2月中旬から、練馬区議会定例会では予算特別委員会が開かれて、毎日質疑をしていました。

毎日、「保健福祉費」「教育費」などのテーマごと(予算の「款」ごと)に質問をするのですが、1日目は都区財政調整、財政計画についてです。

質問時間は会派の大きさにより決まるのですが、私は一人会派なので1回あたり6分間。短いですが毎日質問していた内容をこれからしばらくご紹介します。



前回のブログ で、特別区は東京都との財政や事業の役割分担が一般の市町村と少し違うと書きましたが、その財政調整のこと、そして練馬区の全般的な財政計画について聞くのがこの日の内容です。都区財政調整の基本的な概要こちら をご覧ください。また、来年度の考え方はこちら



以下の内容は、基本的には議会事務局から示された未定稿の議事録をもとにしていますが、実際には答弁は、課長によっては「○○でございます」「△△につきましては」

という、ひどく独特な丁寧な話し方をするので、とてもわかりづらいため、その部分は「○○です」「△△については」という、一般的な書き方に改めています。



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(かとうぎ桜子)

消費税について伺います。



財政計画では、地方消費税交付金が前年度比で7.5%増となっています。

先ほどの(他の会派との質疑の中の)ご説明で、今年度の決算の見込みなどからこの増加分を見込んで出しているというご説明がありました。



消費税に関しては、資料11に引き分上げ分の使途が記載されています。(※予算委員会で配布されている資料とまったく同じではないのですが、こちら に概要が載っています。)



2014年度に消費税の税率が8%に引き上げられてからこの資料が示されているかと思います。

消費税の増税は社会保障費に充てることが趣旨であることから、この使徒の明確化をするよう総務省の通知が出ていることを受けてこうして資料がつくられている経過があると思いますが、2014年度予算からこの資料の作成に取り組まれて、練馬区としてどのようにお感じなっているかお聞きします。



(財政課長)

平成24年に決定されました社会保障税の一体改革において、消費税の引き上げ分は全て社会保障財源化するとされた。その引き上げ分が社会保障施策のいずれに充てられたかを明確にするようということで総務省の通知を受けて行っているところです。

私どもとしましては、そういった総務省の通知に従いまして使い道について区民の方々に説明をすべく公表を行っていることです。



(かとうぎ桜子)

資料を、国の通知を受けて出しているということで、ただ、なかなかわかりづらい部分もあるかと思っています。

財政計画を見ていくと、一般財源の中で地方消費税交付金の金額はかなり大きな部分があると思いますし、消費税の増税による負担感は大きいけれども、それは社会保障費に充てられるのだろうと理解をしている区民の方も多くいらっしゃるかと思います。

こうしたことを踏まえて、区としてもっとわかりやすく積極的な説明の工夫をしていくべきではないかと思います

例えば、社会保障費に充てている一般財源が全体でおおよそどのくらいの金額になるのか。消費税増税する前も含めて経年的にどう変化しているのかを示し、その中で、消費税増税分がどのぐらいの割合を占めるのかを示すことや、グラフを使って社会保障費の歳出の状況、財源の充て方についてわかりやすく示すなど、工夫することで財政について区民によりわかりやすく状況をお伝えすることができるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。



(財政課長)

公表にあたりましては、先ほどご説明いたしましたように、基本的には国の示す項目、様式にのっとって公表をしていますから、全く別のものに変えることはなかなか難しいかと考えています。

しかし、今回の資料で言えば、75億円の引き上げ相当分を充てても、なおまだ400億円近い一般財源が必要になっているといったことであるとか、毎年社会保障経費がどれだけ増加しているか。そのためにそういった財源がまだまだ必要なのだといったことについて、わかりやすく区民に伝えていく必要があることについては、私どももこれまでも考えてきているところでございます。



(かとうぎ桜子)

消費税のことも含めて入ってくるお金と使っているお金がどういう仕組みになっているのかを区民の皆さんにわかりやすく説明していく工夫はぜひやっていただきたいと思います。



次に財政調整方針に関連して伺いたいと思います。

今回の財政調整協議の結果で新規算定されたものの中に、自殺防止対策事業費があるということです。

この自殺対策に関しては、もともと東京都からの補助金でやってきたものであるかと思いますが、今回、財政調整に算定された経緯をお聞かせください。



(財政課長)

自殺防止対策事業の算定については、東京都自殺対策緊急強化事業、10分の10の補助でしたが、平成27年度より、それが東京都地域自殺対策強化事業と変わりまして、実施内容により補助率が10分の10だけではなくて、4分の3あるいは2分の1に変更となった。それに伴い一般財源の負担が生じることで、それに伴いその部分の事業費および特定財源を新たな新規算定にするといった内容です。



(かとうぎ桜子)

自殺予防対策に関して補助率が引き下げられたところが課題としてあって、それが今回財政調整算定されたということですので、練馬区としても自殺予防対策に関しては、さらに積極的にまたこれからも取り組んでいただきたいと思います。



最後に、財政調整の協議についてですけれども、今までほかの会派からもありましたが、今回の協議で特に特徴的であると考えた点、また今後の課題について伺って終わりたいと思います。



(財政課長)

今回の財政調整協議においては、一定区の提案をした事業費等の算定が図られたことについては一定前進があってよかったと思います。

ただ一方で、他の会派の委員にご説明もいたしましたが、都市計画交付金の拡充であるとか、特別交付金のあり方であるとか、そういった暦年の課題については今回も提案協議 をいたしましたが、協議不調で来年に引き続きになってしまったことについては非常に残念だと考えているところです。



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○消費税については、5%から8%に引き上げられて、引き上げ分の使途の明確化として資料が公表されるようになった時にも質問したのですが(こちら )、引上げ分を社会保障費に充てるといっても、単にその額を予測して、それを社会保障費に割り当てましたよという一覧表をつくっているだけであって、正直あまり意味があるものとは思えないものです。


増税したからその分社会保障費を充実させたことを示しているわけでもなく、かといって年々上昇している社会保障費と一般財源の関係性を明らかにしているわけでもないというもので、中途半端なものである印象。

だから区の担当者も「国が作れと言うから作りました」みたいな説明しかしていないのだろうと思います。


消費税を払う立場として、こういうわかりづらいものを出されて納得できるかというと、そんなことないですよね。


せめて、練馬区にかかっている社会保障費の経年変化、そしてそこで一般財源はどのくらい必要としているのか、そのうち増税分の消費税の位置づけはどのようになるのかはもっとわかりやすく示すべきという観点で質問しました。



○自殺予防対策は今年度から東京都の補助金の補助率が引き下げられてしまったという課題についても以前質問しました。(こちら

来年度は補助率が引き下げられたことを配慮して都区財政調整の算定がされるようになったということなので、補助率の引き下げを言い訳に事業の縮小をすべきではないという点を指摘しました。