Wing of Sepia / Zephyr | 安眠妨害水族館

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Wing of Sepia/Zephyr
ノーイメージ 

1.Wing of Sepia

ひっそりと復活を遂げていたゼフィール。
本作は、2001.9.1.西九条BRAND NEW ワンマンライブ配布CD。

Matinaに在籍していながら、レーベルの主流であった黒系コテコテではなく、透明感のある白系サウンドを貫いていた彼ら。
本作は、実質的なラストワンマンでの配布作品ということで、その集大成的なナンバー。

打ち込みのリズムと、幻想的なシンセにボーカルが絡まってくる導入部分から、バンド演奏に移行するイントロ。
この段階で、白系王道感満載。
広がりを持たせるアルペジオが印象的な、メロディにこだわったミディアムバラードですね。
歌詞の世界観も耽美的で、活動休止というタイミングにふさわしい切なさを感じさせます。

サビで、わかりやすく盛り上がるのもお約束通り。
「風よ」というフレーズを、フックの部分で繰り返すので、耳に残っていきます。
Caimさんの歌い方も、それまでは淡々と歌っていくのですが、このサビの部分では、掠れそうになるくらいに、感情を込める。
ラストシーンで、余韻を残すようなフレーズを持ってくるのも、ツボを心得ていると言ったところ。

感情を込めると、ピッチが崩れてしまうのが、課題でしょうか。
甘く、浮遊感がある声質なので、淡々とフワフワ歌っているうちは気にならないのですが、芯を持たせてはっきりと歌う場面では、どうも心許ない。
それぐらい心情を露わにしているという意味では、パフォーマンス的に必ずしも悪い点とは言い切れませんが、バラードであることを考えれば、もう少し丁寧に歌って欲しかったのも確かです。

このバンド、ちょくちょく限定復活ライブを行いながら、活動再開を匂わせていたのですけれど、遂に2012年、待望の新音源をリリース。
今度こそ、本格的な復活に近いのかな。
本作についても、新しくなったオフィシャルサイトで、普通に通販が可能。
あの時ライブに行けなくて聴き逃していた人は、この機会に手に入れてみても良いかも。

<過去のZephyrに関するレビュー>
発情記
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