2011年度決算・都市整備費のところで、鉄道駅・民間施設・区立施設のバリアフリーについて質問しました。

福祉のまちづくりの目標は一体的にバリアフリー化することですから、一気にすべての内容をご紹介したいところですが、分量が多すぎるので3回に分けてご紹介します。

今回はまず、鉄道駅のバリアフリーについて。

質疑の内容は以下に詳細を書きますが、この中で担当課長が繰り返し答弁している、「基本的には鉄道事業者が責任を持ってやるべきことである」というのはもちろんのことだと私も思います。ただバリアフリーは「利便性の向上」のためにやるものではなく「障害のある人の移動の権利を保障する」という観点から区にも積極的な関わりを求めたいところです。

また、「バリアフリーをすべき箇所は当然、鉄道事業者側も認識しているだろう」との答弁もありますが、エレベーターがなくて移動しづらい場所はもちろん鉄道事業者側は把握しているでしょうけれど、案内表示を誰が見ても分かるようにする工夫(高齢の方でも、弱視の方でも・・・)というようなことは、専門的な目で見ないと案外見落としがちだと思います。
せっかく昨年度調査をしたということなので、より利用しやすい駅を作るために有効活用してほしいと思います。

------(以下、質疑の要旨)-----
(かとうぎ桜子)
鉄道駅バリアフリー経費について、まずは伺います。

 バリアフリー施設調査ということで、区内、または区に隣接していて、区民の方が利用されている鉄道駅のバリアフリー調査を行ったということですけれども、今回調査を行った目的をまずはお聞かせください。


(交通企画課長)
鉄道駅のバリアフリー化については、先ほども(他の会派の質問に対して)ご答弁申し上げましたが、昨年8月に東京メトロ氷川台駅の改札階と地上を結ぶエレベーターが整備されたことで、区内の21駅全てにおいてバリアフリー化された経路が1ルート確保された状況です。

一方、区民の皆様からは、2ルート目の整備など、鉄道駅のさらなるバリアフリー化についてのご要望が寄せられているところです。
鉄道における安全の確保や利便性の向上は、鉄道事業者がみずからの責務として取り組むことが基本ではありますが、区としましては、この鉄道事業者が主体となった駅のバリアフリー化の促進を図るために、昨年度、区内21駅および区に隣接する7駅を対象に、駅施設のバリアフリー化の現状を把握することを目的に調査を行ったものです。


(かとうぎ桜子)
私もこの調査結果の資料を拝見しまして、まだ課題の残る駅もあるということを感じました。
今のご説明で、バリアフリー化は基本的には鉄道事業者の責務であるというお話もありましたけれども、今回この調査をやったことで、今後はこの調査を区としてはどのように生かして、どのような対応をされていくのか、お考えをお聞かせください。


(交通企画課長)
今回の調査の中では、この現在の駅施設のバリアフリー化の状況や、バリアフリー化されたルートへの迂回の状況や、駅施設の主要な施設の状況などを踏まえまして、改善の方向性について検討を行ったものです。

今後の部分ですが、先ほど来申し上げておりますが、このバリアフリー化については、鉄道事業者が、まずみずからの責務として取り組むことが基本になりますが、区内の鉄道駅につきまして、区としましては、今回の調査結果を基礎資料としながら、鉄道事業者への働きかけなどの対応を行ってまいりたいと考えています。


(かとうぎ桜子)
調査結果を拝見していますと、2ルート目がなければ、かなり遠回りをしなければいけないような駅もあって、事業者にしっかり検討していただかなければいけない部分があるということも感じましたけれども、その一方で、例えば階段の段ごとに目印をつけることで、弱視の方が利用しやすくするための工夫であるとか、音声による案内をすることで目の見えない方へ対応するとか、エレベーターの位置とか、誰でもトイレの場所を分かりやすくするための案内表示といった工夫が、まだ十分でない駅もあるという点も指摘されておりました。

こういった工夫というのは、エレベーターの設置のように大規模な工事を必要とするわけではありませんので、工夫次第でできるものだと思いますから、この点についても、あわせて早急な対応を鉄道事業者に求めていただきたいと思いますけれども、区としてはどのようにお考えでしょうか。


(交通企画課長) 
今回の調査によってバリアフリー化の状況が把握できた中で、区としましては、今回の調査結果を基礎資料としながら、鉄道事業者への働きかけなど、必要な対応を行ってまいりたいと考えてございます。


(かとうぎ桜子)
ぜひ具体的な内容についても示していただきながら、進めていただくようお話していただければと思います。 

それで、今回調査を行った内容について、調査をする前か、あるいは調査をした後に、障害のある当事者の方のご意見は、どのような形でお聞きになっているのかを伺いたいと思います。


(交通企画課長) 
鉄道駅のバリアフリー化については、福祉部の方になりますが、昨年3月に策定しました練馬区福祉のまちづくり総合計画においても、重点的に取り組む事業として位置づけられているものです。

また、この総合計画の検証や評価を行うことなどを目的にして、福祉部の方が事務局となって福祉のまちづくりを推進する区民協議会が、お話のありましたような高齢者や障害者などの関係団体や、公募による区民の参画のもと開催されております。

こうした中で、私ども所管課もこの協議会に出席しまして、鉄道駅のバリアフリー化についての現状や区の考え方などをお伝えいたしまして、出席者との意見交換などを行っているところです。

協議会では今後、この総合計画の推進に関する課題や意見などを、区長に対して行うとされておりまして、この協議会からの意見なども踏まえながら、バリアフリー化を促進していきたいと考えてございます。

こうした高齢者や障害者などの当事者と意見交換などを行い、有効な協議会が開催されているということがありまして、この調査に当たり、事前には個別の当事者への意見交換等は行っておりませんが、今後についても、現時点ではこうした協議会などでの意見を伺っていきたいと考えておりまして、個別に当事者の参画などを求めていく考えは現時点ではございません。


(かとうぎ桜子)
協議会を通じてということですけれども、障害といっても本当にさまざまな障害があって、どういうバリアフリーを進めていただきたいかというのは、本当に車椅子の方なのか、目の見えない方なのかといったところで異なると思いますので、ぜひ丁寧に話を聞いていっていただきたいと思います。

それから、また鉄道駅のバリアフリーに関しては、鉄道事業者の責務ということではありますけれども、ただ、福祉のまちづくりという観点では、やっぱり区といい形で協力関係をつくっていきながら、お互いに理解を深めていくということも大切だと思います。

こういった形で今回の調査も生かしながら、鉄道事業者との話し合いを丁寧に行っていただきたいと思いますし、それから、障害のある当事者の方の声をつないでいく役割を果たしていっていただきたいと思いますけれども、改めて区の姿勢を伺えればと思います。


(交通企画課長) 
平成23年度において、先ほどからお話し申し上げておりますような調査を行っておりますが、この調査は駅構内において調査を行うことから、各鉄道事業者の協力を得ながら行っているものです。

先ほど来、お話申し上げておりますが、基本的にはこのバリアフリー化というものに関しては、鉄道事業者みずからの責務として取り組むことが基本ですが、区といたしましては、今回、私どもの方で把握した調査の結果、つまり各駅のバリアフリー化の状況については、各鉄道事業者におきまして、当然のことながら認識しているものと考えております。

しかしながら、この鉄道事業者が主体となった取り組みを促進していくという観点から、必要に応じて鉄道事業者へ情報提供を行うなど、必要な対応を図ってまいりたいと考えております。

また障害者の、あるいは高齢者の方など、そうした関係者の方の意見というものを、先ほどお話しましたが、協議会などの場を通じて、さらなる意見の交換などを行ってまいりたいと考えてございます。