前回のブログでは、区民の皆さんが支払うという側面から消費税増税と区の手数料等との関係についての質問をご紹介しましたが、今回は、消費税増税によって自治体として収入増となる部分についてご紹介します。

消費税が5%だった時、自治体の収入となる地方消費税は1%でした。
それが今回、消費税が8%になり、地方消費税も1.7%に増えました。
国は、消費税増税分を社会保障費に充てると言っているので、自治体に対しても地方消費税の増収分は社会保障費に充てるようにと言っています。そして、実際に社会保障費に充てたかどうかわかるように資料を公表するようにも言っています。

そこで練馬区は、予算資料とあわせて地方消費税の増収分を社会保障費のどこに充てるのかを書いた資料を出したのですが、「具体的にどの事業に充てて、それが合計いくらになる」と積み上げているのではなく、高齢者福祉費、障害者福祉費、など項目別に消費税のうちのこのくらいの割合で充てる、と決めているだけのざっくりとした資料を作りました。

社会保障の伸び率が激しいため、消費税増税分だけではとても賄いきれる状態ではない。だから、そんなに細かい積み上げ方をしなくても、明らかに消費税増税分は社会保障に充てていると言えるのだ、というのです。
それは、財政担当者としての実感なのかもしれませんが、ただ、消費税を支払う側として、それで納得ができるでしょうか。

せめて、練馬区の社会保障費が年々、項目別にどのように伸びてきているのか、そのうち消費税分はいくらくらいなのか、といったことが経年変化として分かりやすい資料を示すだけの責任は持つべきではないでしょうか。


また、今回議論をしていて改めて消費税の仕組みそのものの課題も感じました。
それは、消費税の収入は一般財源に入ってくるので、他の住民税、たばこ税などの収入と区別がつかなくなるということです。だから、消費税分は社会保障費に充てているといっても、それで浮いた分を実は全然違う無駄遣いに使うということが構造としては可能なのです。本当に社会保障費だけに充てる税金にするということであれば、一般財源ではなくて特定財源にする仕組みにしなければ、抜け道はたくさんあると思います。

(消費税のことも含め、練馬区の予算に関する資料は
こちら からご覧いただけます。)

--------以下、未定稿の議事録より----------
(かとうぎ桜子)
次に、消費税について、今度は、練馬区に収入として入ってくる部分の金額の使い道について伺いたいと思います。
来年度(2014年度)の引き上げによって、地方消費税の増税分は社会保障に充てるように、と国が言っている。この点は、先ほどからほかの会派からもご意見が出ていたかと思います。

この増税分は、練馬区では、来年度14億3,400万円と見込んでいるようですけれども、この社会保障のどういった分野に充てると考えているのかという点をお聞きしたいのと、あと、増税分の見込みの金額は、今後、来年度、再来年度以降、どのように増えていくと考えているのか。どのような推計をされているのかという点も、お聞きしたいと思います。

(財政課長)
まず、来年度の見込みということで、今回、国から使途の明確化についてということで、通知が参りました。

それによって、いわゆる今回の消費税アップ分については、社会保障4経費に充てるべきものだということで、その使途については明示しなさいといった内容でございましたけれども、ただ、示されている表示の仕方が、非常に大きく捉えられておりまして、個別のこの事業に幾らとか、そういった充て方ではない。もともと地方消費税交付金そのものが、特定財源ではなく一般財源であるという性格もあると思います。

14億3,400万円という数字については、先ほど出たかもしれませんけれども、実は区としては、消費税3%アップは18億円程度あるだろうと。ただ、国は今回、来年度見込まれるうちの12分の2について、そういった関係費に充てるという明細をつくれという内容でした。その結果、つくって、皆様方にお配りしたのが、この間の表です。

これにつきましては、今後、具体的に、この事業とかあの事業とか、なかなか難しいのかなと思っております。もう少し充て方の度合いといったものが明示されて、それを下回らないようにといったものがあれば、また、お示しの仕方も変わってくるだろうと思っておりますが、今回お示ししているのは、社会福祉、社会保険、保健衛生といった分野において、どれだけ使われているかを、表にしてお示ししたものです。

それから、今後の見通しでございます。

8%が平年度化すれば、3%アップの約66億円程度の増収にはなります。ただ、反面、経費としても出ていくということで、その効果はその半分程度だろうと思っております。

(かとうぎ桜子)
今のご説明ですと、先日資料が配布されましたが、そこで示されている金額は、具体的に、一つずつこの事業に充てるということを積み上げていったわけではないということかと思いますけれども、そうすると、どのように出したのかということをお聞きしたいのが一点目。

それから、高齢者福祉費とか障害者福祉費、社会保険の繰出金などに充てているということで、表に書かれていました。

例えば、練馬区の予算書を見ると、家庭福祉費といった項目もあるわけですが、入っていないものもあるということで、どういう基準で消費税を充てる項目を選定されたのかという点もお聞かせください。

(財政課長) 
まず、数字の出し方でございます。

こちらは先ほど言いましたように、12分の2という基礎数値を用いまして、それが実際に、その事業にかかる総経費から特定財源を除いて、一般財源を出します。

その一般財源が、14億円ですので、この14億円が全体の一般財源に対して、どの程度の割合で入っているかというのを、案分したという、簡単に言えばそういうことです。

ですから、具体的に、ここに幾らという話ではないではないかと言われると、まさにそのとおりでございますけれども、現状ではそういう出し方しかできなかったということ。

それから、もう一つは、事業についても、選別の仕方はいろいろあろうかと思うのですけれども、今回は、大きく目単位で捉えさせていただいて、特に人件費等を含まない項目ということで、選択させていただきました。

そういったことから、今後はこの表記の仕方については、毎年やっていくという話であれば、また、国からの要請等もあるでしょうし、区としても、独自にその辺は工夫を凝らすべきかと考えております。

(かとうぎ桜子)
先ほど来のほかの会派の議論なども含めて、区としては、消費税の収入は一般財源であるという性質からも、なかなか社会保障に充てているというのが説明しづらい部分もあるということでしたけれども、区民の方にとってみれば、社会保障に充てるのだろうと考えていると思いますし、金額もかなり大きくなってくるものだと思いますので、しっかりと区民の皆さんにわかりやすいような、説明の仕方をしていく必要があると思います。

今、答弁にもありましたけれども、配布された一覧表を見ても、一律にそれぞれ配分して、消費税分を充てているという形の資料でしたから、これをそのまま区民の皆様にお示ししても、わかりづらいのかなと思うのです。

今後、どのように情報公開をされていくか。お考えをお聞かせください。

(財政課長)
今回、お示しした表につきましては、時期はまだ特定していませんけれども、今後の決算ないし、再来年度予算も含めてですけれども、そういった過程の中で、こういった地方交付税交付金アップによった部分については、こういう形の使い道をさせていただいておりますということは、ご一緒に示させていただければいいと考えています。

(かとうぎ桜子)
社会保障で年々増加していて、消費税の増税分だけでは補えないというお話もありましたけれども、自然増の部分を除いて、新たな事業の充実に、どの程度かかっているのか。消費税の増税分はどのぐらいあるのかといったことを、年々の変化として見やすいような工夫なども、していっていただきたいと思います。