鉄道駅のバリアフリーについては過去にも何度か質問したことがあります。


2012年の質問

2014年の質問


区内や近接する駅では、1方向はエレベーターが設置されていて移動できるようになっているのですが、特に地下鉄では1方向ではかなり遠回りしなければならない場合もあるので、その改善を鉄道事業者に求めていくために、2012年度~2014年度、練馬区は鉄道駅のバリアフリー調査をしています。


エレベーターは必要性は認識されても、箱を設置できる物理的な場所が必要だし、経費もかかるということで一足飛びには進みません。


たしかに、エレベーターは、1か所あれば良いというものではないと思います。


車いすを利用している友人と一緒に外出して電車に乗ると、エレベーターがものすごい端っこにあって、そこに行くまで一苦労という経験をよくします。


私の友人は「私は車いすをこげばすぐ移動できるけど、高齢で杖をついて歩いていたりする人は本当に大変ね」と言っていたことがありました。友人は謙虚に言っていたけど、車いすだって大変だと思うし、たしかに高齢で歩行が大変だけど車いすではないという人も大変だと思います。


ですから、エレベーター設置について改善を求めていくこともとても大事だと思っています。



ただ、こうした大規模工事を伴うような課題は目につきやすいけど、その陰に隠れがちな「ちょっとした配慮」の不十分さにも目を向け、改善していく必要があると私は思っています。


たとえば、弱視の人が階段の段差を見分けやすいように段の端に明るい色をつけるとか、「手話ができます」「筆談で対応できます」などの表示をするとか、エレベーターや誰でもトイレの位置が誰にもはっきりわかるよう大きく表示するとか、です。


こういったことは、大きな工事をしなくてもできることですが、意識していないと見落としがちなところなので、繰り返し最近の状況を確認しているというものです。


また、区が改善を求めることによって鉄道事業者がどのように改善させたかという結果を区民の皆さんにお知らせすることも大事ではないかと思います。それは、「障害のある人や高齢の人など、移動が困難な人にとって、どういう支援が必要なのか」ということを改めて私たちが知るチャンスでもあるからです。



------------

(かとうぎ桜子)

鉄道駅バリアフリー経費の調査状況について伺います。

2014年度に区が実施した鉄道駅のバリアフリー調査の概要を、まずはお聞かせください。



(交通企画課長)

区が昨年度実施した調査においては、鉄道駅のバリアフリー施設の改善の必要性が高いとした6駅について、スムーズな乗り換えの観点から、鉄道駅から駅前広場やバス停経路のバリアフリー化の状況について、現地調査を実施しております。


具体的には、地下鉄赤塚駅、光が丘駅、新桜台駅、平和台駅、練馬駅、氷川台駅の6駅の調査を行ったほか、ホームドアの設置事例の調査も行っております。



(かとうぎ桜子)

鉄道駅のバリアフリー調査については、2012年度に区内21駅と近接する7駅の調査をした後、2013年度、2014年度は、特にバリアフリーに課題のある駅について、絞った形で調査されてきたという経緯があるかと思います。

 現状、全ての駅で最低限1ルートのバリアフリー経路は確保されているということで、それでも移動が困難な駅について、さらにエレベーターを設置するといった大規模な工事を要するという課題もあるかと思います。他の会派の方々からも、そのご指摘があったかと思います。



もちろん、それはとても重要なことですが、それだけでなくて、バリアフリーの課題として、例えば聴覚障害のある人に筆談で対応することや、駅構内の案内表示を明確にするといった課題もあるかと思います。


調査の概要の報告書を資料でいただきました。この調査では、こうしたきめ細やかな配慮という点の改善の状況についても報告されています。


これらの調査の結果を踏まえ、今後は区として、鉄道事業者への働きかけなど、どのような取り組みを進められるかお聞きします。



(交通企画課長)

練馬区福祉のまちづくり条例においては、案内所の筆談機の設置等に努めることが、まず求められております。


東京地下鉄株式会社や西武鉄道の駅では、談機の設置と設置有の表示について完了していると聞いております。


ほかの鉄道駅については、筆談機の設置の準備はございますが、設置有の表示がなされていないなどを確認しております。


バリアフリーについては、ハード面の整備だけではなく、ソフト面の施策の推進も重要だと考えているところです。


区としては、これまでの調査結果を基に、鉄道事業者等に機会を捉えて、さらなるバリアフリー施設の充実のために働きかけを行っていくと考えております。




(かとうぎ桜子)

こうした鉄道駅でのバリアフリーの状況や、区としての調査を中心とした取り組みについて、まずは区民に現状をお伝えすることも必要かと思います。


障害者団体にこうした取り組みの状況をお伝えするほか、ホームページなどでも報告書の内容、特に区と鉄道事業者とのやりとりの中で、どのような改善が実現できたのかといった取り組み内容を周知することは、バリアフリーの啓発にもつながると思います。


そういう意味で、ぜひ幅広く情報公開していただきたいと思います。いかがでしょうか。




(交通企画課長)

地下鉄赤塚駅のエレベーター増設については、先ほど(他の会派に対して)ご答弁を差し上げているところでございますが、実現に向け、動き出しているところです。


鉄道駅における安全の確保や利便性の向上などについては、鉄道事業者みずからの責務として、取り組むことが基本としております。

そのため、引き続きさらなるバリアフリー化の充実について、働きかけていくとともに、バリアフリー化に関する情報を区民の皆様にお伝えする仕方などについても、鉄道事業者とともに、その周知の方法等を検討してまいりたいと考えております。




(かとうぎ桜子)

ぜひ、どういったバリアフリーが障害のある方やご高齢の方などにとって必要なのかということを、多くの区民の方と共有するためにも、情報公開の仕方を工夫していただければと思います。