RIOT STAR / the Riotts. | 安眠妨害水族館

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RIOT STAR/the Riotts.


1.未来
2.SUPER☆DRIVER
3.チェックメイト(Re:vox ver.)
4.climb over
5.Little Planet/
6.レクイエム(Re:vox ver.)
7.星屑と月と灰色の街
8.METEOLITE(Re:vox ver.)
9.【     】(Re:vox ver.)
10.アリア
11.Twinkle Star(シャシャレハイテンション ver.)
12.星の砂

音源制作プロジェクト、the Riotts.の1stフルアルバム。
ex-176BIZの雪希さん、たらさん、楓栖さんが中心となって、ゲストボーカルを迎えて活動する、ちょっと特殊なスタイルを採用しています。

本作でのボーカリストは、ex-LASTLIPの歩さん。
過去には、現在はBlu-BiLLioNで活動中のミケさんや、えんそくのぶぅさんが参加していましたね。
過去の楽曲も、ボーカルチェンジバージョンで再録されており、聴き比べるのも一興でしょうか。

楽曲の系統は、176BIZの延長線上といったところ。
正式メンバーが全員、ex-176BIZなのだから、当たり前と言えば当たり前なんだけれど、期待に応えてくれたという意味では嬉しい。
耳馴染みの良いメロディを、ストレートな歌モノとして、素直にぶつけてきた印象です。
そこに、現代風のキラキラ風の同期音が混ざってくるので、所謂、ネオヴィジュアル系の王道的なサウンドになっているのではないかと。

その王道感を象徴するのが、「未来」、「SUPER☆DRIVER」と続く、スタートダッシュ。
ロックテイストの強いイントロに、フレーズがはっきりしたメロディ。
それを、同期音で着飾り、サビでは疾走して爽快感を増していきます。
ちょっぴりヘヴィーなアプローチになって、裏でラップ調のMCが重なってくるあたりも、清々しいくらいにど真ん中。
展開が読めてしまう部分は否めませんが、こういう曲の積み重ねで、ハズレのないアルバムに仕上がっているのが、この「RIOT STAR」だと言えるでしょう。

やはり、音源制作が念頭にあるプロジェクトなだけあって、ライブ感とか、遊び曲には目もくれず、とにかく良い歌を作るということにこだわっているような構成。
アルバムということを考えれば、多少はアクセントを添えても良かったとは思うものの、曲単位で緩急をつける工夫は見られるので、そこまで、ごちゃついたものにはなっていません。
純粋にメロディアスナンバーが好きな人には、たまらない作品なのではないでしょうか。
歩さんの声質も、楽曲とハマっていて、聴き心地が良いです。

一方、その代償としては、抜群にインパクトのあるようなナンバーが不足気味。
ラストの「星の砂」などは、疾走感があって、ほんのり切ないキラーチューンだとは思うものの、全体的に、綺麗にまとまりすぎて、このバンドは新しい!という感覚は薄いかも。
1曲1曲のクオリティも高いし、アルバムとしてのバランスも良いし、ボーカルもゲストの割にはしっかりと馴染んでいる。
だからこそ、あと一歩の斬新なアプローチも求めてしまいます。
このプロジェクトでの、冒険的な楽曲を見てみたい。

ちなみに、初回盤はDVD付き、通常盤が、ボーナストラック2曲が追加収録されるという仕様。
通常盤のみに収録されている「climb over」は、お洒落ミクスチャー要素がある中、癖がある歌メロが面白いし、「Twinkle Star」は、ラフなスタイルでのアッパーチューンになっています。
バラエティを増やし、アルバムの中でのメリハリを出しているという意味でも、単純に楽曲に浸るのがお好みであれば、通常盤がおススメでしょうか。