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1. 風吹く丘の上で
2. ヤンバルクイナ
2001年にリリースされた雀羅の5thシングル。
三部作となる「参ニ混ジワル十戒」シリーズの完結編となります。
第一弾、第二弾と、ツボを突く楽曲を畳み掛けてきていただけに、少しハードルが高くなりすぎたのが本作の不運だったところ。
楽曲としては悪くない。
むしろ相応に凝っていて、聴きどころもある。
しかし、どうしてもインパクトが弱くなってしまいました。
「風吹く丘の上で」は、ミディアムテンポの歌モノ。
シングルでこの手の楽曲を切ってくるのは珍しかったのですが、三部作を総合的に見ると、そろそろ来そうだな、と予想できた部分はありましたね。
サビから入るわかりやすさがあり、必要以上に壮大にはせず、コンパクトにまとめた印象。
Vo.明透遊さんの細いハイトーンボイスも、Aメロ部分の繊細で切ないメロディとは合っています。
力強くなるサビでボーカルも迫力が出せれば…といった点で惜しさはあるのですが、総合的には佳曲ではないかと。
「ヤンバルクイナ」は、ダークでハードな彼ららしいナンバー。
タイトルを見て、どんな楽曲がくるのかヒヤヒヤしましたが、しっかりとヴィジュアル系をやってくれて一安心。
疾走感を意識したストレートな構成と思わせつつ、Bメロでは変拍子に切り替わり、アクセントとなっています。
緩急のメリハリがはっきりしていて、とらえどころがないのだが、「風吹く丘の上で」がシンプルな構成だった分、バランスをとったということでしょうか。
三部作の締めくくりという過剰な期待をせず、フラットな気持ちで聴きたかった。
確かに"雀羅といえばこれでしょ!"というキラーチューンではないのだが、どちらも安定感があり、雀羅らしさがないわけでもない。
独立したシングルとして聴く分には、曲数を除けば物足りなさは特に感じないのですよ。
ここら辺は、流れというかタイミングというか、目に見えない空気の問題。
当時の評価が伸びていなかったから、そんなにたいした楽曲でもないのだよね、ということでもないのだから難しいところです。
そういう意味では、時間が経った今、振り返って聴こうとしている層にしてみればチャンスなのかもしれませんな。
<過去の雀羅に関するレビュー>
参ニ混ジワル十戒~片目ノ少女ニ叙情ドラッグ
参ニ混ジワル十戒~蛇苺ノ感傷トリップ
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