なる遺産】でしたが、あのドラマで包容力のある好青年を演じた、ペ・スビンさんがカン・ミノとして見事な悪役をやってました。
第一話から最終話まで、一度もだれることなく一気に観ることが出来ました。
非常に良いドラマだったと思います。
序盤、多くの視聴者が感情移入したこととして、
『もし、自分がジヒョンのように仮死状態になったら、一体何人が泣いてくれるのだろう』
と思ったのではないだろうか?
あの人はどうだろう、あの人はどうだろう、
そんなこと考えたくないと分かっていても思わず人の心を試してしまう、、
そんな苦い感情移入がありました。
このドラマが絶妙な理由のひとつに
この仮死状態があると思う。
完全に死んでしまったなら『別れ』しかない。
しかし仮死状態は
完全に死んだわけではない、
でも生きてるとも言えない。
どう受け止めたらいいのか、、、それぞれの人物が葛藤する姿も、このドラマの見どころなのです。
死んではいない。
生きる望みはある。
でも、何年後かわからない。
いつまで待てばいいのか?
シンジヒョンの両親は、たとえこのままでも生涯娘を愛す、と誓うが、
学生時代の旧友や、親友、恋人は移りゆく時間の流れで、シンジヒョンを過去にしようと気持ちを整理し始める。
みんな自分の人生に必死なのだ。
たましいの状態で、なみだを集めるため彷徨うジヒョンが、みんな泣くどころか、自分を忘れようとしているんじゃないかと不安にかられたときに叫ぶセリフ
『わたし、生きたいんです!』
このシーンはかなり泣きました。
そうだよね、
わたしもジヒョンの立場になったら、
誰が泣いてくれるのだろう??
自信がない。
そして、自分が親友の立場なら、いつまで親友を愛せるだろう。
日々の喧騒の中で、やはり少しずつ過去にしてしまうかも知れない。
ドラマの親友たちを非情だと責めることができない。
どちらの気持ちも分かってしまうのです。
だから胸を揺さぶるのです。
そして、このドラマには、もう一人の主人公ソ・イギョンがいます。
ジヒョンの魂は、イギョンの肉体を借りて涙集めの努力をするのですが、イギョン役の女優さん、二役の演じ分けがしっかり出来ており、彼女の演技がドラマのクオリティを上げています。
イギョンも、過去に恋人に死なれて、誰とも関わらない、いつ死んでも構わないといった心を閉ざした人生をおくっています。
イギョンを救おうとする若い精神科医が現れますが、彼女は精神科医の救いを拒絶します。
コンビニのバイトは必要最低限の生きる費用を稼ぐため。
帰ったらカップ麺をすすり、食べたら横になって眠りにつく。
布団もかぶらない。
女の子の部屋は、ぬいぐるみのひとつぐらい可愛いものがあり、カーテンや家具もピンクやパステルカラーの色調があって当たり前。
しかしイギョンの部屋は、可愛いものなどひとつもなく、ほこりの被った段ボールが積まれ、明かりも暗く掃除もしてない。
ただ、無感情に生きているのです。
いくら恋人が死んだとはいえ、なんて悲しい生活。
死んだ恋人が知ったら、きっとやりきれないでしょう。
ここで私は二度目の感情移入をしました。
自分が死んでも、残された大切な人はどうか幸せであって欲しい。
こんな悲惨な人生を生きないで欲しいと。
しかしイギョンの孤独な人生が、ジヒョンという接点により少しずつ変わっていきますが、彼女のラストも泣きました!!
ラストシーンはネタバレなんで言わないですが、わけわからないぐらい号泣。
物語のスタートから死神が現れ、『死神さん!?』の問いかけに『死神なんて言い方やめてくれ!スケジューラだ』とツッコミを入れ、コミカルにテンポよく展開されるストーリー。
しかし、本当に人間のさまざまな感情を試されるドラマです。
ぜひ観てください。
最後にこのドラマで一番印象に残ったセリフを紹介します。
『誰の涙か知りたい?』
『ううん。知ってしまったら、その人しか愛せなくなりそうだから』
では、また!
( ̄▽ ̄)