CREATURE / DEATHGAZE | 安眠妨害水族館

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 CREATURE 初回限定盤/DEATHGAZE
¥3,675
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1. BRAND NEW KISS
2. RING THE DEATH KNELL
3. USELESS SUN
4. VICE
5. NEWBORN-wrongful life
6. SILENCE
7. MALICE
8. SUICIDE DANCE
9. DISGUSTING EYE
10. SLEEP IN THE RAIN
11. THE END
12. CREATURE
13. GLORY SKY

DEATHGAZEにとって、5枚目となるフルアルバム。
初回盤、通常盤の違いはあれど、収録曲は同一です。

デスヴォイスを多用して、ハードに攻め立てる。
近年の名古屋バンドの礎を築きあげるのに貢献してきた彼らが、更に成長を見せたのが、この「CREATURE」。
ただ、やみくもにハードなわけじゃない。
メロディアスさも強調して、ジャパニーズ・ラウドの在るべき姿を模索してきた結果が、本作によって還元されたといったところです。

バラードや、スローな楽曲は、一切排除。
とにかく激しく、だけど、しっかり歌モノとしての立ち位置が確立している楽曲たちで構成された13曲。
ここまで重低音が効いたナンバーが畳み掛けられると、いくらなんでも過食気味になってしまいそうなもの。
しかし、この作品には、メリハリがきっちりついていて、バランスが良いのですよ。

そのタネは、やはり、印象的なメロディ。
硬派なラウド、メタルといった音楽性にこだわる一方で、単調になることがない神経質な歌メロが連なる。
勢いで押し切るだけのバンドでは、ここまでの深みのある融合は生み出せません。
スピーディーでハードな楽曲の中にも、濃淡が見られる。
これまでも、メロディアスさは強みだったバンドではありましたが、ますます洗練されて、遂に完成したとでも言うべきクオリティ。

エッジを効かせて、攻撃性を増したドラム、バンドに馴染んできて、主張が増えた印象のあるベース、ラウド系では珍しく、繊細な泣きのフレーズも積極的に取り入れるギター。
そこに加わる、アグレッシブな藍さんのボーカルまで、すべてがうまく絡み合っている。
やはり、一発目のインパクトが強烈だと、アルバム全体のイメージも引き締まりますね。
「BRAND NEW KISS」のキラーチューンっぷりに、ノックアウトされました。

普通のラウドバンドだったら、捨て曲になってしまいそうな、「NEWBORN-wrongful life」などの極端なハードチューンも、そろそろメロディアス一辺倒だと、面白くないな・・・というタイミングで入ってくるから、無駄のない効率的な構成とも言える。
最後まで、良い意味でハラハラドキドキしながら楽しめるアルバムに仕上がっています。

次なる課題は、これにバラードなどが加わったところで、どこまで聴かせることができるか。
どうしても振れ幅が狭くなりがちなので、ハマる人はどっぷり浸かるけれど、ピンとこない人は、どこにも引っかからずに終わってしまう懸念もあるでしょう。
ハード&メロディアスのスタイルでは、行けるところまで行った感があるので、ここから「AWAKE-evoke the urge-」で見せたバリエーションの幅を復活させつつ、アルバムとしての完成度を求めるようになったら、非の打ちどころがなくなるよなぁ、本当に。

<過去のDEATHGAZEに関するレビュー>
THE CONTINUATION